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1章 国王陛下ですよね?
暇ですか?
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入れられたトマトスープはジョンさんにキレ気味で飲ませると、チロを先生に預けて勉強会に向かうルル。でも何故かジョンさんも後ろから付いてくる。
「今日もジョンさんが先生なの?」
「そうだぞ!よろしくな!」
存在はウザいが、確かに教え方は上手いのだ。
「今日はあの豚の授業もあるよ!」
横にいたアンリが物凄く嫌な顔をする。
「豚?」
アンリの言葉にジョンさんが反応する。
「聞いてジョンさん!そいつね私達を馬鹿にするのよ!孤児で勉強できるのは国王陛下のお陰だとか、孤児は勉強なんて意味ないとか!」
「ほぅ」
話を聞いたジョンさんの目が一瞬怖く光った。あの目は何かやるなと思ったルルだが今回は止めない。
「特に優秀なルルは標的にされて嫌みばかり言ってくるの!」
「よし!やるか!(殺るか)」
(副音声が聞こえる!)
豚の話で盛り上がっていたら教室についた。授業の準備をするルルの隣にジョンさんが当たり前に立っていた。
「授業まで待機していてよ」
そんなジョンさんに呆れながらも追い出すルル。皆が準備をして待っていても先生が来ない。
それから暫くすると遅刻して入ってくる巨漢の男性。彼が入ってきて教室には汗の嫌な匂いが充満する。そして遅刻を謝りもせずいきなり黒板に書き始める豚。
「ピッグ先生」
「⋯なんだ」
「遅刻してきたら謝るのが普通じゃないですか?この前、遅刻した子を廊下に立たせましたよね?」
ルルはそんな巨漢に毅然と立ち向かうが、ピッグはルルを睨み付け舌打ちする。
「俺に廊下に立っていろというのか?孤児が生意気言うなよ!こっちはお前らに教えてやってんだ!」
そう言うとチョークをルルめがけて思いっきり投げつける。ルルは咄嗟に目を閉じたが一向に当たる気配がなく、何故か周りがざわついている。恐る恐る目を開けると目の前にジョンさんが立っていて、手には投げられたチョークを掴んでいたが直ぐに粉々になる。
「誰だお前!」
デブ…ピッグ先生がいきなり現れたジョンさんに怒鳴り付ける。
「あぁ?お前こそこんな事をして只で済むと思うなよ?」
「こんなガキ共の為に誰が悲しむ?親はいな⋯ブフォ!」
次の瞬間、デブ⋯ピッグ先生が吹っ飛んで壁にめり込んだ。子供達は驚くどころか羨望の眼差しでジョンさんを見ている。アンリは思いっきりガッツポーズしていた。
(いや、死んでないよね?)
そんな事があり、教室がぐちゃぐちゃになったので授業が出来ずに皆は庭で遊んでいる。そんな光景を見ていた私の隣にジョンさんがやって来て、真剣な顔つきで頭を下げ始めたのだ。
「ごめんな」
「⋯何が?」
「あんな豚が教師になっていたとは⋯くそ!」
「気にしてないけど⋯今度は豚じゃない人がいいな、臭いから」
「プッ⋯確かに酷い臭いだったな!」
ジョンさんはルルの頭を優しく撫でる。そして2人は立ち上がると皆の元に歩いて行った。
そのあとは、いつの間にかピッグ先生がいなくなっていて短時間で教室も綺麗になっていた。子供達はまたジョンさんを羨望の眼差しで見る。
(いやさすがにジョンさんは無理だろ!)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「これが王からの指示です」
ペンを忙しく動かしていた1人の男が手を止め、渡された紙を見る。
「また孤児院にいるのかって言いたいですが今回はいて正解でしたね」
「今は地下牢に閉じ込めてますが巨体で大変でしたよ」
「そのままにしておいて下さい。陛下が帰ったら自ら尋問するそうです」
「まぁ⋯終わったなあの豚」
紙を渡した男性はそれだけ言うと、一礼して出て行った。
それからピッグを見たものは誰もいない。
「今日もジョンさんが先生なの?」
「そうだぞ!よろしくな!」
存在はウザいが、確かに教え方は上手いのだ。
「今日はあの豚の授業もあるよ!」
横にいたアンリが物凄く嫌な顔をする。
「豚?」
アンリの言葉にジョンさんが反応する。
「聞いてジョンさん!そいつね私達を馬鹿にするのよ!孤児で勉強できるのは国王陛下のお陰だとか、孤児は勉強なんて意味ないとか!」
「ほぅ」
話を聞いたジョンさんの目が一瞬怖く光った。あの目は何かやるなと思ったルルだが今回は止めない。
「特に優秀なルルは標的にされて嫌みばかり言ってくるの!」
「よし!やるか!(殺るか)」
(副音声が聞こえる!)
