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エピソード1:刻み屋ニック 4
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「おまえ……」
「憶えていてくれて光栄に思うよ、アベル」
にやにやと笑みを絶やさず、ニック――いや、カインはお辞儀の格好をした。
「どうした。驚いて声も出ないか」
「……理解不能ってやつだ。カイン、君は、異端視された私と違い、学界でもエリート中のエリートだったはず。その君が魔玉の力を……?」
「『君』とは、優しい呼び方をしてくれるね、アベル。まあ、旧知の仲だから、それは俺も同じだが」
嘲る表情のカイン。
「簡単さ。あの日、君は人造生命を現実の物とした。それがこのフランクだったとは、失念していたが……。ともかく、あれで俺の世界観は変わった。おまえが羨ましくなったのだよ。でもねえ、あのとき、君の研究を後ろから追っかけても、追いつけそうになかったからな。そこで俺は君の前から姿を消し、手っ取り早い方法を選ぶことにした。魔玉がポイントなのは分かっていた。魔玉さえ手に入れれば、どうにかできると考えたね。そして……手に入れた」
「どこでだ? あれは易々と入手できる物じゃない。私だって手にしたことは、フランクに使った一つきりだ」
心から不思議そうなアベル。だが、その疑問は解消されなかった。
「教えると思うか? それは甘過ぎるぞ。これから俺がなそうとしていることを知っていないのだから、無理ないかもしれんが」
「これから……?」
「ふふん。俺自身がどうして魔玉の者となったか、知りたくないかね? これも簡単でねえ。アベル、君は死体の寄せ集めに魔玉を用い、フランクを造った」
「その言い方はよせ!」
アベルはフランクの方を向いた。
無言で奥歯を噛みしめるフランク。
カインは鼻で笑うと、一向にかまわぬ態度で続けた。
「君を超えるにはどうすればいいか。あるいは、君よりも手早く人造人間並みの優れたモノを生み出すには、どうすればいいか。答は一つ、生きているものに魔玉を埋め込むのさ」
「動物実験さえ行わず、いきなり……自分で……実験したのか……」
恐怖を感じ、震え始めたアベル。コナン警部の方は、会話の全部は理解できないので、それが幸いしていた。
「俺は人間を捨てた。見るがいい!」
胸の辺りの衣服を切り裂くカイン。さらけ出されたのは……心臓に密着して脈動する魔玉だった。
「埋め込んで何年も経つのに、まだ肉体の方が慣れぬらしい。傷口が塞がってくれんのだ。これも魔玉の持つ力故なのかね、アベル『先生』!」
もはや何も言えぬアベル。
コナン警部が代わりに口を開いた。
「あちらのことは分からねえからな、俺は。死ぬかもしれんから、今の内に聞いておこう。おまえ、どうして十一人、いや今夜の犠牲者も含めて十二人も殺した? その訳の分からん力を試すためじゃないだろうな!」
「刑事君。君は実に人間らしい考え方をする。好きじゃないが、微笑ましいよ。さて、理由ねえ。力を試す意味もあったが、現在は違う。不良な奴ら、欠陥連中を取り除いてやってるのさ」
「どういうことだ?」
「人間にとって為にならん輩を葬った。それだけだ。こうすることで、優れた遺伝子を持つ者だけが次世代に残る。それによりより優れた人間が生まれるという手順さ」
「ば、馬鹿げている……」
正気を取り戻したアベルのつぶやき。
「人間を捨てたおまえが、人間の心配をするとは、お笑い種だ」
「分かってないね、アベル。私は君臨者となる。全ての人間をひれ伏させる、いわゆる神にね。君臨者と人間の関係は、人間と家畜との関係に置き換えられる。家畜は優秀なほど手がかからないというものじゃないかね」
「……本気らしいな」
「そうだとも」
「フランク、もうかまわん。我々はどうなってもいい。こいつを叩きのめせ!」
アベルの叫びに、フランクは戸惑った。
「おっと、フランク。少なくとも今の時点で、君と闘うつもりはない。魔玉の者同士の闘いが、どういうことになるのか把握してからやってやろう。それともどうだい? 君も仲間にならないか。同じ魔玉の」
