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第三話
「友達(自称)と私(他称)が打ち解けた日」(6)
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「今日は暇じゃのう」
「そうですねえ」
私と九縁さんはお茶を啜りながら、事務所内で寛いでいた。今日の作業予定は今のところは午前の小規模な清掃が一件だけ。二人でやれば一時間もかからないものだった。清掃終了後、しばらくは車内で待機していた私達だったが次の作業指示が来そうになかったので、ひとまず一旦事務所へと戻ることにした。
「たまにはこんな日もええじゃろ」
「そう思います」
そして現在に至るわけだけど、時刻はもうお昼の十二時前。いつもなら外で適当な休憩を取っている時間だが、未だに次の指示が来る気配も無い。お姉さまは朝からお外回りだし、森筆さんも手持ち無沙汰なようで、同じ書類を何度も見直している。どうせ私達しかいないんだからもう少し肩の力でも抜けばいいのにと思うんだけどね。
「そういうまどかちゃんはすっかり順応しとるなあ」
いつの間にか半口を開けて壁のシミを眺めていた私を、九縁さんがからかうように目を細めた。
「いやあ、寝不足で……ふわぁ」
思わず出かけた私の欠伸と同時に、着信音が鳴った。欠伸は途中から溜息へと変わる。しぶしぶポケットから携帯を取り出すと、画面の通知欄には「朱鷺弖虎」という文字が堂々と表示されていた。
「またかよ……」
押し潰すように画面をタッチすると、専用のメッセージアプリが耳障りな電子音と共に起動した。そこに並ぶのはテトからの一方的なメッセージというなのストーカー染みた文面だ。
『今お昼中?私はさっき仕事が終わったばかり』
『今日は朝から大忙し。九十九神のお払いに、ポクポクおばさんの調査とかマジダルい』
『でも、こういう地道な仕事が次に繋がると思うと頑張れるかな。まどちゃんはどう?』
『あ、それと昨日言ってたマスカレイダーって何から見ればいいの?種類多すぎてわかんないんだけど』
一通りのメッセージを確認した後、私は『マスカレイダーア・ゴーがお勧め』とだけ送り、携帯をマナーモードに設定してポケットへと放り込んだ。
「まどかちゃんがそういうのいじるなんて珍しいなあ」
「いやあ、私だって女の子ですし」
なんなら変わってさしあげましょうか、という言葉がつい出そうになったが流石にそれが可哀想だろう、もちろん九縁さんがだけど。この一昔前に流行ったような呪いのメール染みたもの、一体どう対処しようか……
「今時、メールとか遅いから。ちょっと、貸して……はい、アプリと私の番号入れておいたわ。これだったらいつでも連絡できるでしょ」
一緒に街へと出かけた次の日の朝、普段はエレベーターを使っているはずのテトが、ビルの階段の前で待ち構えていた。そして半ば無理矢理私の携帯を強奪して、勝手に連絡用のアプリを入れてくれたわけだけど……
『今日、私残業~。まだまだかかりそうでキツい』
『起きてる?私今終わったところだけど』
『お風呂入ってるの?それともご飯中?』
『まどちゃん今どのチャンネル見てる?さっき、ハチミツ放送でmaika出てたよ』
それ以来ほぼ毎日届くようになった怪文書の数々。最初は私も小まめに返していたけど、すぐにそれが間違いだったと気付いた。こっちが一送れば十返してくるし、途中で止めれば更に倍の催促をしてくる。はっきりいって異常だとしか思えない。元引きこもりの私がいうのもあれだけど、周りの人間関係とか大丈夫なのだろうか。変な意味で心配になり、こうやって律儀に返事をしている私もどうかとは思うけどね……
「まあ、まどかちゃんにも友達がちゃんとおるようでわしは一安心じゃよ」
微妙に勘違いをしている九縁さんは、満足げに頷いている……きちんと説明をするべきか。人間や妖怪とかの種の違いはともかく、伊達に長生きしているわけじゃないだろうから、経験に基づいたアドバイスをくれそうだし。
それに、テトが言っていた退魔師という仕事も気になる。もちろん自分がなりたいとかではない。どうもテトの節々に感じられる危なっかしさとか焦りとかは、もしかしたらそれが関係あるかもしれないからだ。でも、この場合は森筆さんに聞いたほうが良さそうだし。そう言えば森筆さん、さっきから何やっているんだろう?
