孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下

akechi

文字の大きさ
102 / 108
6章 それぞれの旅立ちとこれから

バーベキューを楽しもう!!

しおりを挟む
ウザイは無事にと言うか当たり前だが拘束された。
その光景を冷たい目で見届けたこの屋敷の主人でこの国の宰相であるランバートは、この冷たい雰囲気とは打って変わって大騒ぎの賑やかな庭に移動した。

「キャーー!!おにくがいっぱいでしゅよーー!!」

運ばれてきた沢山の肉に大興奮のヨシュア。

「おにゃかがすいたー!」

逆にお腹が空きすぎてヘロヘロのリク。

「ぜんぶたべましゅ!!」

「はいはい、今焼くから少し待ってて!」

涎を垂らしながらまだ焼いていない肉に近付いていく弟エドワードをアンリが苦笑いしながら止めていた。

ランバートや護衛兵士が必死になって止めたが、先王ヨルドと現王ジェラルドが率先して楽しそうに肉を焼き始めた。ルルがそんな楽しそうなジェラルドを見て呆れているとヨシュア達がやって来た。

「ねーね!ねーねもいっぱいたべてね!」

「もちろん!ヨシュアもリクもエドもたくさん食べなさいよ?ああ、お野菜も食べないと大きくなれないからね!」

「うん!ヨシュアはきょうたくさんたべて~あちたからじーじみたいににゃるの!!」

そんな会話を何気なく横で聞いていたアンリは、ヨシュアの発言に飲んでいた果実水を噴き出してしまった。

「ブッ!?⋯ヨシュア、あんた変な事言わないでよ!あんたが筋肉隆々でポージングしている姿を思い浮かべちゃったじゃない!!」

「ちょ⋯アンリちゃんやめてー!!私の可愛いヨシュアがあんな筋肉馬鹿になったら⋯ブッ⋯ちょっと面白いわね!!」

エチカも想像してしまい笑いが止まらない。

「むむ!!お主ら失礼じゃな!?ヨシュア~、じーじみたいになりたいのか!よし、たくさん食え!!」

そう言ってヨルドは皿一杯に肉をのせてヨシュアに渡した。ヨシュアは嬉しそうに受け取ると、もりもりと食べ始めた。それと同時にリクとエドワードにも皿一杯の肉が置かれた。