豚の話で盛り上がっていたら教室についた。授業の準備をするルルの隣にジョンさんが当たり前に立っていた。
「授業まで待機していてよ」
そんなジョンさんに呆れながらも追い出すルル。皆が準備をして待っていても先生が来ない。
それから暫くすると遅刻して入ってくる巨漢の男性。彼が入ってきて教室には汗の嫌な匂いが充満する。そして遅刻を謝りもせずいきなり黒板に書き始める豚。
「ピッグ先生」
「⋯なんだ」
「遅刻してきたら謝るのが普通じゃないですか?この前、遅刻した子を廊下に立たせましたよね?」
ルルはそんな巨漢に毅然と立ち向かうが、ピッグはルルを睨み付け舌打ちする。
「俺に廊下に立っていろというのか?孤児が生意気言うなよ!こっちはお前らに教えてやってんだ!」
そう言うとチョークをルルめがけて思いっきり投げつける。ルルは咄嗟に目を閉じたが一向に当たる気配がなく、何故か周りがざわついている。恐る恐る目を開けると目の前にジョンさんが立っていて、手には投げられたチョークを掴んでいたが直ぐに粉々になる。
「誰だお前!」
デブ…ピッグ先生がいきなり現れたジョンさんに怒鳴り付ける。
「あぁ?お前こそこんな事をして只で済むと思うなよ?」
「こんなガキ共の為に誰が悲しむ?親はいな⋯ブフォ!」
次の瞬間、デブ⋯ピッグ先生が吹っ飛んで壁にめり込んだ。子供達は驚くどころか羨望の眼差しでジョンさんを見ている。アンリは思いっきりガッツポーズしていた。
(いや、死んでないよね?)
そんな事があり、教室がぐちゃぐちゃになったので授業が出来ずに皆は庭で遊んでいる。そんな光景を見ていた私の隣にジョンさんがやって来て、真剣な顔つきで頭を下げ始めたのだ。
「ごめんな」
「⋯何が?」
「あんな豚が教師になっていたとは⋯くそ!」
「気にしてないけど⋯今度は豚じゃない人がいいな、臭いから」
「プッ⋯確かに酷い臭いだったな!」
ジョンさんはルルの頭を優しく撫でる。そして2人は立ち上がると皆の元に歩いて行った。
そのあとは、いつの間にかピッグ先生がいなくなっていて短時間で教室も綺麗になっていた。子供達はまたジョンさんを羨望の眼差しで見る。
(いやさすがにジョンさんは無理だろ!)
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「これが王からの指示です」
ペンを忙しく動かしていた1人の男が手を止め、渡された紙を見る。
「また孤児院にいるのかって言いたいですが今回はいて正解でしたね」
「今は地下牢に閉じ込めてますが巨体で大変でしたよ」
「そのままにしておいて下さい。陛下が帰ったら自ら尋問するそうです」
「まぁ⋯終わったなあの豚」
紙を渡した男性はそれだけ言うと、一礼して出て行った。
それからピッグを見たものは誰もいない。
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