8 / 10
第8話:暴走の果て、凪の若き日
しおりを挟む
——やっつめの後悔:無謀な疾走の果てに、友の翼を折ったあの日——
九十九歳の石川慎一郎は、病床で奇妙な違和感に苛まれていた。 本来ならば、長年の過労と持病、そして老衰によって、彼の肉体は悲鳴を上げているはずだった。しかし、七つの後悔を消し去り、人生を「より善いもの」へと書き換えてきた結果、今の彼の体には、あるはずの「古傷」が一つもなかった。 本来の歴史では、彼は若き日に大きな事故を起こし、左足に生涯消えない痛みを抱えていたはずだ。雨の日には疼き、歩くたびに自分自身の「過ち」を思い出させてくれた、あの鈍い痛み。 それが、今の彼にはない。 記憶だけでなく、肉体に刻まれた「罰」さえも消え去り、慎一郎はますます自分という存在が、誰かが描いた滑らかな物語の登場人物になったような空恐ろしさを感じていた。
「……私の痛みは、どこへ行った」 無機質な医療機器の音だけが響く中、心臓の奥で、かつてのガソリンの匂いと、タイヤが悲鳴を上げる音が蘇った。 八つ目の後悔。 一九五〇年代。慎一郎がまだ、自分は何者にもなれると信じて疑わなかった、血気盛んな青年期の暗部。 砂時計の砂が火花を散らし、慎一郎の意識は、真夏の深夜、峠を越えるワインディングロードへと引き戻された。
——一九五〇年代、夏。 慎一郎は、当時手に入れたばかりの輸入車を走らせていた。隣に乗っていたのは、同じ大学の友人であり、将来を有望視されていたピアニスト志望の青年、河野(こうの)だった。 「慎ちゃん、少し飛ばしすぎだよ。狭い道なんだ、危ないよ」 河野の忠告を、当時の慎一郎は鼻で笑った。 「臆病だな、河野。このマシンと俺の腕を信じろ。世界は、スピードを制した者の手にあるんだ」
万能感という名の麻薬に酔っていた慎一郎は、急カーブでさらにアクセルを踏み込んだ。 対向車のライト。悲鳴。ハンドルを切る手応えが消え、視界が激しく回転する。 激突音。そして、静寂。 慎一郎は奇跡的に軽傷で済んだ。しかし、隣の河野は違った。車体は助手席側から激しく潰れ、河野の右腕は、二度と鍵盤を叩けないほど無惨に砕かれた。 慎一郎は金で解決を図り、河野は「不慮の事故だった」と彼を責めなかった。だが、河野はその後の人生で、音楽への道を絶たれ、酒に溺れ、若くして世を去った。 慎一郎が成功の階段を上るたびに、折れたピアノの音色が幻聴となって彼を責め続けた。
(……俺の傲慢さが、あいつの空を奪ったんだ)
慎一郎の意識が、熱を帯びた二十代の肉体に宿る。 真夏の夜。虫の音。排気ガスの熱気。 隣には、楽しそうに明日の演奏会のプログラムを語る、若き日の河野がいる。
「慎ちゃん、今日は一段と飛ばすね。何かいいことでもあった?」 史実ではここで「もっと速くしてやる」と加速した。 だが、今の慎一郎は、静かにブレーキを踏んだ。車は路肩に止まり、アイドリングの音だけが響く。 「……慎ちゃん? どうしたんだよ、急に」 慎一郎はハンドルを握る手を緩め、深く、長く息を吐いた。 「……河野。明日の演奏会、最高の出来になるといいな」 「え? ああ、もちろんさ。そのために練習してきたんだから」 「……行こう。ゆっくりとな。俺には、お前の腕を守る責任があるんだ」
慎一郎は、制限速度を守り、慎重に車を走らせた。 背後から来る車に追い抜かれ、煽られても、彼は決して動じなかった。 河野は不思議そうにしていたが、やがて窓から入る涼しい夜風を楽しみながら、穏やかに話し始めた。 「……不思議だね。急いでいた時より、今のほうが、星がよく見えるよ」 その言葉を聞いた瞬間、慎一郎の目から熱いものが溢れた。