「……この日は、調整が……」
いつの間にかブツブツと独り言を呟いていた。とりあえず変に話しかけないほうがよさそうだ……まあいいや、考える事はたくさんあるけど、もうお昼の時間。とりあえずは後回しに……
「よし……まどかさん、決まりましたよ」
しようと思った矢先に森筆さんが私へ話題を振ってきた……嫌な予感がする。
「あの、決まったって何がですか」
「この前まどかさんが希望していた同行の件についてですよ」
……え、森筆さん、何言ってるの。記憶改竄されていない?大丈夫?
「二週間後の土曜日でしたら各部署や所長も折り合いが付きそうです。その日は空けておいてくださいね。服装は、出来ればスーツが望ましいですが無ければこちらで用意しますのでご安心下さい」
そう言ってにこりと微笑む森筆さん。当の私は自分の知らないところで話がどんどん大きくなっているんじゃないかと気が気でなかった。たかが鞄持ちにどうして他の部署が関係あるのか?そもそも私はうんともはいとも言っていないんですけど。
「ほう、まどかちゃんもいよいよやる気になったっちゅうわけか」
その場の空気に九縁さんも流され始めている。非常に不味い状況だ……こんなことならもう少し早く意思をはっきりさせておけば良かった。だが、まだ諦めるな私。今からでも挽回のチャンスはあるはず。
「おっしゃ、せっかくじゃしわしが術の一つでも披露しちゃろうかの。ええな、たけちゃん」
「ええ、九縁さんほどの方がおっしゃるなら私が言うことはございません」
「なーに、まだまだ後進のもんには負けとらんつもりよ、ほいじゃがなにがええかいの」
……話に全くついていけない。もしかして私、周回遅れ……?みんなもう私が立ち止まっている場所から先へ行っているってこと?
「『縛取』ならどうですか。退魔では基本の術ですし、今のうちに見ておいても特に問題は無いと思いますが」
「あー、あれか。ええな、それ。ほいじゃがおたくらは相変わらず大層な名前を付けたがるのう。こんなのたいしたもんでもなかろうに」
「申し訳ありません、人間は理解しにくいものには名前を付けたがるので、そこのところはご勘弁を」
「あやまらんでええて、ちょっとした年寄りの戯言じゃよ。ほいじゃ、まどかちゃん、ええか?」
「は、はい」
結局は流されるまま素直に返事をする私。かろうじて退魔という単語だけは聞き取れたが、あとはいつもの現実逃避だ。都合の悪いことが起きると後回しにする癖、そろそろ直した方がいいかもしれない。
「ちょっと、そこの湯呑みを取ってくれんかな」
九縁さんが指差したのはさっき私がテーブルに置いた湯呑みだった。新しく注いで一口しか飲んでいないので湯気はまだ、ほんのりと立っている。見たところ私が口にしたときと何かが変わった様子は無いけど……私は用心しながら湯呑みを掴んだ。
「……あれ?」
私は確かに自分の手で湯呑みを掴んだ。そこまではいい。けど、何かで固定されているかのようにそこから動かす事ができなかった。
「こぉんのー……」
片手では埒が明かなかったので両手でも試してみた。結果はさっきと同じで微動だにしない。九縁さんの方を見てもいつものおばあちゃんの姿だった。尻尾だって生えたりしていないし、舌も出していない。だとしたら、どうして……
「どうじゃ、まどかちゃん」
「どう、と言われましても」
観念した私は湯呑みから手を離した。あれから、無作法だけど机に足を掛けて力を入れたりロープで縛って引っ張りもしたがびくともしなかったからだ。
「まあ、こんなもんじゃよ」
だが、九縁さんは飄々とした顔で湯呑みをひょいと持ち上げて、新しいお茶を注いでくれた。
「流石です……」
私が会釈してそれを受け取ると、森筆さんから感嘆の声が上がった。表情も純粋に手品を楽しむ子供のようなものになっている。
