何でもない話

なずな

文字の大きさ
2 / 6

何でもない朝

しおりを挟む
硬来と守綺はお互いに顔を見合わせ、困惑していた。

ここは石の国。石を神聖なものとし、大切に扱う国。古くから宝石の産地として知られている。
硬来は石の国の古使であり、今日は守綺との会談があると聞いていた。
金髪にピアスに、深緑の瞳。軟派な感じに見られがちだが意外と真面目な硬来。
反対に、土の国の古使である守綺は黒髪、黒目と硬派な感じのする少年だが、意外と女たらしで泣かした女は数知れない。
そんな守綺も今日は、硬来との会談だと聞いて石の国の硬来の部屋にいるのだが………。

「えっと………。とりあえず、聞いていいかい?」
「なんや、守綺……。」
「君たち、いつからそういう関係なんだい?」
「まっ、ちょ、まて、ちゃう!これには深い理由が!」
「ふーん、深い理由があって風麗を来客用のソファに押し倒してるんだ。へぇー。」
「いや、だからっ!!!」
「硬来さん、重いですー。」
「え、あ、悪い。」

慌てて硬来が退いた下から小柄な少女が現れた。

「大丈夫かい?風麗、硬来はやっぱり獣みたいだから近づかない方がいい。」
「まてまてまて!!だーかーらー、事故やって言うてるやん!!」
「えぇー?ほんとにぃー?」
「ホンマや!!!」
「そんなことよりー。お二人が揃ったのでお話があるんですけどー。」

明るい茶色のセミロング。淡い紫色の瞳。小柄でどことなくだるい感じの漂う風麗は、髪をいじりながらソファに腰掛け足を組む。
短いスカートがめくれ、覗いている白い足に硬来は顔を赤くして目をそらし、守綺はニヤニヤと見つめる。

「んー、相変わらずいい足って、いたい。」
「なに見とんのや、このアホ!!」
「えぇー?硬来だって見てたくせにー。」
「見てない!」
「いや、そんなことどーでもいいんですけどー。」
「「どうでもよくない!!」」
「………はぁ。」
「いいかい、風麗。足が綺麗だということはね……」
「風麗!女がむやみにあ、足とか見せたらあかんやろ!!」
「何言ってるんだい、多少のチラリズムは必要だよ。俺的には何も身に付けない方が好きだけど。」
「うっさいわ!このド変態!!」
「誉め言葉だね。むしろ、変態じゃない男にお目にかかりたいものだよ。」
「あのー、もう話してもいいですかねー。」
「あー、そう言えば何で風麗がここにいるんだい?無理矢理詰め込まれたのかい?」
「ちゃう!!!!風麗が急に現れて、ほんで、ビックリしてしもうて……。」
「それで、動転した硬来さんが躓いてあんな状態になったんですー。」
「へぇ、そういうことだったのか。」
「わかったやろ!俺はなんもしてへん!!」
「あぁ。風麗がフリーってことはよくわかったよ。せっかくだから、これからゆっくり夜まで俺と過ごさない?」
「お前はええ加減にせえ!!!」
「ん?君も一緒に過ごしたいのかい?申し訳ないが俺にはそんな趣味は……」
「そんなわけあるか、ボケ!!!」

ぎゃあぎゃあ言い合う二人をよそに、風麗はぶつぶつと何かを呟いた。
次の瞬間、三人の姿は消えヒラヒラと書類が部屋を舞っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

むしゃくしゃしてやった、後悔はしていないがやばいとは思っている

F.conoe
ファンタジー
婚約者をないがしろにしていい気になってる王子の国とかまじ終わってるよねー

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

繰り返しのその先は

みなせ
ファンタジー
婚約者がある女性をそばに置くようになってから、 私は悪女と呼ばれるようになった。 私が声を上げると、彼女は涙を流す。 そのたびに私の居場所はなくなっていく。 そして、とうとう命を落とした。 そう、死んでしまったはずだった。 なのに死んだと思ったのに、目を覚ます。 婚約が決まったあの日の朝に。

無能妃候補は辞退したい

水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。 しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。 帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。 誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。 果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか? 誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

処理中です...