ブラック・スワン  ~『無能』な兄は、優美な黒鳥の皮を被る~ 

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禁断症状で倒れちゃうかも 4

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 一国の王と王子の遣り取りを無言で眺めながら、俺はじっと考える。

 どうにも、ゲームで知らない展開が多すぎるんだよなー。

 爆弾の件はリックという転生者が絡んだ完璧なイレギュラーだろう。
 だが、魔王の存在とか、流行り病の真相、傷害事件に関わりのあるクレインの死亡などはどうなのだろうか?

 魔物の大規模発生も流行り病も傷害事件もゲームでもおきた現象だ。

 なのでこれらがイレギュラーなのか、それともゲームでは語られなかっただけで裏で起きていた事象なのかがいまいち判別がつかないんだよな。うーん。

 ゲームの悪役はジャウハラの貴族でクレインとか出てこなかったしね。

 その目的だってジュエラルとジャウハラの関係の悪化が大きな目的の一つだった筈なんだけど……。

 ぶっちゃけ国同士の結びつきはめっちゃ強固になってます。

 さっきアレクサンドラが言ってた食料支援とか、薬関係でも協力してるし、水不足解消の為に『水』の『異能』持った人間派遣したりしてるしね。

 今度正式に大規模な訪問も行われるし。

「ジャウハラへ派遣する使節団だが、王族からも一名派遣するつもりだ」

 へぇ~誰だろ?
 ティハルトは無理だし、ダイアとか?それか第二王子あたりかな?

「お前も一緒に行ってくれ」

 ティハルトが顔を向けたのは俺で、まぁ、薄々わかってたから驚きはしない。

 割と人使い荒いよね?

 特に俺に対して。

「私でいいのかい?国の訪問なのに」

 無駄と知りつつ一応苦言を呈したのは俺が爵位を手放しているからだ。
 外交には立場とかはったりも重要だからね。

「家柄は問題ないから大丈夫だろう。それに立場より使える人間の方がいい。あと、母上とアイリーンの推薦だ。絶対にねじ込めと言われてる」

 前半は光栄だけど……。

 後半の言葉に遠い目になった。

 皇太后様のご推薦……って。

 確実にアレでしょ?
 裏隠しキャラだと思ってる俺を何が何でもゲームの舞台にあげようとしてんでしょ。知ってる。

 でも俺はモブですー!

 アイリーンの推薦は何でさ??
 夫婦そろって親友を使い倒そうとしてんの?

「別にいいけど……」

 行くのはね、別に異論はないんだけどね?

 その間、可愛い弟と妹に会えないとか。

 俺、耐えられるかな……?
 わりと本気で心配なんだけど…………。

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