「黙れ! おまえとは違う」
「ふふん。人間から魔玉の者になったら、その能力の素晴らしさに、つい人間を見下してしまうのかねえ。その点、フランク君は死体の寄せ集めだから、自分の持つ力の素晴らしさが分からんのだろう。かわいそうに」
「貴様!」
怒りに我を忘れたとき、フランクの身体は勝手に動いていた。それがもし、これまでのフランクの最速の動きであったのなら、フランク自身が迎撃されるか、少なくともアベルとコナンの両名は死んでいただろう。
しかし、そのときのフランクの動きは、これまでになかったものとなっていた。カインの予想をはるかに上回るスピードで接近したフランクは、渾身の力を込めて右拳を放った。
「うおっ?」
そんなカインの声。
委細かまわず、打ち抜くフランク。先ほどよりは手応えあり。
フランクが我に返ったとき、カインは再度、吹き飛ばされていた。
「早い、早すぎる!」
だが、カインのダメージは、彼をしに至らしめるにはまだ足りなかったらしい。カインはややよろめきながらも、すぐに立ち上がった。
「これは真剣に対策を考えねばならん。出直すとしよう。それにしてもアベル。おまえはとんでもないのを造ったな。研究者として仲間にほしいぐらいだ」
「冗談は好きじゃない」
突き放すように吐き捨て、アベルはフランクへ目をやった。
「あいつを追うんだ、フランク! 今なら勝てるかもしれん」
「了解!」
フランクは短く応じ、カインめがけて突っ込む。
「逃げ切れんぞ、カイン!」
「逃げてるように見えるか?」
自信満々のカインの声。フランクは危険を感じた。
「もしや、フランク。私が全ての能力を披露したと思っていないだろうねえ! 奥の手というのがあるものだよ」
「……はったりだ! そんな奥の手があれば、さっき、俺を殺していたはずだ」
「仕方のないフランク君。では、突っ込んできたまえ。料理してあげるよ」
逃げていたカインの足が止まった。その満ちあふれる自信、いや、それだけでなく、圧迫感を覚えさせる強大な気に、フランクは相手の言葉がはったりでないと感じた。
フランクが速度を落とした刹那、カインの方で変化が起こった。
「奴の爪が!」
カインの爪が輝き、片手の五つがその指から離れる。それらは意志を持った新たな生物のように、五つの方向から変則的な動きをしながらフランクに襲いかかった。
「よけられるかね!」
カインの挑むような声。
が、それどころでないフランクは、必死に身体の移動を試みる。
それでも、爪は自動的に目標を探知するらしく、執拗に追ってきた。
そして……。
「うっ!」
「大丈夫か、フランク?」
目覚めると、あまり寝心地のよくないベッドの上にいた。
「ここは……病院?」
「心配するな。私の知り合いの病院だからな。それにベッドを借りているだけだから、おまえの身体のことはばれやしない」
「そうか」
安心すると、痛みを感じてきた。
「つつ……。傷、どうなっているんです?」
「三つだ。一つは右足に刺さり、一つは左腕、もう一つは背中。どれも相当に深い」
「かわせたのは二つだけだったか……。回復具合もよくない」
「そのようだね。相手が魔玉を用いていると、勝手が違うらしい」
「コナン警部は?」
「無事だ。彼は精神的にも強いらしい。あの夜のいきさつの魔玉等の部分はお首にも出さず、事件の報告をしたそうだ」
アベルが笑うのを見て、フランクもようやく笑みがこぼせた。
「まだ……終わっていないんですね」
「酷なようだが、始まったばかりと言うべきじゃないか」
アベルの回答に、フランクはため息をついてみせた。
「どうだろう。やっていけるかな」
「やっていけるとは思う。が、フランク、君への負担が大きくなってしまうだろう。私も魔玉について研究を重ね、何とか対策を見つけるつもりだ」
「頼りにしますよ」
「お互い様だ」
フランクとアベルは手を取り合った。
この日、新しいフランクが誕生したと言えよう。
<【刻み屋ニックはどこへ?】
国中を騒がせた殺人鬼・刻み屋ニックの最後の凶行がなされて、すでに一ヶ月。これほど間隔が開くことは、ニックにとって異例である。いったい、ニックにどんな変化が起こったのだろう?
