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金欠ギルドの資金稼ぎ
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ここはベリダバ山の南方、サンタレアの東方に位置する雪国、ミガレユノ。
春夏秋冬の季節問わずマナが宿る雪が降り続き山に近づくにつれて気温が低くなってゆく国だ。
主な名産品は雪解け水、極寒の水中に適応した氷王鮭、雪の中で長期間熟成させた雪野菜が有名どころだろうか。
もちろんギルド紹介場の支部があるのでここで依頼など受けたりすることも可能。
観光名所もあるので魔獣討伐や収穫の簡単な手伝いなど意外と依頼には欠かさない。
「皆様、落ち着いて、冷静にお聞きください」
この地に訪れたとあるギルドの長を務めている少年が借りた宿の一室にてギルドメンバーに告げる。
「このままのペースで行けばお金がワンチャン底着きます」
資金難、だと。
「そんなことだろうと思ったわ」
「凛斗くんお金の管理杜撰そうだもんねー」
副団長とギルドメンバーの1人は分かりきっていたと言わんばかり。
現在合計所持金は67万エル+団員のポケットマネー。
手持ちのマナストーンや魔獣の素材等を売り払えばある程度は潤うがそのあたりはアヅラタンまで取っておきたい理由がある。
ナフィコでは結局アテラ以外は合同市場での消費がほぼなかったが宿代やダリオルと増えてきた人間たちの食費が割と多い。
念には念と言った形だがなんとか所持金に余裕を持たせておきたい。
「多分これからもっと金が必要になる可能性はある。だから今日から来週までこのミガレユノで依頼をこなしまくって金を稼ごう。みんなの力を貸してくれ」
団員全員に向けて頭を下げる。
金銭管理とその計画もまともに出来ないギルドマスターで申し訳ない。
「おい。そう簡単に下の俺達に頭さげんな」
やれやれ、仕方がないな。
そう思ったのはバルを除く全員。
「え?」
「お前は俺達の頭なんだ。だったらその命令に従うのは当然だろ。納得できねえ命令だったらちゃんと逆らってやるから安心して構えてろ。先に行く」
そう言い残すとバルは宿から出ていった。
「あいつ…なんか貫禄あるわね。あんたよりギルドマスター向いてるんじゃない?」
「スノウが切腹なんてさせるからじゃないの?」
「私のせいだっての!?」
「まーまー。落ち着こーよお二人とも」
アヤネはスノウとリントを宥めると今度はシフラが発言。
「あたしも手伝う。いろいろお世話になったし」
「そりゃありがたいけど…人に会わなくていいの?」
「…その人の魔力を感じないの。多分、まだ来てないんだと思う」
少し悲しそうな顔で言った。
「そっか。じゃあまずは冒険者登録だな。バルについてくか」
昇る太陽一行移動中…
紹介場に入るとシンヘルキやナフィコには劣るものの冒険者が武装の確認、依頼の受注、訓練場での鍛錬、食事などを行なっており活気はかなりある。
「なんかいい依頼あった?」
掲示板の前で依頼表を見定めていたバルの肩を叩く。
「ざっと見た感じだがこの辺りか」
一つずつ指を指したので都度確認する。
1つ目は氷王鮭漁の手伝い。
受注条件の制限は特に無く難易度が低い分、報酬はしょっぱい。
2つ目は牧場付近の雪落とし鳥の群れの駆逐。
受注条件の制限はEランク以上かつ空中に滞在する標的への攻撃手段を持つ者で報酬はまあまあ。
3つ目はベリダバ山の麓に最近縄張りを作ってしまった一つ目巨人の討伐。
受注条件の制限は複数人のチームで挑むこと。
そして報酬はかなり魅力的。
「一つ目巨人はどのくらいつええ?」
「ランクはB、でかい図体と個体によっちゃあ丸太でぶん殴ってくる。それに初回依頼が2ヶ月前で未だ果たされてないって事はかなり面倒な予感がするな」
「俺とお前の2人でやれるか?」
リントの質問にバルは愚問だなと言わんばかりに笑う。
「余裕だ」
その答えにリントもニヤリと口角を上げた。
「おっけ~」
そうと決まればその依頼を受注するべく依頼表を千切って受付へと持って行く。
「っとその前に」
ギルドマスターとしてメンバーにこれからの各々のやるべき事を命じる。
「スノウと綾音は雪落とし鳥の依頼を受けてくれ。2人なら魔法とかクナイ投げたり対抗手段あるし」
「わかったわ」
「へへ!りょーかい!」
「アテラはシフラの冒険者登録に付き添って終わったら氷王鮭の依頼だ」
「しょーがねえ。任せとけ」
「ありがとう。よろしく」
「アレタは俺とバルについてきて。脅威度的には俺たちが一番やばいから念の為、後ろで待機してほしい」
「そうだね。ちょっと薬だけ用意してくるよ」
それぞれに指示は行き渡ったのでここからは別れて行動をする。
まずは一つ目巨人を手短に倒して次の依頼を受けて手っ取り早く金を稼ごう。
