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第五章
十二話 【緊急依頼!】
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正気を取り戻した惣一郎がミトルからの話を真面目に聞く。
惣一郎の頬には赤い紅葉が咲いていた。
ミトルの話は、防具の素材として貴重な[ターツル]の鱗を取ってきて欲しいと言う、素材収集依頼であった。
このターツルは、ここから半日ほど行った北の海岸に生息しているそうで、気性の荒さと厄介な水魔法を使う大型の魔獣との事。
中々引き受けてくれる冒険者がいないそうで、防具そのものが作れず商人ギルドが困っていたそうだ。
そこへ、この街に来た噂のジビカガイライの話を聞き、ミトルが交渉に出向いて来たのだった。
報酬は鱗1枚120ギー。
一匹倒せば20枚は取れるそうで悪くない額ではあるが、今はお金に困っていないし、船の出発まで明日一日しか無い。
見つからない可能性もあるし…
余裕はなさそうだな…
「助けていただけないでしょうか?」
「もちろんお受けしましょう、貴女の為に!」
安請け合いした惣一郎は、午後からクロの引く荷車で目的地の海岸に、ベンゾウの小言を聞きながら向かっていた。
クロの頑張りで陽が高いうちに海岸に着く事が出来た惣一郎は、早速ターツルを探し始める。
だが、潮の香りと波の音が心地よい砂浜には何もいなかった。
聞いた話ではこの辺りのはずなのだが…
砂浜では荷車も使えず、歩いて捜索しているが、夕方になっても魔獣のマの字も見当たらない。
暗くなるまで捜索は続くが、やはりそれらしい物はおらず、今日の捜索は諦める事に。
砂浜にテントを出し、明日早朝から探す事にする。
クロに肉を焼き、不機嫌なベンゾウにはさっぱり冷やし中華を作る。
食後には、潮でベタつく体を洗おうと風呂に入る事に。
誰もいない砂浜で、海を見ながら露天風呂と洒落込む!
依頼など忘れ、ベンゾウと湯船で最高に贅沢な時間を楽しむ惣一郎。
空には満天の星空が広がり波の音をBGMに砂浜には星に照らされた大きな魔獣、芯まで温まり癒しの… 魔獣?
「「 いた! 」」
海から上がって来た、大きな魔獣は砂浜に卵を産みに来た海亀だった!
下顎から伸びた牙に大きな甲羅はトゲトゲしい鱗で覆われており、昭和の大怪獣を思わせる魔獣が、お目当てのターツルであった。
ターツルがこちらに気付くと、大きな咆哮を上げ襲いかかって来る!
2人は裸のまま砂浜を走りだし、銀髪の裸の少女は小刀を取りに戻り、裸の惣一郎はターツルの注意を引きながらククリ刀を出す。
杖を握り印を結ぶと四つの円盤がターツルめがけ飛んでいき、火花を散らし甲羅に傷を付けるが致命傷には至らない。
するとターツルの周りに魔法陣が浮かび上がり、水の塊を飛ばして来る!
盾で受けた惣一郎は水の衝撃で吹っ飛ばされる。
ダメージは無いが重い!
全身砂だらけの裸の惣一郎は杖を構え深く集中する。
円盤の回転が上がり、高い音に変わりながら高速回転の円盤は赤く熱を帯びていく。
キーンと音を出しオレンジ色にまで色を変えた円盤を、シュン!っとターツルに飛ばす!
円盤がターツルを貫通し速度を落とすと、たまらず吠え苦しみ出す!
そこに空を舞う星明かりに照らされた裸の少女が、小刀を持って現れる。
幻想的ではあったが、分厚いメガネが全て台無しにしていた。
砂浜に舞い降りる裸の少女は、ターツルの首元に波紋を広げると遅れて音が鳴る。
パンッ!