「にくでしゅ!うぅ⋯おいちいでしゅよ⋯ぼきゅはしあわちぇでしゅ」

食事を摂っていなかった人のようなリクの発言だが、少し前におやつを食べたばかりなのでルルはつい笑ってしまう。

「はいはい。まだまだあるみたいだから沢山食べな?」

そう言っていると、ルルの目の前に肉やら野菜やらが皿一杯にのってドンと置かれた。

「⋯ジョンさん、私はこんなに食べれないよ!」

「何言ってんだ!食べないと大きくなれないぞ!?こんなもんお前の歳くらいならペロリだろ?」

ジョンさんことジェラルドは更に肉をのせた皿をルルの前に置いた。

「ジョンさんと一緒にしないでよ!私は普通に食べるから残りはジョンさんが食べてよ?」

「うぅ⋯ルルが俺に肉を、お前は天使のような子だ!」

ルルに渡された肉を泣きながら食べているジェラルドに引き気味のエチカやアンリ。

「ジョンさんはルルが関わると馬鹿になるね!」

「アンリさん!?」

笑いながらジェラルドの背中をバシバシ叩くアンリに、ランバートや護衛兵士達が思わず注意する。

「ああ、こいつは昔からこんなだから気にするな。昔は怪獣ごっこだー!って言って棍棒を持って追いかけられたからな」

「棍⋯棍棒って⋯何で孤児院にそんな物騒な物があるんですか!?」

ランバートは棍棒と聞いて驚く。

「俺が防犯対策で持って行ったら流石に母上に怒られてな!怒られている間にこいつが盗んで行ったんだよ!」

「まだ幼い子が棍棒を持てたんですか?」

「持っていたから俺も驚いたんだ!こいつはかなりの怪力で⋯イテッ!」

「ちょっと!レディーに怪力って失礼ね!」

ジェラルドの脇を小突いたアンリを厳しい目で見る護衛兵士達だが、食べるのに夢中だったエドワードがいきなり立ち上がった。

「どこがレジーなんでしゅか!?」

そう思いっきり叫んだエドワードに驚く一同。

「あんた⋯レジーじゃなくてレディーね?」

アンリはそんな弟を椅子に座らせながら間違いを指摘した。

「アンリはガサツに見えますが、ちゃんとする時はちゃんとしますから大丈夫ですよ?」

「ガサツって!⋯まぁ否定はできないわ」

ルルとアンリはお互いに頷き合い笑っていた。


そしてヨシュアは食べ終わると、立ち上がりヨルドはの元へ駆けていく。

「じーじ!みてー!きんにくムキムキになったー?」

そう言って腕を曲げてポージングするヨシュアだが見ての通りプニプニのままだ。

「そうじゃな~、おお!ムキムキじゃ!!」

ヨルドはポージングしたままドヤ顔をするヨシュアを抱えた。

「じゃがまだまだじゃ!もっと食べて大きくなれば筋肉モリモリになるぞ!」

「え~!あちたにはきんにくモリモリになりたいでしゅ!!」

華麗にポージングをしながら歩くヨシュアを見て笑いが止まらないアンリとエチカ。

「ヨシュア、お野菜を食べて運動を毎日したら筋肉モリモリになるからそれまでは訓練よ!!」

「あい!」

ルルに訓練と言われて嬉しそうに敬礼するヨシュアであった。





しおりを挟む
感想 111

あなたにおすすめの小説

水魔法しか使えない私と婚約破棄するのなら、貴方が隠すよう命じていた前世の知識をこれから使います

黒木 楓
恋愛
 伯爵令嬢のリリカは、婚約者である侯爵令息ラルフに「水魔法しか使えないお前との婚約を破棄する」と言われてしまう。  異世界に転生したリリカは前世の知識があり、それにより普通とは違う水魔法が使える。  そのことは婚約前に話していたけど、ラルフは隠すよう命令していた。 「立場が下のお前が、俺よりも優秀であるわけがない。普通の水魔法だけ使っていろ」  そう言われ続けてきたけど、これから命令を聞く必要もない。 「婚約破棄するのなら、貴方が隠すよう命じていた力をこれから使います」  飲んだ人を強くしたり回復する聖水を作ることができるけど、命令により家族以外は誰も知らない。  これは前世の知識がある私だけが出せる特殊な水で、婚約破棄された後は何も気にせず使えそうだ。

姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚

mio
恋愛
ウェルカ・ティー・バーセリクは侯爵家の二女であるが、母亡き後に侯爵家に嫁いできた義母、転がり込んできた義妹に姉と共に邪魔者扱いされていた。 王家へと嫁ぐ姉について王都に移住したウェルカは侯爵家から離れて、実母の実家へと身を寄せることになった。姉が嫁ぐ中、学園に通いながらウェルカは自分の才能を伸ばしていく。 数年後、多少の問題を抱えつつ姉は懐妊。しかし、出産と同時にその命は尽きてしまう。そして残された息子をウェルカは姉に代わって育てる決意をした。そのためにはなんとしても王宮での地位を確立しなければ! 自分でも考えていたよりだいぶ話数が伸びてしまったため、こちらを姉が子を産むまでの前日譚として本編は別に作っていきたいと思います。申し訳ございません。

1人生活なので自由な生き方を謳歌する

さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。 出来損ないと家族から追い出された。 唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。 これからはひとりで生きていかなくては。 そんな少女も実は、、、 1人の方が気楽に出来るしラッキー これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

よかった、わたくしは貴女みたいに美人じゃなくて

碧井 汐桜香
ファンタジー
美しくないが優秀な第一王子妃に嫌味ばかり言う国王。 美しい王妃と王子たちが守るものの、国の最高権力者だから咎めることはできない。 第二王子が美しい妃を嫁に迎えると、国王は第二王子妃を娘のように甘やかし、第二王子妃は第一王子妃を蔑むのだった。