「安全第一で行こう!もし何か想定外のことが起こったらすぐに逃げること!それじゃあ全員無事で!」
ギルドマスターであるリントは全員に行動指針を示してバルとアレタを率いて依頼を受注して目的の場所へと向かった。
春夏秋冬の季節問わずマナが宿る雪が降り続き山に近づくにつれて気温が低くなってゆく国だ。
主な名産品は雪解け水、極寒の水中に適応した氷王鮭、雪の中で長期間熟成させた雪野菜が有名どころだろうか。
もちろんギルド紹介場の支部があるのでここで依頼など受けたりすることも可能。
観光名所もあるので魔獣討伐や収穫の簡単な手伝いなど意外と依頼には欠かさない。
「皆様、落ち着いて、冷静にお聞きください」
この地に訪れたとあるギルドの長を務めている少年が借りた宿の一室にてギルドメンバーに告げる。
「このままのペースで行けばお金がワンチャン底着きます」
資金難、だと。
「そんなことだろうと思ったわ」
「凛斗くんお金の管理杜撰そうだもんねー」
副団長とギルドメンバーの1人は分かりきっていたと言わんばかり。
現在合計所持金は67万エル+団員のポケットマネー。
手持ちのマナストーンや魔獣の素材等を売り払えばある程度は潤うがそのあたりはアヅラタンまで取っておきたい理由がある。
ナフィコでは結局アテラ以外は合同市場での消費がほぼなかったが宿代やダリオルと増えてきた人間たちの食費が割と多い。
念には念と言った形だがなんとか所持金に余裕を持たせておきたい。
「多分これからもっと金が必要になる可能性はある。だから今日から来週までこのミガレユノで依頼をこなしまくって金を稼ごう。みんなの力を貸してくれ」
団員全員に向けて頭を下げる。
金銭管理とその計画もまともに出来ないギルドマスターで申し訳ない。
「おい。そう簡単に下の俺達に頭さげんな」
やれやれ、仕方がないな。
そう思ったのはバルを除く全員。
「え?」
「お前は俺達の頭なんだ。だったらその命令に従うのは当然だろ。納得できねえ命令だったらちゃんと逆らってやるから安心して構えてろ。先に行く」
そう言い残すとバルは宿から出ていった。
「あいつ…なんか貫禄あるわね。あんたよりギルドマスター向いてるんじゃない?」
「スノウが切腹なんてさせるからじゃないの?」
「私のせいだっての!?」
「まーまー。落ち着こーよお二人とも」
アヤネはスノウとリントを宥めると今度はシフラが発言。
「あたしも手伝う。いろいろお世話になったし」
「そりゃありがたいけど…人に会わなくていいの?」
「…その人の魔力を感じないの。多分、まだ来てないんだと思う」
少し悲しそうな顔で言った。
「そっか。じゃあまずは冒険者登録だな。バルについてくか」
昇る太陽一行移動中…
紹介場に入るとシンヘルキやナフィコには劣るものの冒険者が武装の確認、依頼の受注、訓練場での鍛錬、食事などを行なっており活気はかなりある。
「なんかいい依頼あった?」
掲示板の前で依頼表を見定めていたバルの肩を叩く。
「ざっと見た感じだがこの辺りか」
一つずつ指を指したので都度確認する。
1つ目は氷王鮭漁の手伝い。
受注条件の制限は特に無く難易度が低い分、報酬はしょっぱい。
2つ目は牧場付近の雪落とし鳥の群れの駆逐。
受注条件の制限はEランク以上かつ空中に滞在する標的への攻撃手段を持つ者で報酬はまあまあ。
3つ目はベリダバ山の麓に最近縄張りを作ってしまった一つ目巨人の討伐。
受注条件の制限は複数人のチームで挑むこと。
そして報酬はかなり魅力的。
「一つ目巨人はどのくらいつええ?」
「ランクはB、でかい図体と個体によっちゃあ丸太でぶん殴ってくる。それに初回依頼が2ヶ月前で未だ果たされてないって事はかなり面倒な予感がするな」
「俺とお前の2人でやれるか?」
リントの質問にバルは愚問だなと言わんばかりに笑う。
「余裕だ」
その答えにリントもニヤリと口角を上げた。
「おっけ~」
そうと決まればその依頼を受注するべく依頼表を千切って受付へと持って行く。
「っとその前に」
ギルドマスターとしてメンバーにこれからの各々のやるべき事を命じる。
「スノウと綾音は雪落とし鳥の依頼を受けてくれ。2人なら魔法とかクナイ投げたり対抗手段あるし」
「わかったわ」
「へへ!りょーかい!」
「アテラはシフラの冒険者登録に付き添って終わったら氷王鮭の依頼だ」
「しょーがねえ。任せとけ」
「ありがとう。よろしく」
「アレタは俺とバルについてきて。脅威度的には俺たちが一番やばいから念の為、後ろで待機してほしい」
「そうだね。ちょっと薬だけ用意してくるよ」
それぞれに指示は行き渡ったのでここからは別れて行動をする。
まずは一つ目巨人を手短に倒して次の依頼を受けて手っ取り早く金を稼ごう。
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