「お噂には聞いていましたがまさかここまでとは。賞賛の言葉が見つかりません」
「年寄りをからかうもんじゃないで」
とりあえずまた置いていかれそうになっているので、ちゃんと自己主張しておこう。
「いや、確かに凄かったんですが。その、どうやったとか、どれくらい凄いのかがいまいち分からないんですけど」
「今のを見てわからないんですか」
私の言葉に信じられないという表情をする森筆さんだが、すかさず九縁さんがフォローしてくれた。
「確かに人間は名前とか具体的なもんがないと、理解しづらいっちゅうわけか」
その通りだった。極端な事を言えば、湯呑みに強力な接着剤を塗りつければさっきと似たようなことは再現できる。それを何の準備も無くえいや、とやることは凄いといえば凄いんだけど、そこまで驚くようなものとは私には思えなかった。
「しかし、所長は……おっと、失礼」
森筆さんが何かを言いかけたが、ちょうど着信が入ったようだった。念のため私も自分の携帯を確認したが、数件のメッセージが届いていた……さっきのマジックショーよりこっちの方が私にとってはびっくりものだよ。
「仕事が入りました。今から地図をプリントアウトしますので清掃に向かってください」
「ほいじゃ、準備しようかのまどかちゃん」
「はい」
どうも何かがしっくりと来ないまま、私は午後の仕事へと向かうことになった。嫌がらせ染みたテトからのメッセージ、二週間後に決まった他部署への同行、退魔師という仕事、今しがた見せられた術……私は何もしていないのに、色んなことが勝手に進んで決まっていく。いや、何もしていないから、かもしれない。
「そういえば、昼ごはん食べてなかったな」
私なんかが考えることなんて所詮これくらいのことなんだし。
「そうですねえ」
私と九縁さんはお茶を啜りながら、事務所内で寛いでいた。今日の作業予定は今のところは午前の小規模な清掃が一件だけ。二人でやれば一時間もかからないものだった。清掃終了後、しばらくは車内で待機していた私達だったが次の作業指示が来そうになかったので、ひとまず一旦事務所へと戻ることにした。
「たまにはこんな日もええじゃろ」
「そう思います」
そして現在に至るわけだけど、時刻はもうお昼の十二時前。いつもなら外で適当な休憩を取っている時間だが、未だに次の指示が来る気配も無い。お姉さまは朝からお外回りだし、森筆さんも手持ち無沙汰なようで、同じ書類を何度も見直している。どうせ私達しかいないんだからもう少し肩の力でも抜けばいいのにと思うんだけどね。
「そういうまどかちゃんはすっかり順応しとるなあ」
いつの間にか半口を開けて壁のシミを眺めていた私を、九縁さんがからかうように目を細めた。
「いやあ、寝不足で……ふわぁ」
思わず出かけた私の欠伸と同時に、着信音が鳴った。欠伸は途中から溜息へと変わる。しぶしぶポケットから携帯を取り出すと、画面の通知欄には「朱鷺弖虎」という文字が堂々と表示されていた。
「またかよ……」
押し潰すように画面をタッチすると、専用のメッセージアプリが耳障りな電子音と共に起動した。そこに並ぶのはテトからの一方的なメッセージというなのストーカー染みた文面だ。
『今お昼中?私はさっき仕事が終わったばかり』
『今日は朝から大忙し。九十九神のお払いに、ポクポクおばさんの調査とかマジダルい』
『でも、こういう地道な仕事が次に繋がると思うと頑張れるかな。まどちゃんはどう?』
『あ、それと昨日言ってたマスカレイダーって何から見ればいいの?種類多すぎてわかんないんだけど』
一通りのメッセージを確認した後、私は『マスカレイダーア・ゴーがお勧め』とだけ送り、携帯をマナーモードに設定してポケットへと放り込んだ。
「まどかちゃんがそういうのいじるなんて珍しいなあ」