王家に生まれたエリーザはまだ幼い頃に城の前に捨てられた。が、その結果こうして幸せになれたのかもしれない。

四季
恋愛
王家に生まれたエリーザはまだ幼い頃に城の前に捨てられた。

【完結】アッシュフォード男爵夫人-愛されなかった令嬢は妹の代わりに辺境へ嫁ぐ-

七瀬菜々
恋愛
 ブランチェット伯爵家はずっと昔から、体の弱い末の娘ベアトリーチェを中心に回っている。   両親も使用人も、ベアトリーチェを何よりも優先する。そしてその次は跡取りの兄。中間子のアイシャは両親に気遣われることなく生きてきた。  もちろん、冷遇されていたわけではない。衣食住に困ることはなかったし、必要な教育も受けさせてもらえた。  ただずっと、両親の1番にはなれなかったというだけ。  ---愛されていないわけじゃない。  アイシャはずっと、自分にそう言い聞かせながら真面目に生きてきた。  しかし、その願いが届くことはなかった。  アイシャはある日突然、病弱なベアトリーチェの代わりに、『戦場の悪魔』の異名を持つ男爵の元へ嫁ぐことを命じられたのだ。  かの男は血も涙もない冷酷な男と噂の人物。  アイシャだってそんな男の元に嫁ぎたくないのに、両親は『ベアトリーチェがかわいそうだから』という理由だけでこの縁談をアイシャに押し付けてきた。 ーーーああ。やはり私は一番にはなれないのね。  アイシャはとうとう絶望した。どれだけ願っても、両親の一番は手に入ることなどないのだと、思い知ったから。  結局、アイシャは傷心のまま辺境へと向かった。  望まれないし、望まない結婚。アイシャはこのまま、誰かの一番になることもなく一生を終えるのだと思っていたのだが………? ※全部で3部です。話の進みはゆっくりとしていますが、最後までお付き合いくださると嬉しいです。    ※色々と、設定はふわっとしてますのでお気をつけください。 ※作者はザマァを描くのが苦手なので、ザマァ要素は薄いです。  

婚約破棄されたトリノは、継母や姉たちや使用人からもいじめられているので、前世の記憶を思い出し、家から脱走して旅にでる!

山田 バルス
恋愛
 この屋敷は、わたしの居場所じゃない。  薄明かりの差し込む天窓の下、トリノは古びた石床に敷かれた毛布の中で、静かに目を覚ました。肌寒さに身をすくめながら、昨日と変わらぬ粗末な日常が始まる。  かつては伯爵家の令嬢として、それなりに贅沢に暮らしていたはずだった。だけど、実の母が亡くなり、父が再婚してから、すべてが変わった。 「おい、灰かぶり。いつまで寝てんのよ、あんたは召使いのつもり?」 「ごめんなさい、すぐに……」 「ふーん、また寝癖ついてる。魔獣みたいな髪。鏡って知ってる?」 「……すみません」 トリノはペコリと頭を下げる。反論なんて、とうにあきらめた。 この世界は、魔法と剣が支配する王国《エルデラン》の北方領。名門リドグレイ伯爵家の屋敷には、魔道具や召使い、そして“偽りの家族”がそろっている。 彼女――トリノ・リドグレイは、この家の“戸籍上は三女”。けれど実態は、召使い以下の扱いだった。 「キッチン、昨日の灰がそのままだったわよ? ご主人様の食事を用意する手も、まるで泥人形ね」 「今朝の朝食、あなたの分はなし。ねえ、ミレイア? “灰かぶり令嬢”には、灰でも食べさせればいいのよ」 「賛成♪ ちょうど暖炉の掃除があるし、役立ててあげる」 三人がくすくすと笑うなか、トリノはただ小さくうなずいた。  夜。屋敷が静まり、誰もいない納戸で、トリノはひとり、こっそり木箱を開いた。中には小さな布包み。亡き母の形見――古びた銀のペンダントが眠っていた。  それだけが、彼女の“世界でただ一つの宝物”。 「……お母さま。わたし、がんばってるよ。ちゃんと、ひとりでも……」  声が震える。けれど、涙は流さなかった。  屋敷の誰にも必要とされない“灰かぶり令嬢”。 だけど、彼女の心だけは、まだ折れていない。  いつか、この冷たい塔を抜け出して、空の広い場所へ行くんだ。  そう、小さく、けれど確かに誓った。

処理中です...