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第六章
二十七話 【必死の頼み!】
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静まり返ったギルドは、指一本動かしていい空気では無かった。
「他に噂を確認したい人は?」
ベンゾウは後ろで、胸元を自分で広げ、下着を覗き込んでニヤついている。
返事はないので、ギルドを後にする。
ダンジョンに潜るにあたり、他に必要な物は無いか確認しながら街をぶらついていると、息を切らしながら追いかけて来た人がいた。
「ハァハァ……ジビカガイライの皆様! お願いが……」
振り返るとそこには、金髪色白のエルフの女性と、自分より大きな杖を持った小さな女の子が、肩で息を整えていた。
惣一郎は、嫌な予感しかしなかった……
落ち着いたふたりは、惣一郎に話し始める。
「初めまして、私は[クロトの森]の[バオ]と言います」
金髪のエルフが自己紹介すると、丁寧に頭を下げる。
「それと、こちらは仲間の魔導士[ビルゲン]です。ビルゲンは言葉を話せませんので、私が代わりご挨拶を」
すると男の様な名前の小さな女の子が、魔女の様な三角帽子を取りお辞儀をする。
それにしても小さい…… ん?
帽子を取った頭には、羊の様な曲がった小さなツノが生えていた。
「彼女は魔族でして、見た目は幼いですがこう見えても33歳と成人です。この辺りでは珍しいですよね! ウフフ……」
魔族? 獣人じゃ無いんだ、いるんだ魔族!
複雑そうな顔でバオを見上げるビルゲンだった。
「それで、ジビカガイライの皆様。折入ってお願いが御座います」
「ダンジョン入場申請をされておられましたよね? そこで私達もどうか一緒に潜らせてもらえないでしょうか?」
ワンワン!
(街に入るとめっきり出番の無い俺様が、現代風に説明してやろう!)
『超いきなり登場! みたいな、この……』
「クロ! シーッ!」
急に吠え出したクロが、ベンゾウに怒られていたが、何か警戒してるのだろうか?
惣一郎は慎重になる。
エルフのバオの話では、以前組んでいたクランが六階層で多くの犠牲を出し解散してしまい、新たにクランを作り直そうと連日ギルドで仲間を探していた所、惣一郎の先程の騒ぎを目撃し、その強さに惚れ込んでスカウトに来たとの事。
「ジビカガイライの噂は私も聞いておりましたが、あそこまでお強いとは…… 先程倒した男は、ダンジョンでも前線で稼いでいるクランの主力アタッカーです。それを……」
「あの、褒めて頂いて恐縮ですが、申し訳無い! ダンジョンに潜るのは金儲けじゃ無く、ある物を手に入れたくて行くので、報酬を分ける事が出来ない! なので今回は俺らだけで潜ります」
クランを作り、大人数で攻略するのが当たり前のダンジョンを、惣一郎は3人で十分と言って退けた様なものだった。
バオの表情は、悦びを帯びる。
「流石ですね! 正にそこなんです。今回私達がお願いしたいのは、同行だけで報酬はいりません。どうしても六階層までもう一度行きたいのです」
少数で潜ると受付で揉めた時に居合わせた様で、目を付けられていたらしく、後はその実力があるか知りたがってる時に先程の揉め事で、踏み切ったとの事。
断りづらい展開に持ってくな~ ん……
「すまん、余計信用が難しい。リスクは極力避けたいので、やはり今回は俺らだけで潜るよ。悪いが他を……」
「お願いします! 報酬は私達の全財産4758ギーを、足りなければ、この体を。何でもします! どうかお願いです、どうか!」
必死に頭を下げるエルフに、六階層に何があるのか……
「はぁ~ 必死なのはわかったよ、理由は? 六階層に何が?」
バオは、理由を話し始める……
「他に噂を確認したい人は?」
ベンゾウは後ろで、胸元を自分で広げ、下着を覗き込んでニヤついている。
返事はないので、ギルドを後にする。
ダンジョンに潜るにあたり、他に必要な物は無いか確認しながら街をぶらついていると、息を切らしながら追いかけて来た人がいた。
「ハァハァ……ジビカガイライの皆様! お願いが……」
振り返るとそこには、金髪色白のエルフの女性と、自分より大きな杖を持った小さな女の子が、肩で息を整えていた。
惣一郎は、嫌な予感しかしなかった……
落ち着いたふたりは、惣一郎に話し始める。
「初めまして、私は[クロトの森]の[バオ]と言います」
金髪のエルフが自己紹介すると、丁寧に頭を下げる。
「それと、こちらは仲間の魔導士[ビルゲン]です。ビルゲンは言葉を話せませんので、私が代わりご挨拶を」
すると男の様な名前の小さな女の子が、魔女の様な三角帽子を取りお辞儀をする。
それにしても小さい…… ん?
帽子を取った頭には、羊の様な曲がった小さなツノが生えていた。
「彼女は魔族でして、見た目は幼いですがこう見えても33歳と成人です。この辺りでは珍しいですよね! ウフフ……」
魔族? 獣人じゃ無いんだ、いるんだ魔族!
複雑そうな顔でバオを見上げるビルゲンだった。
「それで、ジビカガイライの皆様。折入ってお願いが御座います」
「ダンジョン入場申請をされておられましたよね? そこで私達もどうか一緒に潜らせてもらえないでしょうか?」
ワンワン!
(街に入るとめっきり出番の無い俺様が、現代風に説明してやろう!)
『超いきなり登場! みたいな、この……』
「クロ! シーッ!」
急に吠え出したクロが、ベンゾウに怒られていたが、何か警戒してるのだろうか?
惣一郎は慎重になる。
エルフのバオの話では、以前組んでいたクランが六階層で多くの犠牲を出し解散してしまい、新たにクランを作り直そうと連日ギルドで仲間を探していた所、惣一郎の先程の騒ぎを目撃し、その強さに惚れ込んでスカウトに来たとの事。
「ジビカガイライの噂は私も聞いておりましたが、あそこまでお強いとは…… 先程倒した男は、ダンジョンでも前線で稼いでいるクランの主力アタッカーです。それを……」
「あの、褒めて頂いて恐縮ですが、申し訳無い! ダンジョンに潜るのは金儲けじゃ無く、ある物を手に入れたくて行くので、報酬を分ける事が出来ない! なので今回は俺らだけで潜ります」
クランを作り、大人数で攻略するのが当たり前のダンジョンを、惣一郎は3人で十分と言って退けた様なものだった。
バオの表情は、悦びを帯びる。
「流石ですね! 正にそこなんです。今回私達がお願いしたいのは、同行だけで報酬はいりません。どうしても六階層までもう一度行きたいのです」
少数で潜ると受付で揉めた時に居合わせた様で、目を付けられていたらしく、後はその実力があるか知りたがってる時に先程の揉め事で、踏み切ったとの事。
断りづらい展開に持ってくな~ ん……
「すまん、余計信用が難しい。リスクは極力避けたいので、やはり今回は俺らだけで潜るよ。悪いが他を……」
「お願いします! 報酬は私達の全財産4758ギーを、足りなければ、この体を。何でもします! どうかお願いです、どうか!」
必死に頭を下げるエルフに、六階層に何があるのか……
「はぁ~ 必死なのはわかったよ、理由は? 六階層に何が?」
バオは、理由を話し始める……
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