そこからの歴史は、鮮やかに書き換えられた。 河野は翌日の演奏会で大成功を収め、その後、日本を代表するピアニストとして世界中を飛び回るようになった。 慎一郎は、彼のパトロンとして、そして親友として、常に客席の最前列でその音色に耳を傾けた。
ある年の秋。パリのコンセルトヘボウでのリサイタル後。 「慎一郎。あの日、峠道で君が車を止めてくれた時、僕はなんだか、自分の人生の『流れ』が変わったような気がしたんだ。君に救われたような気がするんだよ」 楽屋でシャンパンを傾けながら、河野が笑う。 「……大げさだよ、河野。俺はただ、安全運転を心がけただけだ」 慎一郎は微笑みながら答えたが、その胸には、史実の自分が決して得ることのできなかった「親友の幸福」という、何物にも代えがたい安らぎがあった。
河野の腕は砕かれることなく、その指先からは、何十年にもわたって数百万人の人々の心を癒す旋律が奏でられ続けた。慎一郎の人生もまた、暴力的な後悔に苛まれることなく、穏やかで誠実な実業家としてのキャリアを積んでいった。
数十年後。書き換えられた未来の慎一郎は、河野の引退公演を見届け、共に老境を楽しんでいた。 二人は、あの日事故を起こすはずだった峠道を、今度はゆっくりと散策した。 「いい人生だったな、慎ちゃん」 「ああ、河野。本当に、いい人生だった」 ——だが。 幸せな老後の風景が、突然、音もなく色褪せていく。 「……! 待ってくれ、この旋律だけは……河野の弾く、あの音だけは……!」 慎一郎は、頭の中で響いている美しいピアノの調べを、必死に記憶の檻に閉じ込めようとした。 しかし、タイムリープの代償は、彼の情動の最も繊細な部分を奪い去っていった。
——九十九歳の病室。 慎一郎は、奇妙なほど「静かな」心で目を開けた。 枕元には、世界的なピアニスト「河野一郎」の全集CDと、彼からの献辞が記された楽譜が置かれていた。 『私の親友、慎一郎へ。君という「聴衆」がいなければ、私の音楽は完成しなかった』
「……よかった。彼は、弾き続けたんだな」 慎一郎は、その楽譜に触れた。 だが。 ……河野。 この名前を読んでも、もう、何の感情も湧いてこない。 彼の弾く音楽がどんなものだったか。なぜ、自分が彼のパトロンになったのか。 あの日、峠道で車を止めた時の、あの身を切るような「覚悟」も。 記憶が、消えていく。 河野の笑顔も、彼と共に旅をした各国の風景も。 さらには、「自分があの日、重大な罪を犯しかけた」という事実さえも。 「……私は、なぜこの音楽家を支援していたのだ?」 慎一郎は、無表情にCDのジャケットを見つめる。 彼は、後悔を解消するたびに、人生の重みを失ってきた。 そして今、彼は「自分が他者を救った」という満足感だけでなく、「かつて自分が抱えていた痛み」さえも失った。 苦しみが消え、悲しみが消え、悔恨が消える。 その後に残されたのは、真っ白なキャンバスのような、平坦で、空虚な、誰の人生でもない「美しい物語」の残骸だけだった。
カレンダーの数字が、また一枚、光の中へ消える。 残された時間は、あと二日。 そして、九つ目の後悔。 それは、自分自身の成功のために、自分が愛した「故郷の自然」を、金のために売り払った——社会への裏切りの記憶が、彼を待っていた。
九十九歳の石川慎一郎は、病床で奇妙な違和感に苛まれていた。 本来ならば、長年の過労と持病、そして老衰によって、彼の肉体は悲鳴を上げているはずだった。しかし、七つの後悔を消し去り、人生を「より善いもの」へと書き換えてきた結果、今の彼の体には、あるはずの「古傷」が一つもなかった。 本来の歴史では、彼は若き日に大きな事故を起こし、左足に生涯消えない痛みを抱えていたはずだ。雨の日には疼き、歩くたびに自分自身の「過ち」を思い出させてくれた、あの鈍い痛み。 それが、今の彼にはない。 記憶だけでなく、肉体に刻まれた「罰」さえも消え去り、慎一郎はますます自分という存在が、誰かが描いた滑らかな物語の登場人物になったような空恐ろしさを感じていた。
