386 / 482
ぼっちー世界の声を集める!?
386日目:森の出口と轍(わだち)の音、立ち往生した行商人
しおりを挟む異世界に転移したらぼっちでした~観察者ぼっちーの日常~
386日目:森の出口と轍(わだち)の音、立ち往生した行商人
こんばんは、ぼっちーです。
昨日、動物たちとの追いかけっこを経て、ついに長かった森を抜け出しました!
目の前に現れたのは、踏み固められた土の道。
「街道」です!
荒野や森といった自然の中も良かったですが、人の手が加わった「道」を見ると、なんだかホッとしますね。
道の真ん中の立ち往生
街道に出てしばらく歩くと、前方に一台の荷馬車が止まっているのが見えました。
荷台には木箱がたくさん積まれていますが、馬車の車輪が道からはみ出し、大きな木の根に乗り上げて動けなくなっているようです。
「あー、困ったな……。これじゃ街まで着かないぞ……」
馬車の横で頭を抱えているのは、茶色い髪の若い男性でした。
久しぶりに見る、ぼく以外の「人」です!
ぼくは少し緊張しながらも、声をかけてみることにしました。
「あの、大丈夫ですか? 何か手伝いましょうか?」
聖獣、交渉に参加する
青年はぼくの姿に驚きましたが、すぐにパッと表情を明るくしました。
「おお! 旅の方ですか! 助かった、少し手を貸してもらえませんか?」
彼の名前はトビさん。隣町へ香辛料や布を運ぶ行商人だそうです。
ぼくたちが後ろから馬車を押し、トビさんが馬を引くことになりました。
「よいしょ、よいしょ……!」
ぼくが力を込めて馬車を押していると、モフが馬車の荷台に飛び乗りました。
「ぼっちー、がんばれー! 『守護者の掟・第二十条』、『困っている人には、恩を売っておくべし(後でおやつになるから)!』」
……モフ、君は重りを増やしているだけじゃないかな?
でも、モフが荷台の上で「右だ! 左だ!」と指示(?)を出してくれたおかげか、トビさんと息を合わせることができました。
脱出、そして報酬の味
「せーの、ふんっ!」
ぼくとトビさん、そして馬のロバート君(と、上で跳ねるモフ)が力を合わせた瞬間、ガタンッ!と大きな音を立てて、車輪が木の根を乗り越えました。
「やったー! 動いたぞ!」
トビさんは汗を拭いながら、満面の笑みでぼくの手を握ってくれました。
人の手の温かさと、言葉が通じる喜び。自然の「声」も素敵ですが、やっぱり人間の「声」には特別な安心感があります。
「ありがとう! これ、お礼と言ってはなんだけど」
トビさんは荷台の木箱を開け、中から小瓶を取り出しました。
中に入っていたのは、キラキラと輝く「琥珀糖(こはくとう)」によく似たお菓子でした。
街の噂と、次の目的地
「わあ! 『食べられる宝石』だ!」
モフは当然のように一番乗りで受け取り、シャリシャリといい音を立てて頬張りました。
「ん~! 外はカリカリ、中はモチモチ! これは『文明の味』がするよ!」
トビさんは、モフが喋ったことに目を丸くして驚いていましたが、「世界は広いなぁ」と豪快に笑って受け入れてくれました(商人の適応能力はすごいです)。
「この街道をまっすぐ行けば、『石壁の街・ガルド』に着くよ。そこなら、もっと美味しいものがたくさんあるはずさ」
石壁の街!
久しぶりの大きな街の予感に、ぼくもモフも胸が高鳴ります。
今日のまとめ
* 森を抜けて街道に出たところで、立ち往生している行商人のトビさんと出会った
* 久しぶりの「人」との会話と協力作業に、心が温まった
* 馬車の脱出に成功し、お礼に「琥珀糖みたいなお菓子」をもらった
* 次の目的地が「石壁の街・ガルド」に決まった
自然の中のサバイバルも楽しかったですが、次は人の活気に満ちた「街の声」を聞くことができそうです。
ぼっちー今日のひとこと
「久しぶりに人と話して、少し噛んでしまいましたが、トビさんは優しく笑ってくれました」
プロフィール
* 名前:ぼっちー(人助けをして、久しぶりの会話と文明的なお菓子を楽しんだ観察者)
* 相棒:モフ(荷台の上で監督役を務め、しっかりと報酬の「食べられる宝石」をゲットした小さな相棒)
* 今日の記録:街道との再会/行商人トビ/馬車の救出/石壁の街の情報
1
あなたにおすすめの小説
優の異世界ごはん日記
風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。
ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。
未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。
彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。
モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
異世界に降り立った刀匠の孫─真打─
リゥル
ファンタジー
異世界に降り立った刀匠の孫─影打─が読みやすく修正され戻ってきました。ストーリーの続きも連載されます、是非お楽しみに!
主人公、帯刀奏。彼は刀鍛冶の人間国宝である、帯刀響の孫である。
亡くなった祖父の刀を握り泣いていると、突然異世界へと召喚されてしまう。
召喚されたものの、周囲の人々の期待とは裏腹に、彼の能力が期待していたものと違い、かけ離れて脆弱だったことを知る。
そして失敗と罵られ、彼の祖父が打った形見の刀まで侮辱された。
それに怒りを覚えたカナデは、形見の刀を抜刀。
過去に、勇者が使っていたと言われる聖剣に切りかかる。
――この物語は、冒険や物作り、によって成長していく少年たちを描く物語。
カナデは、人々と触れ合い、世界を知り、祖父を超える一振りを打つことが出来るのだろうか……。
貧乏育ちの私が転生したらお姫様になっていましたが、貧乏王国だったのでスローライフをしながらお金を稼ぐべく姫が自らキリキリ働きます!
Levi
ファンタジー
前世は日本で超絶貧乏家庭に育った美樹は、ひょんなことから異世界で覚醒。そして姫として生まれ変わっているのを知ったけど、その国は超絶貧乏王国。 美樹は貧乏生活でのノウハウで王国を救おうと心に決めた!
※エブリスタさん版をベースに、一部少し文字を足したり引いたり直したりしています
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
家ごと異世界ライフ
もちもちほっぺ
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