「いやあ、私だって女の子ですし」
なんなら変わってさしあげましょうか、という言葉がつい出そうになったが流石にそれが可哀想だろう、もちろん九縁さんがだけど。この一昔前に流行ったような呪いのメール染みたもの、一体どう対処しようか……
「今時、メールとか遅いから。ちょっと、貸して……はい、アプリと私の番号入れておいたわ。これだったらいつでも連絡できるでしょ」
一緒に街へと出かけた次の日の朝、普段はエレベーターを使っているはずのテトが、ビルの階段の前で待ち構えていた。そして半ば無理矢理私の携帯を強奪して、勝手に連絡用のアプリを入れてくれたわけだけど……
『今日、私残業~。まだまだかかりそうでキツい』
『起きてる?私今終わったところだけど』
『お風呂入ってるの?それともご飯中?』
『まどちゃん今どのチャンネル見てる?さっき、ハチミツ放送でmaika出てたよ』
それ以来ほぼ毎日届くようになった怪文書の数々。最初は私も小まめに返していたけど、すぐにそれが間違いだったと気付いた。こっちが一送れば十返してくるし、途中で止めれば更に倍の催促をしてくる。はっきりいって異常だとしか思えない。元引きこもりの私がいうのもあれだけど、周りの人間関係とか大丈夫なのだろうか。変な意味で心配になり、こうやって律儀に返事をしている私もどうかとは思うけどね……
「まあ、まどかちゃんにも友達がちゃんとおるようでわしは一安心じゃよ」
微妙に勘違いをしている九縁さんは、満足げに頷いている……きちんと説明をするべきか。人間や妖怪とかの種の違いはともかく、伊達に長生きしているわけじゃないだろうから、経験に基づいたアドバイスをくれそうだし。
それに、テトが言っていた退魔師という仕事も気になる。もちろん自分がなりたいとかではない。どうもテトの節々に感じられる危なっかしさとか焦りとかは、もしかしたらそれが関係あるかもしれないからだ。でも、この場合は森筆さんに聞いたほうが良さそうだし。そう言えば森筆さん、さっきから何やっているんだろう?
「……この日は、調整が……」
いつの間にかブツブツと独り言を呟いていた。とりあえず変に話しかけないほうがよさそうだ……まあいいや、考える事はたくさんあるけど、もうお昼の時間。とりあえずは後回しに……
「よし……まどかさん、決まりましたよ」
しようと思った矢先に森筆さんが私へ話題を振ってきた……嫌な予感がする。
「あの、決まったって何がですか」
「この前まどかさんが希望していた同行の件についてですよ」
……え、森筆さん、何言ってるの。記憶改竄されていない?大丈夫?
「二週間後の土曜日でしたら各部署や所長も折り合いが付きそうです。その日は空けておいてくださいね。服装は、出来ればスーツが望ましいですが無ければこちらで用意しますのでご安心下さい」
そう言ってにこりと微笑む森筆さん。当の私は自分の知らないところで話がどんどん大きくなっているんじゃないかと気が気でなかった。たかが鞄持ちにどうして他の部署が関係あるのか?そもそも私はうんともはいとも言っていないんですけど。
「ほう、まどかちゃんもいよいよやる気になったっちゅうわけか」
その場の空気に九縁さんも流され始めている。非常に不味い状況だ……こんなことならもう少し早く意思をはっきりさせておけば良かった。だが、まだ諦めるな私。今からでも挽回のチャンスはあるはず。
「おっしゃ、せっかくじゃしわしが術の一つでも披露しちゃろうかの。ええな、たけちゃん」
「ええ、九縁さんほどの方がおっしゃるなら私が言うことはございません」
「なーに、まだまだ後進のもんには負けとらんつもりよ、ほいじゃがなにがええかいの」
……話に全くついていけない。もしかして私、周回遅れ……?みんなもう私が立ち止まっている場所から先へ行っているってこと?
