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ぼっちー冒険記作家になる!?
251日目:漁師たちの語る“深海の目”
しおりを挟む異世界に転移したらぼっちでした~探検者ぼっちーの日常~
251日目:漁師たちの語る“深海の目”
こんばんは、ぼっちーです。
“第四の島”が姿を見せはじめた昨日。
ぼくとモフは、風の航路を越えて、“影の島”の近海へとたどり着きました。
でも、まだ上陸はしていません。
なぜなら、島の手前――薄霧のかかる海域に、ぽつんと停泊していた漁船たちがいたんです。
異国の言葉、独特の帆。
そして、目を引いたのは、どの船のマストにも吊るされていた“丸い銀の護符”。
「……なんだろ、あれ」
「もふぅ(訳:あれ、目玉っぽくない?)」
そう。まさに“目”の形をしていました。
でも、ただの装飾じゃなかったんです。
異国の船団と、黒い伝承
船乗りさんが呼びかけてくれたことで、ぼくたちは異国の漁師たちの船へと移動。
出迎えてくれたのは、首に貝殻の飾りをつけた、小柄で褐色の肌の漁師長さん。
どうやら「カラ・ニェイの民」という、南方諸島の漂海民族らしく、
この海域には“季節ごとに魚群を追って来る”のが伝統なんだとか。
でも、今年は“風が違う”らしいんです。
「目覚めちまったんだよ、深海の目がな」
「……“深海の目”?」
漁師長さんは、黒く燻された木箱から、丸い石の地図を取り出しました。
その中央、ぼくたちが向かっていた“影の島”が――空白になっている。
「このあたり、昔は“潮盲帯(ちょうもうたい)”って呼ばれてた。
魚群が一気に沈んで、音も届かなくなる場所があるんだ。そいつが動くと……“目”が開く」
モフがぼくの背中にしがみついて、ふるふる震えはじめました。
「もふっ……(訳:それ、すごくコワイ)」
「たとえば?」
「たとえば、海が急に静かになって、波が引く。
それから“黒い渦”が、魚も、船も、風さえも呑み込んでいく。……記録にも残せなかった、ってやつさ」
「……そんなことが、ほんとに?」
「戻ってきたのは、片方の櫂と、銀の護符だけだったって話もある」
ぼくはごくりと唾をのんだ。
そして思わずポケットの中の“風の記録笛”に触れた。
まだ温かい。
でも、震えているような、そんな感覚。
それだけじゃない。海の底から、視線のような重みが――
「……もふ(訳:ぼっちー、あれ)」
モフが前足で、海を指した。
そこには――真っ黒な“なにか”が、ぼくたちを見上げていたのです。
深海に、目がある
最初は、水面に映る雲の影かと思いました。
でも違いました。
それは、はっきりと“瞳孔”の形をしていて、波で揺れても形が崩れない。
まるで、深海の底から誰かがこちらをのぞき込んでいるような……そんな“視線”。
「見られてる……!?」
「もふぅぅ!?(訳:な、なにあれ!! やばくない!?)」
モフがしっぽをぴんと立てて、ぼくの頭にしがみついてくる。
漁師長さんが、銀の護符を海に向かって掲げ、短く何かを唱えました。
その瞬間、“目”がふっと揺らいで、海に溶けるように消えていったんです。
「今のが……深海の目?」
「本物かどうかは知らねぇ。でも、“現れる時期”と“潮の震え”が揃った。
たぶん、お前らが来たからなんだろうな」
「ぼくたちが……?」
漁師たちの間に、沈黙が流れました。
そして、漁師長さんが静かに言いました。
「記録されなかった島は、“ただ危険だったから”じゃない。
そこに、“忘れたい何か”があったからだ」
モフがそっと、ぼくの手をなめました。
「もふ……(訳:行く? それでも)」
ぼくはうなずきました。
「……行こう。“見る”って、きっと、それだけで意味があるから」
ぼっちー今日のひとこと
「怖いものって、ただ“見えない”んじゃなくて、“見ちゃいけない”って思われてるんだ。でも――見に行くよ、ぼくは」
プロフィール
・名前:ぼっちー(記録にない海域へ進む探検者)
・相棒:モフ(しっぽは震えてるけど、目はまっすぐ)
・今日の記録:漁師たちとの遭遇/“深海の目”/記録にない伝承
次回は
深海の目――その正体を追って、ぼくとモフは潜水装備を借り、海中取材へ。
初めての水中取材にドキドキしつつ、海の底でぼくたちが見たものは、
記録では伝えきれない、“動く記憶”だった……。
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