異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

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第六章

十五話 【土下座?】

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苔に覆われた緑の世界。

薄暗い森には所々に、陽の光りが射していた。

幻想的な雰囲気の中、足裏に苔の弾力を感じながら歩いて行く惣一郎達。

ピピピピっとセットしておいたタイマーが鳴り、モモにキュアを気合を入れてかけ直す。

「惣一郎様…ありがとうございます……」

素性を全く話さない謎の女モモは、毎度丁寧な物腰で礼を言う。

育ちが良いのだろう…

惣一郎はベンゾウについても、ほぼ何も知らない状態である。

言いたがらないのでそれでいいと、他人に興味があるのかないのか、本当わからない性格であった。

そんな惣一郎の事もふたりは知らない。




しばらく進むと、また民族風の仮面を被った白い猿が現れ、惣一郎はため息を吐く。

5匹の白い猿は惣一郎たちに武器を構え、そのうちの一匹が仮面を外し話しかける。

「冒険者かコロ?」

「コロ? ネロじゃ無いのか?」

惣一郎の発言に猿たちがざわつく。

「我々と似た者にあったコロか?」

「あぁ、さっき襲われたぞ」

ざわざわ…

「そいつらは、何処に行ったコロ?」

「殺されそうになったので、殺したぞ」

「なんと! それはすまんコロ… 奴らは我々ロイゲン族の面汚しコロ! いい気味だコロ」

さっきの猿とは雰囲気が違う様だ。

惣一郎に礼を言う白い猿は、倒した場所と人数を知りたいと言うので答えると、また礼を言ってその場所に向かった。

派閥争いかな?

まぁ、なんだかんだと良い時間ではあるので、ここでテントを出す事にする。




食事の準備をしている惣一郎を、ずっと見ているモモ。

「なんでしょう?」

「い、いえ…すいません……」

顔を赤くして目を逸らすモモは、恥ずかしそうに槍を磨き始める。

夕飯は、紅生姜多めの焼きそばであった。

お好み焼きといい、焼きソバも、たまに無性に食べたくなる惣一郎であり、今日がそのたまにであった。

お好みでとマヨネーズを出し、惣一郎は生卵を乗せ絡めて食べる。

ベンゾウは3パターンで大盛り3皿を食べた。

腹を満たすとその日はクリーンでベッドに入る。




翌朝、残りの焼きそばをパンに挟んで食べ、また歩き出す。

するとすぐに、昨日の白い猿が一匹やってくる。

「よかったコロ、まだ近くにいて! すまん冒険者殿、我々に力を貸してくれないかコロ?」

よく見ると左肩に怪我をしていた。

内輪揉めに巻き込まれるのは正直避けたい惣一郎は、先を急ぐのでとやんわり断る。

だが白い猿は必死だった。

「事情があるのもわかるコロ。だがそこを曲げてお願いしたいコロ! 頼むコロ。このままでは長老がやられてしまう。頼む、この通りだコロ」

土下座スタイルの猿。

異世界にもあるのね!

ベンゾウはニッシッシと歯を見せ笑いかける。

お見通しの様だ…

元の世界でもタイムカードを押してから遅くまで働いていた惣一郎は、頼まれると断れない…

「わかったよ、案内してくれ」

惣一郎は深くため息を吐く…




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