異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜

キノア9g

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ぼっちー世界の声を集める!?

397日目:沈黙の中心、語らない巨木

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異世界に転移したらぼっちでした~探検者ぼっちーの日常~

397日目:沈黙の中心、語らない巨木


こんばんは、ぼっちーです。

世界中の落とし物が吹き溜まる「風の止む場所」。
昨日は、地面に種を植えようとして拒絶されてしまいました。
ここはただ静かなだけじゃなく、何かが決定的に「終わって」しまっている場所のようです。

今日は、この盆地の中心に何があるのか、そしてどうすればこの大地に種を受け入れてもらえるのか、調査を進めることにしました。


白い骨のような木

盆地の中心に向かって歩いていくと、灰色の堆積物の中に、ひときわ大きくそびえ立つ影が見えてきました。
近づいてみると、それは巨大な「枯れ木」でした。

でも、ただの枯れ木ではありません。
幹は真っ白に乾燥しきっていて、まるで巨大な恐竜の骨のようです。
葉は一枚もなく、枝は空に向かって助けを求める手のように伸びたまま、凍りついたように静止しています。

「……ぼっちー。この木、何も言ってくれないよ」

モフが木の根元に触れて、悲しそうに言いました。
今までどんな岩やコケからも「声(または食欲)」を聞き取ってきたモフが、この木からは何も感じ取れないと言うのです。
「沈黙」というよりは、「虚無」。
ここは、世界の「声」が最後に辿り着き、そして消えていく場所なのかもしれません。


拒絶の理由

「でも、ぼくは諦めないよ! ここが世界の中心なら、ここからもう一度始めるんだ!」

モフは、ポケットから昨日植えられなかった「旅する種」を取り出しました。
そして、白い巨木の根元を、小さな前足で必死に掘り返そうとします。

「えいっ! えいっ! ふかふかのベッドを作るんだ!」

しかし、どれだけ掘っても、サラサラとした灰色の砂が穴を埋めてしまい、種を抱きとめてくれません。
物理的に硬いわけではないのに、まるで大地そのものが「もう眠らせてくれ」と、新しい命を拒んでいるようです。

「ハァ、ハァ……。だめだ、ぼっちー。ぼくの力(物理)じゃ、この土は耕せないよ」

モフは砂だらけの手を見て、がっくりと肩を落としました。


必要な「栄養」

ぼくはその様子を観察していて、ふと気づきました。
この場所に足りないのは、水や太陽、そして物理的な「耕す力」ではないんじゃないか。

ここは「風の止む場所」。世界中の「物」は集まるけれど、そこに込められた「想い」や「物語」が風化して消えてしまった場所です。
だから、大地は心を閉ざしてしまっている。

「モフ、必要なのは『スコップ』じゃないかもしれない」

ぼくは、自分のポケットに入っているスマホ(冒険の記録)と、モフの心の中にあるたくさんの「味の記憶」を見つめました。

「この大地が忘れてしまった『生きる喜び』や『賑やかな声』を、もう一度思い出させてあげるんだ。それが、最高の『肥料』になるはずだよ」


最後の準備

モフが顔を上げました。

「そっか! ぼくたちが食べて、笑って、集めてきた『あの記憶』をあげるんだね!」

枯れ木は相変わらず無言です。
でも、ぼくたちの言葉が響いたのか、足元の灰色の砂が、ほんのわずかに温かくなったような気がしました。

明日は、ぼくたちの旅の集大成。
この沈黙の大地に、ありったけの「声」を届けてみようと思います。


今日のまとめ

 * 盆地の中心で、真っ白に乾燥した巨大な「枯れ木」を発見した
 * モフが根元を掘ろうとしたが、大地は砂のように崩れ、種を受け入れなかった
 * この場所には、物理的な力ではなく、心の栄養が必要だと気づいた
 * ぼくたちの「冒険の記録」と「記憶」を、大地への肥料にすることに決めた

「食べる」ことで世界と繋がってきたモフと、「記録する」ことで世界を見てきたぼく。
二人の力が試される時が来ました。


ぼっちー今日のひとこと

「何も語らない巨木の前で、これまでの旅を振り返ると、なんだか長編映画のクライマックスみたいな気分です」


プロフィール

 * 名前: ぼっちー(物理的な解決策ではなく、観察者としての「記録」の力を使うと決めた探検者)
 * 相棒: モフ(穴掘りを諦め、自分の中に溜め込んだ「美味しい記憶」を放出する準備を始めた聖獣)
 * 出会ったもの: 白い枯れ木、虚無の沈黙、大地の拒絶

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