「『縛取』ならどうですか。退魔では基本の術ですし、今のうちに見ておいても特に問題は無いと思いますが」
「あー、あれか。ええな、それ。ほいじゃがおたくらは相変わらず大層な名前を付けたがるのう。こんなのたいしたもんでもなかろうに」
「申し訳ありません、人間は理解しにくいものには名前を付けたがるので、そこのところはご勘弁を」
「あやまらんでええて、ちょっとした年寄りの戯言じゃよ。ほいじゃ、まどかちゃん、ええか?」
「は、はい」
結局は流されるまま素直に返事をする私。かろうじて退魔という単語だけは聞き取れたが、あとはいつもの現実逃避だ。都合の悪いことが起きると後回しにする癖、そろそろ直した方がいいかもしれない。
「ちょっと、そこの湯呑みを取ってくれんかな」
九縁さんが指差したのはさっき私がテーブルに置いた湯呑みだった。新しく注いで一口しか飲んでいないので湯気はまだ、ほんのりと立っている。見たところ私が口にしたときと何かが変わった様子は無いけど……私は用心しながら湯呑みを掴んだ。
「……あれ?」
私は確かに自分の手で湯呑みを掴んだ。そこまではいい。けど、何かで固定されているかのようにそこから動かす事ができなかった。
「こぉんのー……」
片手では埒が明かなかったので両手でも試してみた。結果はさっきと同じで微動だにしない。九縁さんの方を見てもいつものおばあちゃんの姿だった。尻尾だって生えたりしていないし、舌も出していない。だとしたら、どうして……
「どうじゃ、まどかちゃん」
「どう、と言われましても」
観念した私は湯呑みから手を離した。あれから、無作法だけど机に足を掛けて力を入れたりロープで縛って引っ張りもしたがびくともしなかったからだ。
「まあ、こんなもんじゃよ」
だが、九縁さんは飄々とした顔で湯呑みをひょいと持ち上げて、新しいお茶を注いでくれた。
「流石です……」
私が会釈してそれを受け取ると、森筆さんから感嘆の声が上がった。表情も純粋に手品を楽しむ子供のようなものになっている。
「お噂には聞いていましたがまさかここまでとは。賞賛の言葉が見つかりません」
「年寄りをからかうもんじゃないで」
とりあえずまた置いていかれそうになっているので、ちゃんと自己主張しておこう。
「いや、確かに凄かったんですが。その、どうやったとか、どれくらい凄いのかがいまいち分からないんですけど」
「今のを見てわからないんですか」
私の言葉に信じられないという表情をする森筆さんだが、すかさず九縁さんがフォローしてくれた。
「確かに人間は名前とか具体的なもんがないと、理解しづらいっちゅうわけか」
その通りだった。極端な事を言えば、湯呑みに強力な接着剤を塗りつければさっきと似たようなことは再現できる。それを何の準備も無くえいや、とやることは凄いといえば凄いんだけど、そこまで驚くようなものとは私には思えなかった。
「しかし、所長は……おっと、失礼」
森筆さんが何かを言いかけたが、ちょうど着信が入ったようだった。念のため私も自分の携帯を確認したが、数件のメッセージが届いていた……さっきのマジックショーよりこっちの方が私にとってはびっくりものだよ。
「仕事が入りました。今から地図をプリントアウトしますので清掃に向かってください」
「ほいじゃ、準備しようかのまどかちゃん」
「はい」
どうも何かがしっくりと来ないまま、私は午後の仕事へと向かうことになった。嫌がらせ染みたテトからのメッセージ、二週間後に決まった他部署への同行、退魔師という仕事、今しがた見せられた術……私は何もしていないのに、色んなことが勝手に進んで決まっていく。いや、何もしていないから、かもしれない。
「そういえば、昼ごはん食べてなかったな」
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