異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

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第八章

十話 【お祝いムード?】

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集落の集会場で並ぶ料理と美味い酒を飲みながら、集落の人達と賑やかに歓迎の宴を楽しんでいる惣一郎。

「それで俺がよ、ハイオークの死体を確認してたらよ、目の前にでっかいグルピーが顔を出して来てよ~」

確認に行った男が村人にこの話をするのは3回目であった。

「兎に角、強いのなんのって!」

「そりゃハイオーク三匹を倒せるお方だ、グルピーの十匹や百匹!」

「「「 あっはははは~ 」」」

賑やかな宴は遅くまで続いた……

惣一郎達は、集落の離れにテントを出し、一晩泊まることになる。



翌朝、飲み過ぎた惣一郎はキュアをかけ朝食を作り始める。

シャケの切り身の塩焼きと納豆、ご飯、味噌汁をテーブルに並べると、ベンゾウが眉間に皺を作り起きて来る。

キュアとクリーンをかけると、お礼を言い席につき朝食を摂り始める。

このまったりとした朝の風景が、気に入っている惣一郎だった。

片付けて外に出ると、丁度集落の長が惣一郎を訪ねて来て、お茶に誘われる。

「昨夜は久しぶりに、楽しいお酒でしたよ」

「ええ、すっかりご馳走になってしまって」

「いえいえ、この集落を救ってくれた方ですからね~ はははは」

「しかしあの、ナナヤツの実のお酒、美味かったですね! 良ければ売って頂きたい」

「ええ、売るほどありますので!」

「「 あははは~ 」」

「そこで、お願いがあるのですが?」

長の話では、これからコマロの街に向かう惣一郎に酒を卸したいとの事。

街へ行けばお抱えの商人に、決まった額で売れるので、1樽を9ギーで31樽、279ギーで買って欲しいそうだ。

コマロで売れば十分元は取れるとの事!

惣一郎も欲しかったし、商談成立。

お金を払い、蔵から31樽を収納すると、驚く長だった。

「これは凄い…… 荷車も要らないとは!」

笑って誤魔化す惣一郎。

挨拶をして、集落を出る事にする。

「お世話になりました!」

「こちらこそありがとうございます! 王都は今、姫様のご帰国で大変な賑わいでしょう。コマロの街も同じく賑やかなはずです! 楽しい旅で有ります様に」

手を振り集落を出る惣一郎。

クロの荷車で、コマロの街を目指す。

『姫の帰国?』



森を抜け、東に雪を冠った岩山を眺めながら北へ、荷車は草原を走っていた。

途中、兎の魔獣サリンを二羽捕まえて、夕方には遠くにコマロの街が見えて来た。

近場で一晩過ごし、明日街に入る事にする。





翌朝、コマロの街の入り口で冒険者カードを見せると、門番達がボソボソと騒ぎ出す。

有効期限でも切れたかな?

大丈夫の様で、笑顔の門番に丁寧に送られ街に入る。

石造りの家が綺麗に並ぶ街並みに、通りには乗合馬車が常に街中を回っている様で、随分と進んだ印象を受ける。

入ってすぐの広場には、人が沢山集まっており、時折歓声が聞こえる。

何かの集会だろうか?

取り敢えず、集落で言っていた商会に酒を卸そうと、道を尋ねる。

歩いて行ける距離にあった商会に入り、集落からナナヤツの酒を持って来ている事を伝えると、大喜びで買い取ると言ってきた。

お祝いムードの街はお酒が足りてないそうだ。

『お祝い?』

自分用に6樽残して、25樽売る事にする。

1樽14ギーで買い取るそうだ。

裏の倉庫に樽を重ね出し350ギーを受け取る。

いい稼ぎに、今夜は焼肉かな?





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