「……私の痛みは、どこへ行った」 無機質な医療機器の音だけが響く中、心臓の奥で、かつてのガソリンの匂いと、タイヤが悲鳴を上げる音が蘇った。 八つ目の後悔。 一九五〇年代。慎一郎がまだ、自分は何者にもなれると信じて疑わなかった、血気盛んな青年期の暗部。 砂時計の砂が火花を散らし、慎一郎の意識は、真夏の深夜、峠を越えるワインディングロードへと引き戻された。
——一九五〇年代、夏。 慎一郎は、当時手に入れたばかりの輸入車を走らせていた。隣に乗っていたのは、同じ大学の友人であり、将来を有望視されていたピアニスト志望の青年、河野(こうの)だった。 「慎ちゃん、少し飛ばしすぎだよ。狭い道なんだ、危ないよ」 河野の忠告を、当時の慎一郎は鼻で笑った。 「臆病だな、河野。このマシンと俺の腕を信じろ。世界は、スピードを制した者の手にあるんだ」
万能感という名の麻薬に酔っていた慎一郎は、急カーブでさらにアクセルを踏み込んだ。 対向車のライト。悲鳴。ハンドルを切る手応えが消え、視界が激しく回転する。 激突音。そして、静寂。 慎一郎は奇跡的に軽傷で済んだ。しかし、隣の河野は違った。車体は助手席側から激しく潰れ、河野の右腕は、二度と鍵盤を叩けないほど無惨に砕かれた。 慎一郎は金で解決を図り、河野は「不慮の事故だった」と彼を責めなかった。だが、河野はその後の人生で、音楽への道を絶たれ、酒に溺れ、若くして世を去った。 慎一郎が成功の階段を上るたびに、折れたピアノの音色が幻聴となって彼を責め続けた。
(……俺の傲慢さが、あいつの空を奪ったんだ)
慎一郎の意識が、熱を帯びた二十代の肉体に宿る。 真夏の夜。虫の音。排気ガスの熱気。 隣には、楽しそうに明日の演奏会のプログラムを語る、若き日の河野がいる。
「慎ちゃん、今日は一段と飛ばすね。何かいいことでもあった?」 史実ではここで「もっと速くしてやる」と加速した。 だが、今の慎一郎は、静かにブレーキを踏んだ。車は路肩に止まり、アイドリングの音だけが響く。 「……慎ちゃん? どうしたんだよ、急に」 慎一郎はハンドルを握る手を緩め、深く、長く息を吐いた。 「……河野。明日の演奏会、最高の出来になるといいな」 「え? ああ、もちろんさ。そのために練習してきたんだから」 「……行こう。ゆっくりとな。俺には、お前の腕を守る責任があるんだ」
慎一郎は、制限速度を守り、慎重に車を走らせた。 背後から来る車に追い抜かれ、煽られても、彼は決して動じなかった。 河野は不思議そうにしていたが、やがて窓から入る涼しい夜風を楽しみながら、穏やかに話し始めた。 「……不思議だね。急いでいた時より、今のほうが、星がよく見えるよ」 その言葉を聞いた瞬間、慎一郎の目から熱いものが溢れた。
そこからの歴史は、鮮やかに書き換えられた。 河野は翌日の演奏会で大成功を収め、その後、日本を代表するピアニストとして世界中を飛び回るようになった。 慎一郎は、彼のパトロンとして、そして親友として、常に客席の最前列でその音色に耳を傾けた。
ある年の秋。パリのコンセルトヘボウでのリサイタル後。 「慎一郎。あの日、峠道で君が車を止めてくれた時、僕はなんだか、自分の人生の『流れ』が変わったような気がしたんだ。君に救われたような気がするんだよ」 楽屋でシャンパンを傾けながら、河野が笑う。 「……大げさだよ、河野。俺はただ、安全運転を心がけただけだ」 慎一郎は微笑みながら答えたが、その胸には、史実の自分が決して得ることのできなかった「親友の幸福」という、何物にも代えがたい安らぎがあった。
