孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下

akechi

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6章 それぞれの旅立ちとこれから

ラスボスの登場で大パニック!?

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「院長!?」

現れたのはルル達が暮らしている孤児院の院長キルアであった。穏やかでいつも笑顔を絶やさない気品のある老婆だが、その正体はこの国の王太后なのだ。

「あーー!いんちょーだ!!」

「いんちょーちぇんちぇいー!!」

嬉しそうに駆け寄って行くおちび達。孤児院育ちではないエドワードはあまりキルアに慣れていないが、でもどこか嬉しそうだ。キルアは子供達に好かれるオーラでもあるのか、人見知りな子でも何故か彼女には懐くのだ。

「あらあらチロ⋯じゃないわね、ヨシュア。それにリク。エドワードも3人とも元気ね~。私もこの子達の祖母だし仲間に入れて欲しくて来ちゃったわ」

ルルとヨシュアを見て、ふふとお茶目に笑うキルア。

「キルアかぁ!!元気そうじゃな!!」

キルアの夫でもある先王ヨルドが元気良く妻に挨拶するが、今まで穏やかだったキルアの顔が次の瞬間には鬼のように変貌した。

「元気そうじゃなですって!?あなたは自由に旅してきて楽しかったかしら?え?私がどれだけ苦労したか分かってんのか!?」

あんなに大柄なヨルドの胸ぐらを掴み、軽々と持ち上げる小柄なキルアに度肝を抜かれるルルとアンリ。

「いちゅものいんちょーちぇんちぇいじゃにゃい!!」ヨシュアが泣き出した。

「おにばばでしゅ!!」リクが毒を吐いた。

「あくりょーたいちゃん!!」エドワードが祈祷する。

そんなおちび達を見て爆笑するのはジョンさんことこの国の国王であるジェラルドだ。

「おいおい!子供達も見てるんだから自重してくれよ!」

「あら?あなたはこの男の味方をするのかしら?」

にこやかに息子であるジェラルドに話しかけるが、目が一切笑っていないキルア。

「いえ!母上の好きにしてください!」

「おい、息子よ!父を見捨てるのか!!」

「はい!」元気良く答えるジェラルド。

「ええーーー!!」

ジェラルドの言葉に満足したキルアはジェラルドを背負い投げして倒すと、馬乗りになり殴り始めた。その光景は小動物のうさぎが熊を背負い投げしているようにしか見えない。公爵家の当主ランバートは勿論、メイドや執事達も顔を伏せている。二人の娘で公爵夫人のエチカは審判を始めた。

「いんちょーちゅよい!!」

キラキラした瞳でキルアを見つめるヨシュア。

「おにばばがちゅよい!!」

あとでお説教が確定のリク。

「まけるなーー!!」

ヨルドを健気に応援しているエドワード。ヨルドと肉を焼いてから歳の差を超えた友情が芽生えたのだ。

「どういう状況なの!?」

いつものキルアじゃないので軽くパニックになるルルの横で、腹を抱えて笑うのはアンリだ。

「父上には昔から苦労させられたからな。ああ見えて仲が良いんだぞ?」

「どこが!?お祖父様ボコボコに殴られてるけど!?」

笑いながらのジェラルドの発言にルルはツッコむしかない。

「院長めちゃくちゃ強いじゃん!!ヨルド様ーー!!負けたら皆んなにお小遣い下さい!」

「わしはお小遣い制だから無理じゃ!今月は全部使ったから来月まで待っておくれーー!!」

アンリの軽口に対して真面目に答えるヨルド。

「アハハハ!ヨルド様ってお小遣い制なんですか!?王族って庶民的だね!アハハハ!!」

腹が捩れるくらい笑うアンリと、苦笑いのジェラルド。

「いんちょー!がんばれーー!!」

いつの間にかキルアを応援するヨシュア。横に近づいて行ってパンチの出し方をなどを真似している。

「いんちょーはおにばばだったんでしゅね!」

リクは急いで持ってきた自分の絵本を開いて、そこに描かれた鬼婆と今のキルアをキョロキョロと比較して出た結論を皆んなに大声で伝える。

「あくりょーたいちゃん!!」

リクの発言ですぐにまた祈祷を始めたエドワードであった。



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