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第七章

十話 【喜ぶ顔が見たかった】

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ここでテントを出し休もうと思ったが、騒音で寝れそうにも無いので、このままボスを倒すことにする。

モモの案内でボス部屋に着き、ボスの[ゲビツール]と言う大きな手足の生えたナマズを、ベンゾウがあっさり倒し、宝箱を手に入れる。

キドニーのほうが数倍強い気が……

中身は、銀に輝く弓だった。

コレもダンジョン産に間違いない。

階段を降りて魔法陣のあるスペースまで来ると、騒音は静かになっていたので、端にテントを出して休む。

弓は使い道がないので、バオに譲る事にした。

喜ぶバオは「少しなら良いですよ」と、胸を出そうとするのを、惣一郎が慌てて止める。

意味が分からん!

食事を摂り、よく寝る事にする……




モモは…… 巨大化してないな!

ホッとして起き出す惣一郎は、朝食の準備を始める。


食事を終え、いよいよ五階層と意気込む。

階段を降りて行くと洞窟の中に草原が広がっていた。

「ひろ! 光も射さないのに明るいしどうなってるんだ!」

「ひろ! 光も射さないのに明るいしどうなってるんだ?」

「ええ、そう言いましたけど?」

………

コレならばと荷車を出し、ダンジョンで初めて活躍するクロ!

モモの案内で風を切り、出た魔獣も置き去りにして行く。

五階層はスルーできそうだな……

六階層に近づくにつれ、ビルゲンは弱って行く様に感じる。

「大丈夫か?」

惣一郎の優しい言葉に、頬を赤らめてコクコク頷くビルゲン。

ベルフの上位種だろう[ライノルフ]と言う魔獣が、さっきから現れるが、クロに追いつけないでいた。

クロも同じ食事で、強くなっているのだろう……

色々な思いが朝食と共に込み上げて来る。

「クロ……安全運転で…… うっぷ」

全員が真っ青な顔になったので、休憩する。

スポーツドリンクを配り、一息つく。

「モモ、キュアしなくなってから24時間以上経ったが、大丈夫そうだな! 巨人の呪いは解けたと考えていいだろう」

「ええ……ありがとうございます」

治ったのに、元気がないな……

「あの……私、惣一郎様がダンジョンを出るまでは……お供させていただいても……良いですか?」

「ん? そりゃ構わないけど」

「あ、ありがとう……ございます」


モモにも旅の目的がある、別れは寂しいが、せめて、このダンジョンを出るまでは一緒に冒険を楽しもうと、惣一郎は心に決める。

バオとビルゲンも次の六階層が目当てだ、仲間が残した物が見つかれば、その先に進む気はないだろう。

歩きながら先に進む。

ライノルフが襲って来ても、ベンゾウと惣一郎の苦無があっさり倒す。

洞窟の中の森に入り、ハイオークの集団と行き合うが、ベンゾウと惣一郎に変わりはない。

ここまで来るとバオ達は、苦戦を強いられるので、黙って口を開けたまま惣一郎達を見ていた。

この辺りが、前線で活躍する冒険者が来れるレベルなのだろう。


クロの荷車のおかげで、半日でボス部屋に着く。




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