異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜

キノア9g

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ぼっちー世界の声を集める!?

392日目:石壁との別れ、門番の無骨な餞別

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異世界に転移したらぼっちでした~観察者ぼっちーの日常~

392日目:石壁との別れ、門番の無骨な餞別


こんばんは、ぼっちーです。

数日間滞在した「石壁の街・ガルド」を離れる日が来ました。
活気ある市場、熱い職人たちの工房、そして美味しいミートパイ。
たくさんの「人の声」に溢れたこの街はとても居心地が良かったですが、ぼくたちの旅の目的は、この世界のあらゆる「声」を集めること。
名残惜しいですが、再び広大な世界へと足を踏み出すことにしました。


門番との再会

荷物をまとめ、入ってきた時と同じ大きな石造りの門へと向かいます。
そこには、初日にぼくたちを検問した、あの強面の兵士さんが立っていました。

「……ん? もう発つのか、旅人」

兵士さんは鋭い目でぼくを見下ろしましたが、その表情は以前よりもずっと柔らかいものでした。
そして、ぼくの肩に乗っているモフを見て、フッと口元を緩めました。

「この毛玉も、相変わらず食い意地が張ってそうな顔をしてやがる」

「失礼な! 食い意地じゃなくて、探求心だよ!」


無骨な餞別(せんべつ)

兵士さんは「待ってろ」と言い、腰のポーチから何かを取り出して、ぼくに放り投げました。
慌てて受け取ると、それは掌に収まるほどの、平らな形をした「石の笛」でした。

「そいつはこの辺りの『響き石』で作った合図用の笛だ。軽く吹くだけで、遠くまで音が届く。旅先で仲間とはぐれた時や、助けを呼ぶ時に使いな」

さらに、もう一つ。布に包まれた小さな塊も渡されました。

「こっちは、そこの毛玉用だ。ガルド名物、兵士用の『堅焼きビスケット』さ。歯が折れねぇように気をつけて食えよ」

ぶっきらぼうな言い方でしたが、そこには旅の無事を祈る、確かな優しさが込められていました。
この街の「石壁」のように、堅くて、でも内側は温かい餞別です。


響き渡る「決意の音」

門をくぐり、街道に出てから、ぼくはもらった石の笛をそっと吹いてみました。

「ヒュォォォ……ッ!」

石笛からは、荒野を吹き抜ける風のような、鋭く澄んだ高い音が鳴り響きました。
それは、職人たちがハンマーを振るう音や、市場の喧騒、そして兵士さんの厳しさを含んだ、まさに「ガルドの街の声」そのものでした。

「すごい……。この笛があれば、いつでもこの街の空気を思い出せるね」

ぼくはこの音色を、大切にレコーダー(スマホ)に記録しました。


街道の味、旅の再開

一方、モフは兵士さんにもらった「堅焼きビスケット」と格闘中です。

「ガリッ……ゴリッ……。うぐぐ、硬い! これは『石畳の味』がするよ!」

モフは涙目になりながらも、時間をかけて少しずつ味わっています。
噛みしめるたびに、素朴な小麦の甘みが口の中に広がるようです。

「でも、噛んでると元気が出てくるよ。これが『守る人(兵士さん)』の味なんだね」

背後に聳える巨大な石壁が、少しずつ遠ざかっていきます。
ぼくたちは、笛の音とビスケットの味を道連れに、まだ見ぬ「声」を探して、街道の先へと歩き出しました。


今日のまとめ

 * 「石壁の街・ガルド」を出発し、旅を再開した
 * 門番の兵士さんから、餞別として「石の笛」と「堅焼きビスケット」をもらった
 * 石笛の音色は、街の空気を含んだ鋭く澄んだものだった
 * モフは硬いビスケットに苦戦しながらも、兵士の優しさを噛み締めた

人の温かさに触れた後は、旅の孤独さえも少し愛おしく感じられます。
さあ、次はどんな風景がぼくたちを待っているのでしょうか。


ぼっちー今日のひとこと

「石笛の音がかなり大きいので、モフの『おやつコール』に使われないように隠しておかないと……」


プロフィール

 * 名前:ぼっちー(街の思い出と新しい「声(笛の音)」を懐に、旅路へ戻った観察者)
 * 相棒:モフ(兵士のくれた「石畳の味」をかじりながら、次のご馳走に思いを馳せる小さな相棒)
 * 今日の記録:門番との別れ/石の笛(響き石)/堅焼きビスケット/旅立ちの空

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