……(中略)……
未確認情報ながら、十二人目の犠牲者が出た当日、その現場で刻み屋ニックと警察関係者が乱闘となり、その際にニックは逃走するも重傷を負ったという。このときの傷が元で、ニックは死亡したのではないかという説も出る始末。
しかし皆さん、安心めされるな。刻み屋ニックは我々の油断を待っているだけかもしれない。いつ、ニックが復活してもおかしくないのだ。ニックが逮捕、あるいはその死が確認されるまで、夜の一人歩きは決してなさらぬよう忠告しておこう>
***三流新聞某紙の記事より抜粋***
――「刻み屋ニック」.終
「憶えていてくれて光栄に思うよ、アベル」
にやにやと笑みを絶やさず、ニック――いや、カインはお辞儀の格好をした。
「どうした。驚いて声も出ないか」
「……理解不能ってやつだ。カイン、君は、異端視された私と違い、学界でもエリート中のエリートだったはず。その君が魔玉の力を……?」
「『君』とは、優しい呼び方をしてくれるね、アベル。まあ、旧知の仲だから、それは俺も同じだが」
嘲る表情のカイン。
「簡単さ。あの日、君は人造生命を現実の物とした。それがこのフランクだったとは、失念していたが……。ともかく、あれで俺の世界観は変わった。おまえが羨ましくなったのだよ。でもねえ、あのとき、君の研究を後ろから追っかけても、追いつけそうになかったからな。そこで俺は君の前から姿を消し、手っ取り早い方法を選ぶことにした。魔玉がポイントなのは分かっていた。魔玉さえ手に入れれば、どうにかできると考えたね。そして……手に入れた」
「どこでだ? あれは易々と入手できる物じゃない。私だって手にしたことは、フランクに使った一つきりだ」
心から不思議そうなアベル。だが、その疑問は解消されなかった。
「教えると思うか? それは甘過ぎるぞ。これから俺がなそうとしていることを知っていないのだから、無理ないかもしれんが」
「これから……?」
「ふふん。俺自身がどうして魔玉の者となったか、知りたくないかね? これも簡単でねえ。アベル、君は死体の寄せ集めに魔玉を用い、フランクを造った」
「その言い方はよせ!」
アベルはフランクの方を向いた。
無言で奥歯を噛みしめるフランク。
カインは鼻で笑うと、一向にかまわぬ態度で続けた。
「君を超えるにはどうすればいいか。あるいは、君よりも手早く人造人間並みの優れたモノを生み出すには、どうすればいいか。答は一つ、生きているものに魔玉を埋め込むのさ」
「動物実験さえ行わず、いきなり……自分で……実験したのか……」
恐怖を感じ、震え始めたアベル。コナン警部の方は、会話の全部は理解できないので、それが幸いしていた。
「俺は人間を捨てた。見るがいい!」
胸の辺りの衣服を切り裂くカイン。さらけ出されたのは……心臓に密着して脈動する魔玉だった。
「埋め込んで何年も経つのに、まだ肉体の方が慣れぬらしい。傷口が塞がってくれんのだ。これも魔玉の持つ力故なのかね、アベル『先生』!」
もはや何も言えぬアベル。
コナン警部が代わりに口を開いた。
「あちらのことは分からねえからな、俺は。死ぬかもしれんから、今の内に聞いておこう。おまえ、どうして十一人、いや今夜の犠牲者も含めて十二人も殺した? その訳の分からん力を試すためじゃないだろうな!」
「刑事君。君は実に人間らしい考え方をする。好きじゃないが、微笑ましいよ。さて、理由ねえ。力を試す意味もあったが、現在は違う。不良な奴ら、欠陥連中を取り除いてやってるのさ」
「どういうことだ?」
「人間にとって為にならん輩を葬った。それだけだ。こうすることで、優れた遺伝子を持つ者だけが次世代に残る。それによりより優れた人間が生まれるという手順さ」
「ば、馬鹿げている……」
正気を取り戻したアベルのつぶやき。
「人間を捨てたおまえが、人間の心配をするとは、お笑い種だ」
「分かってないね、アベル。私は君臨者となる。全ての人間をひれ伏させる、いわゆる神にね。君臨者と人間の関係は、人間と家畜との関係に置き換えられる。家畜は優秀なほど手がかからないというものじゃないかね」
「……本気らしいな」
「そうだとも」
「フランク、もうかまわん。我々はどうなってもいい。こいつを叩きのめせ!」
アベルの叫びに、フランクは戸惑った。
「おっと、フランク。少なくとも今の時点で、君と闘うつもりはない。魔玉の者同士の闘いが、どういうことになるのか把握してからやってやろう。それともどうだい? 君も仲間にならないか。同じ魔玉の」
「黙れ! おまえとは違う」
「ふふん。人間から魔玉の者になったら、その能力の素晴らしさに、つい人間を見下してしまうのかねえ。その点、フランク君は死体の寄せ集めだから、自分の持つ力の素晴らしさが分からんのだろう。かわいそうに」
