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ぼっちー冒険記作家になる!?
252日目:潜水取材、はじめての体験
しおりを挟む異世界に転移したらぼっちでした~探検者ぼっちーの日常~
252日目:潜水取材、はじめての体験
こんばんは、ぼっちーです。
昨日、“深海の目”に見られたぼくとモフ。
あの視線の記憶は、いまだに体の奥でぞわっと波打ってます。
でも――逃げないって決めました。
見に行くんです。ちゃんと、この目で、記録して。
というわけで今日は、人生初の「潜水取材」へ挑戦しました!
しかも異世界式! 空気タンク? そんなものありません!
潜水装備と、呪紋の呼吸器
異国の船団「カラ・ニェイの民」の長老さんが、儀式めいた準備をしてくれました。
「これは“息の石”と呼ばれる貝の欠片。口にくわえれば、短時間だけ海の中でも呼吸ができる」
「……本当ですか!?」
「本当だ」
手渡されたのは、小さな巻き貝のようなもの。
うっすら青白く光っていて、呼吸すると確かに“スーッ”と空気が入ってくる。しかも、海の香りが混じってて、ちょっと心地いい。
「もふぅ……(訳:ちょっと不安だけど……やるしかないね)」
モフにも小型の貝が渡されました。ちょこんと口にくわえて……なんかちょっとカワイイ。
船の縁まで出ると、下は澄んだ青――けど、途中から深い藍色に変わっていて、その先が見えません。
でも行くしかない。
「いざ、取材開始!」
ぼくとモフは、海の中へと飛び込みました。
海中、未知なる静寂
ドボンと飛び込んだ瞬間、世界が反転しました。
音が、消える。
光が、波のゆらぎに飲まれる。
時間の感覚すら、波の鼓動に吸い込まれていく感じ。
「もふっ!(訳:わ、わ、すごい静か!)」
モフの声も、空気の泡越しにぼやけて聞こえました。
それでもしっかり隣にいてくれるのが、すごく安心する。
下へ、下へ。ゆっくりと潜っていくと――
そこに、ありました。
海底にぽっかりと開いた、黒い“くぼみ”。
まるで海が、何かを隠すために“まぶた”を閉じたような形。
そして、その縁に沿うように――“記録の石碑”らしきものが、半ば砂に埋もれていたんです!
石碑と、動く記憶
「これ……音の碑文……?」
ぼくが石碑に触れた瞬間、碑の表面がゆっくりと脈打ち、光の文字が浮かびました。
《記録せよ、封じしものの名を……》
光と一緒に、“記憶”が流れ込んできました。
かつてこの海には、音を喰らう“影”がいた。
それは風の旋律をねじ曲げ、航路を飲み込み、そして――人々の記憶すら“深海へ沈めた”。
それが、「深海の目」。
ぼくたちが昨日見た“視線”は、その一部だった。
残響――過去の“封じられた記憶”の、名残りなんです。
「もふ……(訳:じゃあ……あれ、まだ眠ってる?)」
ぼくはこくりとうなずきました。
そのとき、モフが尾でぼくの肩をぴしゃりと叩きました。
「もふっ!(訳:あそこ、なにかいる!)」
くぼみの奥――藍より深い闇の中から、“なにか”がゆらっと動きました。
丸くて、大きくて、ぬるりとした感触が伝わってくるような……
でもそれ以上は、わからなかった。怖くて、見ていられなかった。
限界と、決意
「そろそろ浮上だ!」
漁師さんの合図で、ぼくたちは海面へ。
でも、モフはしばらく“目”を見つめていました。
怖がりなのに、あの子は意外と芯が強いんです。
船に引き上げられてから、息の石が淡く割れ、空気がぷしゅっと抜けていきました。
「ふぅ……初めての水中取材……すごかった……」
「もふぅぅ……(訳:つかれた……耳が変な感じ……)」
でも、確かに見た。記録も残した。
あのくぼみの底にある“動く記憶”を――いつか掘り出せる、その日まで。
ぼっちー今日のひとこと
「海の底には、ただの水じゃない。“忘れられた記憶”が、眠ってるんだ」
プロフィール
・名前:ぼっちー(潜水スキル Lv1 獲得?の探検者)
・相棒:モフ(耳がぺたんってなったけど、ちゃんと戻った)
・今日の記録:潜水取材/息の石/深海の記憶と動く目
次回は
取材を終え、もう一度だけ海底の記録を確かめようとしたぼく。
でも、モフと離れたその瞬間、海の中で迷ってしまった……!?
視界の先に現れたのは、過去の誰かの“幻”だった――
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