首が落ち、動かなくなる魔獣。
「あっぶな… 流石に焦ったわ!」
「ご主人様、砂だらけ。ケラケラケラ」
カメを収納し、湯船に浸かりなおす。
回収したククリ刀は熱で曲がっていた…
翌朝、クロの荷車に乗って街に戻る。
昼前に街に戻った惣一郎達は、まっすぐ商人ギルドへと向かう。
ギルドに入ると、やはりここも冒険者ギルドとは違い、品がある作りで品がある職員にミトルさんに会いに来た旨を伝える。
「ソウイチロウ様、やはり断りに?」
「いえ獲って参りました、貴女の為に!」
「はい?」
収納していたカメを出すと職員達が騒ぎ出し、すぐ査定が行われた。
査定の結果使える鱗は12枚と結構傷付けてしまっていた。
それでも1,440ギーも貰えたのだ。
カメは肉も売れるといい、丸々買取で合わせて1,500ギーの報酬でした。
ミトルは、こんなに早く依頼を達成するなんて信じられない!っとずっと驚いていた。
「運が良かっただけですよ… 運が… 所で、運命って信じますか?」
ベンゾウに引きずられギルドを後にする。
惣一郎の頬には赤い紅葉が咲いていた。
ミトルの話は、防具の素材として貴重な[ターツル]の鱗を取ってきて欲しいと言う、素材収集依頼であった。
このターツルは、ここから半日ほど行った北の海岸に生息しているそうで、気性の荒さと厄介な水魔法を使う大型の魔獣との事。
中々引き受けてくれる冒険者がいないそうで、防具そのものが作れず商人ギルドが困っていたそうだ。
そこへ、この街に来た噂のジビカガイライの話を聞き、ミトルが交渉に出向いて来たのだった。
報酬は鱗1枚120ギー。
一匹倒せば20枚は取れるそうで悪くない額ではあるが、今はお金に困っていないし、船の出発まで明日一日しか無い。
見つからない可能性もあるし…
余裕はなさそうだな…
「助けていただけないでしょうか?」
「もちろんお受けしましょう、貴女の為に!」
安請け合いした惣一郎は、午後からクロの引く荷車で目的地の海岸に、ベンゾウの小言を聞きながら向かっていた。
クロの頑張りで陽が高いうちに海岸に着く事が出来た惣一郎は、早速ターツルを探し始める。
だが、潮の香りと波の音が心地よい砂浜には何もいなかった。
聞いた話ではこの辺りのはずなのだが…
砂浜では荷車も使えず、歩いて捜索しているが、夕方になっても魔獣のマの字も見当たらない。
暗くなるまで捜索は続くが、やはりそれらしい物はおらず、今日の捜索は諦める事に。
砂浜にテントを出し、明日早朝から探す事にする。
クロに肉を焼き、不機嫌なベンゾウにはさっぱり冷やし中華を作る。
食後には、潮でベタつく体を洗おうと風呂に入る事に。
誰もいない砂浜で、海を見ながら露天風呂と洒落込む!
依頼など忘れ、ベンゾウと湯船で最高に贅沢な時間を楽しむ惣一郎。
空には満天の星空が広がり波の音をBGMに砂浜には星に照らされた大きな魔獣、芯まで温まり癒しの… 魔獣?
「「 いた! 」」
海から上がって来た、大きな魔獣は砂浜に卵を産みに来た海亀だった!
下顎から伸びた牙に大きな甲羅はトゲトゲしい鱗で覆われており、昭和の大怪獣を思わせる魔獣が、お目当てのターツルであった。
ターツルがこちらに気付くと、大きな咆哮を上げ襲いかかって来る!
2人は裸のまま砂浜を走りだし、銀髪の裸の少女は小刀を取りに戻り、裸の惣一郎はターツルの注意を引きながらククリ刀を出す。
杖を握り印を結ぶと四つの円盤がターツルめがけ飛んでいき、火花を散らし甲羅に傷を付けるが致命傷には至らない。
するとターツルの周りに魔法陣が浮かび上がり、水の塊を飛ばして来る!
盾で受けた惣一郎は水の衝撃で吹っ飛ばされる。
ダメージは無いが重い!
全身砂だらけの裸の惣一郎は杖を構え深く集中する。
円盤の回転が上がり、高い音に変わりながら高速回転の円盤は赤く熱を帯びていく。
キーンと音を出しオレンジ色にまで色を変えた円盤を、シュン!っとターツルに飛ばす!
円盤がターツルを貫通し速度を落とすと、たまらず吠え苦しみ出す!
そこに空を舞う星明かりに照らされた裸の少女が、小刀を持って現れる。
幻想的ではあったが、分厚いメガネが全て台無しにしていた。
砂浜に舞い降りる裸の少女は、ターツルの首元に波紋を広げると遅れて音が鳴る。
パンッ!
首が落ち、動かなくなる魔獣。
「あっぶな… 流石に焦ったわ!」
「ご主人様、砂だらけ。ケラケラケラ」
カメを収納し、湯船に浸かりなおす。
回収したククリ刀は熱で曲がっていた…
翌朝、クロの荷車に乗って街に戻る。
昼前に街に戻った惣一郎達は、まっすぐ商人ギルドへと向かう。
ギルドに入ると、やはりここも冒険者ギルドとは違い、品がある作りで品がある職員にミトルさんに会いに来た旨を伝える。
「ソウイチロウ様、やはり断りに?」
「いえ獲って参りました、貴女の為に!」
「はい?」
収納していたカメを出すと職員達が騒ぎ出し、すぐ査定が行われた。
査定の結果使える鱗は12枚と結構傷付けてしまっていた。
それでも1,440ギーも貰えたのだ。
カメは肉も売れるといい、丸々買取で合わせて1,500ギーの報酬でした。
ミトルは、こんなに早く依頼を達成するなんて信じられない!っとずっと驚いていた。
「運が良かっただけですよ… 運が… 所で、運命って信じますか?」
ベンゾウに引きずられギルドを後にする。
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