河野の腕は砕かれることなく、その指先からは、何十年にもわたって数百万人の人々の心を癒す旋律が奏でられ続けた。慎一郎の人生もまた、暴力的な後悔に苛まれることなく、穏やかで誠実な実業家としてのキャリアを積んでいった。
数十年後。書き換えられた未来の慎一郎は、河野の引退公演を見届け、共に老境を楽しんでいた。 二人は、あの日事故を起こすはずだった峠道を、今度はゆっくりと散策した。 「いい人生だったな、慎ちゃん」 「ああ、河野。本当に、いい人生だった」 ——だが。 幸せな老後の風景が、突然、音もなく色褪せていく。 「……! 待ってくれ、この旋律だけは……河野の弾く、あの音だけは……!」 慎一郎は、頭の中で響いている美しいピアノの調べを、必死に記憶の檻に閉じ込めようとした。 しかし、タイムリープの代償は、彼の情動の最も繊細な部分を奪い去っていった。
——九十九歳の病室。 慎一郎は、奇妙なほど「静かな」心で目を開けた。 枕元には、世界的なピアニスト「河野一郎」の全集CDと、彼からの献辞が記された楽譜が置かれていた。 『私の親友、慎一郎へ。君という「聴衆」がいなければ、私の音楽は完成しなかった』
「……よかった。彼は、弾き続けたんだな」 慎一郎は、その楽譜に触れた。 だが。 ……河野。 この名前を読んでも、もう、何の感情も湧いてこない。 彼の弾く音楽がどんなものだったか。なぜ、自分が彼のパトロンになったのか。 あの日、峠道で車を止めた時の、あの身を切るような「覚悟」も。 記憶が、消えていく。 河野の笑顔も、彼と共に旅をした各国の風景も。 さらには、「自分があの日、重大な罪を犯しかけた」という事実さえも。 「……私は、なぜこの音楽家を支援していたのだ?」 慎一郎は、無表情にCDのジャケットを見つめる。 彼は、後悔を解消するたびに、人生の重みを失ってきた。 そして今、彼は「自分が他者を救った」という満足感だけでなく、「かつて自分が抱えていた痛み」さえも失った。 苦しみが消え、悲しみが消え、悔恨が消える。 その後に残されたのは、真っ白なキャンバスのような、平坦で、空虚な、誰の人生でもない「美しい物語」の残骸だけだった。
カレンダーの数字が、また一枚、光の中へ消える。 残された時間は、あと二日。 そして、九つ目の後悔。 それは、自分自身の成功のために、自分が愛した「故郷の自然」を、金のために売り払った——社会への裏切りの記憶が、彼を待っていた。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私を騙したあなたへ ―― 記憶を盗んだのは、あなたでした。
108
ライト文芸
失われた記憶の断片に、必ず現れる“あの人”の影。
愛だったのか、欺きだったのか——真実に近づくほど、彼女の世界は静かに崩れ始める。
優しい嘘、甘い罠、消えた記憶。
最も信じた人こそ、最も疑わなければならない相手なのか。
私を騙したあなたへ——記憶を盗んだのは、あなたでした。
心を締めつける心理サスペンス、開幕。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
光の図書館 ― 赦しの雨が上がるまで
108
恋愛
「あの日、私を救ったのは、あなたの未来でした」
雨の匂いが立ち込める午後の図書館。司書の栞(しおり)の前に現れたのは、影を帯びた瞳の青年・直人だった。 彼はいつも、絶版になった古い物語『赦しについての短い話』を借りていく。 少しずつ距離を縮める二人。しかし、直人の震える右手には、五年前の雨の日に隠された、残酷で優しい秘密が宿っていた――。
記憶の棲む図書館を舞台に、「喪失」を抱えた二人が「再生」を見つけるまでを描いた、静謐で美しい愛の物語。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる