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6緩甘ネジ
染められて
しおりを挟む入れ替わりにシャワーを浴びた小野寺に押し倒され、二人分の重みでベッドが軋んだ。
いつも以上に熱を帯びた眼差しに、一度冷めたはずの身体がまた火照るのを意識する。
するりと肌を撫でながら服を脱がされ、重ね合う肌の温もりに安堵した。
視線が絡み、どちらからともなくさらに身体を寄せ合う。
熱い吐息が絡み、渇望する底の知れない双眸を前に千幸は目を細めた。
求められている。欲されている。
好きな人に。大事な人に。
その向けられる熱も愛おしくて。この時間が尊い。
頬に柔らかな口づけが落とされる。
目尻、おでこ、髪、そしてまた反対の目尻、頬、鼻、そして唇へとちゅっと可愛らしい音を鳴らしながら触れられる。
触れられた場所からじわじわと火照って、熱が逃れてくれない。
優しく触れながら外されない小野寺の視線はずっと千幸を捕らえていて、胸の奥がじんわりと熱を帯びていく。
「んっ、翔さ…ん…」
甘えたような声が出る。
取り繕う余裕もなく、するすると這わされながらがぶりと唇に食いつかれた。
文字通り食べるかのような激しいキス。絡まる舌と飲みきれない唾液がつぅっと唇から垂れ、ぺろりと舐めあげられる。
舌の感触にはぁ、と小さく息をつき、呼吸が全く整わないまままた貪られた。
「千幸」
「んっ」
長く骨張った小野寺の指が腰を辿り、胸へと向かう。
きゅっと形を確認するように何度か持ち上げられ、形を変えるように揉まれ、両方の胸を大きな手で揉み込まれた。
楽しそうに手を動かしていたが、人差し指が胸の先端を掠める。
ぴくりと反応すると、つままれぴんと弾かれて千幸は小さな声を上げた。
舐めて、噛んで、吸って。
きゅっと両手でつまみあげられ、声を上げると嬉しそうにまた吸われて。
花びらのような痕をあちこちにつけられた。
「っんぁっ」
「かわい」
「ああっ」
「千幸のぜんぶが好き」
先端を口で含みながら、下半身へと手が伸ばされる。
くちゅりと期待で濡れた下腹に指が入り、とくりとまた蜜が漏れた。
「翔、さん」
恥ずかしすぎて自ら唇を求めて顔を寄せると、気づいた小野寺がすぐにキスをくれた。
甘い吐息が部屋を占め、さらに官能を煽る。
「俺の指で感じてるの? こんなに濡れて。ほら、もっと感じて」
「あぁっ……」
「ああ、かわい。顔、見せて」
濡れた水音に耳を押し当てたくても、感じさせようと千幸の反応を見ながら獰猛な気配を漂わせる小野寺に何も言えなくて、小さく腰を揺らした。
煽られすぎた。今日も、これまでも。
そして、やっと互いの不安とか心配に向き合って好きが増して身体を重ね合うこの日。
もう焦らされすぎて、気持ちよすぎて、心から小野寺と一つになりたくて。
もう、いいよと。
自分ばかりが気持ちよすぎて、早く小野寺にも気持ちよくなってほしい。
欲するままに貫いてほしくて、千幸はかぷりと唇にキスをして躊躇いがちに小野寺の背に手を回した。
「もう、い、れて」
「千幸!!」
感じるところをまさぐられ小野寺は嬉しそうに笑った。
その顔を見てきゅんとなって、小野寺の指を締め付ける。
「千幸。千幸」
ぐいっと足を持ち上げられて、小野寺の下腹を当てられた。
「いい?」
「はい」
先端がくちゅくちゅと入り口を擦り、存在感を主張する。
やっと一つになれる。
嬉しくて、千幸はぎゅっと小野寺に回した手に力を込めた。
この愛おしい熱は自分のもの。手放したくない。
触れる肌。
汗で濡れた肌がぴたっとくっつく。それにほぉっと息が漏れた。
ゆっくりと中に入り込み、小野寺でいっぱいになる。
途中、はぁっと深い息にさえも煽られる。
交わり、揺れる。
やっと満たされる思いに浸っていられるのは最初だけで、次第に小野寺の熱に溺れそうになった。
◇ ◇ ◇side翔
千幸と一つになる。
包み込む温もりに、自分がすることで感じ反応をする事実に歓喜する。
これまで生きてきて初めて、翔は満たされることを知った。
一度知ってしまった甘い蜜。
ゆらゆらと揺れて、あらゆる反応を引き出したい。伝わる熱や触れる肌、汗にさえ、一つになった喜びで全身がずっと震えていた。
触れれば触れるほど、さらにもっと欲しくなる。
感じる姿が愛おしく、感じるたびに自身が締められてくっと息が漏れた。
――かわいい、かわいい。好きだ。
触れている事実。身体を許される事実。
そして、たくさんの言葉を思い出すたびに胸が震え身体は正直に千幸を欲する。
許されるまま夜も求めて、一度目よりは目に焼き付けるように丁寧に触れていく。
好きな人を欲望のまま求めて、同じように求められることの幸福。
恥ずかしそうに、でも目を逸らさず告げられる「好き」という言葉に、やっと千幸がこの手の中に、この手に捉えていいことを実感する。
今さら。
ここまできてやっと。
彼女の隣にいることを許されたような気がした。隣にいることを堂々と宣言できる気がした。
深夜、一度目を覚ました時に腕に感じた重み、相手の姿に安堵とともに愛おしさが増す。
繋がった分だけさらにまた欲しくなる。でも今はこの腕に、隣にいることに満足する。
「千幸……、愛している」
幸福すぎて、泣きたいようなどうしようもない気持ちが胸を占める。
愛する者がこの腕の中にいることが奇跡のようで、眩しくて目を細めているうちに、瞬きをしている間に、淡く消えてしまわないように焼き付けるようにじっと見つめた。
千幸の姿、表情、言葉、そして温もり。
さまざまな彼女を見つめながらなぞるように思い出し、ようやく安心する。
まだ、夢の中にいる彼女の頬にキスを落とし、千幸を抱え直すと翔はまた眠りについた。
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