「貴様!」
怒りに我を忘れたとき、フランクの身体は勝手に動いていた。それがもし、これまでのフランクの最速の動きであったのなら、フランク自身が迎撃されるか、少なくともアベルとコナンの両名は死んでいただろう。
しかし、そのときのフランクの動きは、これまでになかったものとなっていた。カインの予想をはるかに上回るスピードで接近したフランクは、渾身の力を込めて右拳を放った。
「うおっ?」
そんなカインの声。
委細かまわず、打ち抜くフランク。先ほどよりは手応えあり。
フランクが我に返ったとき、カインは再度、吹き飛ばされていた。
「早い、早すぎる!」
だが、カインのダメージは、彼をしに至らしめるにはまだ足りなかったらしい。カインはややよろめきながらも、すぐに立ち上がった。
「これは真剣に対策を考えねばならん。出直すとしよう。それにしてもアベル。おまえはとんでもないのを造ったな。研究者として仲間にほしいぐらいだ」
「冗談は好きじゃない」
突き放すように吐き捨て、アベルはフランクへ目をやった。
「あいつを追うんだ、フランク! 今なら勝てるかもしれん」
「了解!」
フランクは短く応じ、カインめがけて突っ込む。
「逃げ切れんぞ、カイン!」
「逃げてるように見えるか?」
自信満々のカインの声。フランクは危険を感じた。
「もしや、フランク。私が全ての能力を披露したと思っていないだろうねえ! 奥の手というのがあるものだよ」
「……はったりだ! そんな奥の手があれば、さっき、俺を殺していたはずだ」
「仕方のないフランク君。では、突っ込んできたまえ。料理してあげるよ」
逃げていたカインの足が止まった。その満ちあふれる自信、いや、それだけでなく、圧迫感を覚えさせる強大な気に、フランクは相手の言葉がはったりでないと感じた。
フランクが速度を落とした刹那、カインの方で変化が起こった。
「奴の爪が!」
カインの爪が輝き、片手の五つがその指から離れる。それらは意志を持った新たな生物のように、五つの方向から変則的な動きをしながらフランクに襲いかかった。
「よけられるかね!」
カインの挑むような声。
が、それどころでないフランクは、必死に身体の移動を試みる。
それでも、爪は自動的に目標を探知するらしく、執拗に追ってきた。
そして……。
「うっ!」
「大丈夫か、フランク?」
目覚めると、あまり寝心地のよくないベッドの上にいた。
「ここは……病院?」
「心配するな。私の知り合いの病院だからな。それにベッドを借りているだけだから、おまえの身体のことはばれやしない」
「そうか」
安心すると、痛みを感じてきた。
「つつ……。傷、どうなっているんです?」
「三つだ。一つは右足に刺さり、一つは左腕、もう一つは背中。どれも相当に深い」
「かわせたのは二つだけだったか……。回復具合もよくない」
「そのようだね。相手が魔玉を用いていると、勝手が違うらしい」
「コナン警部は?」
「無事だ。彼は精神的にも強いらしい。あの夜のいきさつの魔玉等の部分はお首にも出さず、事件の報告をしたそうだ」
アベルが笑うのを見て、フランクもようやく笑みがこぼせた。
「まだ……終わっていないんですね」
「酷なようだが、始まったばかりと言うべきじゃないか」
アベルの回答に、フランクはため息をついてみせた。
「どうだろう。やっていけるかな」
「やっていけるとは思う。が、フランク、君への負担が大きくなってしまうだろう。私も魔玉について研究を重ね、何とか対策を見つけるつもりだ」
「頼りにしますよ」
「お互い様だ」
フランクとアベルは手を取り合った。
この日、新しいフランクが誕生したと言えよう。
<【刻み屋ニックはどこへ?】
国中を騒がせた殺人鬼・刻み屋ニックの最後の凶行がなされて、すでに一ヶ月。これほど間隔が開くことは、ニックにとって異例である。いったい、ニックにどんな変化が起こったのだろう?
……(中略)……
未確認情報ながら、十二人目の犠牲者が出た当日、その現場で刻み屋ニックと警察関係者が乱闘となり、その際にニックは逃走するも重傷を負ったという。このときの傷が元で、ニックは死亡したのではないかという説も出る始末。
しかし皆さん、安心めされるな。刻み屋ニックは我々の油断を待っているだけかもしれない。いつ、ニックが復活してもおかしくないのだ。ニックが逮捕、あるいはその死が確認されるまで、夜の一人歩きは決してなさらぬよう忠告しておこう>
***三流新聞某紙の記事より抜粋***
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