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十二章

十二話 【砂漠の街セス】

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3人を乗せた荷車が凄いスピードで長いトンネルを進む。

一時間も進むと、やっと外に出られた!

岩山の下を潜った惣一郎達は、出るとすぐに広がる砂漠に肩を落とす。

「くそ、セスの街は砂漠の中か!」

大事な事を言わないドワーフの商人魂に、やられた惣一郎は早速、新たな理喪棍に縦長のサドルの様な物がついたアタッチメントを取り付ける!

弁慶にゴーグルを渡して、ベンゾウ、惣一郎、弁慶の順にピッタリくっついて座る。

クロをカゴに入れ背負う弁慶も、すでに諦めていた。

3人は理喪棍を握り、密着すると魔力を感じる。

「おお、ふたりの魔力を感じる!」

「なんだコレ! ベンゾウに魔力が溢れて来るよ!」

「凄い! アタイもみんなの魔力を感じる」

「ベンゾウ、グラビティーで皆んなを軽くするんだ!」

すると惣一郎も自分が軽くなるのを感じる!

「行ける、飛ぶぞ!」

惣一郎がテレキシスで理喪棍を浮かす!

感じるのはクロの重さだけだ!

そのまま砂漠の上を滑る様に飛ぶ、惣一郎達!

弁慶の魔力まで使えるのも大きい。

ベンゾウの魔力も桁違いに持続可能だろう!

風の抵抗は多少あるが、軽い分魔力消費も前回とは比べ物にならなかった。

東に真っ直ぐ、飛ぶ惣一郎達!

惣一郎のヘッドレストは弁慶の胸だ!

弁慶は両腕を、惣一郎を後ろから抱え込む様に、理喪棍を握る。

ベンゾウは前に取り付けた強化アクリルの透明な盾を、風の抵抗を減らす為に前屈みの姿勢で持つ。

お尻が惣一郎をグイグイ押す様に当たっている!

惣一郎も前屈みでベンゾウの腰に手を回し、理喪棍を握る!

ふたりにピッタリ挟まれながら、集中する惣一郎!

どこまでも続く砂の上を、滑る様に進む!

ここにもゲーゲートがいる様だ!

高度を少し上げる。

すでに一時間以上飛んでいるが、まだまだ全然余裕だ!

「ベンゾウ、まだ行けるか!」

「まだまだ全然平気だけど、ご主人様の魔力が腰に……♡」

「弁慶は!」

「魔力は平気だが…… その…♡」

大丈夫そうだ!

さらに一時間近く飛ぶと、遠くに街が見えて来た!

「よし、あと少しだ!」

惣一郎は六日の距離を、約3時間で到着する!

まぁ、距離的には二日位の距離なのだろう。

馬で砂漠を進むのが大変で、六日はかかるのだろう。

街の手前でふわりと着地すると、楽しいとはしゃぐ、赤い顔のベンゾウさん!

降りた瞬間、力が入らず腰を下ろす色っぽい弁慶さん!

籠から飛び出し、フラフラするクロさん!

惣一郎は大興奮…… じゃない大満足だった!

頭痛もなく、魔力もまだ余裕がある。

恐るべし理玉。



そのまま街に入り、配達先の商会を訪ねる。

「二號街のドワーフから頼まれて、品物を届けに来ました!」

「ああ、遅かったね~ 明日には期限だったぞ」

「何処に出しますか?」

「荷物は?」

「バッグの中です」

店の主人は、間に合わないと思ったのか、ニヤけながら、

「その辺に並べておけ! 残りが間に合わなくとも、契約違反だからな!」

惣一郎は黙って、馬車六台分の荷物を店先に出す。

「えっ! ちょ、ちょっと待ってくれ、何処からそんな量を…… いやいやここじゃまずい!」

「移動するんですか? 料金かかりますが」

「えっ!」

主人は渋々自分で運び出すと、別の店員がニコニコしながら、品代を持ってくる。

500ギーを受け取ると、店員が、

「いい気味です!」

っと、あまり好かれてない店主だった様だ。





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