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十二章

十四話 【笑ったな?】

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惣一郎は、テレポの魔法を手に入れたくて、街の魔導書店に来ていた。

「いらっしゃいませ!」

「すいません、こちらにテレポの魔法があると聞いたのですが」

「ええ、まだ在庫は…… ですが、あまりお勧め出来ませんよ?」

人気ない様だ。

相手の武器を奪ったり、頭上に岩を出したりと、色々使い道はある気がするのだが……

「在庫は7冊ですね、1冊7ギーです」

不人気だからか安かった。

だが、惣一郎は7回では覚えられなかった。

「ケヒっ…… ゴホン失礼、残念でした。テレキシスなら在庫が御座いますが?」

「いえ…… 大丈夫です。これって入荷は?」

「テレポですか? ん~ やっと在庫が処分できた所だしね~ この辺じゃもう無いんじゃないかな~」

そんなに不人気なのか…… ケヒ?

無いとなると余計に欲しい。

生産者を聞くが、他所の街から仕入れたとの事で、分からず仕舞い。

店を出て、今日はギルドで休む事にする。

……ケヒ?



ギルドに戻ると、ギルマスのリリが、

「おかえりなさい、どうでした?」

っと、話しかけてくる。

惣一郎は無言で首を振る。

「庭、お借りしますね…… そだ! テレポの魔導書作れたりしませんか?」

リリも無言で首を振る。

何故かベンゾウも首を振る。  イラ!



テントを出す。

周りに緑が無いと、テントは普通に見える。

砂漠用の迷彩じゃ無いとココでは効果ない様だ。

薪ストーブに火を入れ、惣一郎は、

「ケヒ…… ケヒ?」

っと、笑われた事を思い出していた。

のんびり風呂に入り、足を伸ばす。

はぁ~ やっぱ風呂は癒されるな~

熱った体に冷えたビールを流し込み……

「ケヒって、なんじゃゴラ~」っと叫ぶ。

この日惣一郎は、ダンジョンに行く事を決める。



翌朝、弁慶が、

「旦那様、何もわざわざダンジョンに行かなくても、近くの町を探しては?」

「いや、ダンジョン産のテレポを手に入れてやる!」

「ケラケラケラ」

まぁ、予定がある訳でも無いし、いいかと弁慶も覚悟を決める。

そうと決まれば情報収集!

まずはギルドでリリに聞く。

「ダンジョンですか? ええ、この国にもありますが、砂漠のダンジョンが……」

「ほほ~ 砂漠ですか?」

「はい、南東に行くと[オイザネ]と言うオアシスがあり[ルイマ]と言う部族が住んで居ます。その部族に聞けば、砂漠の中のダンジョンへの入口に案内してくれますよ!」

「案内? 案内がいるのですか?」

「ええ、クピオのダンジョンは砂漠を移動しているので」

移動? 

一応聞いとくか、

「ダンジョンとは?」

「ええ、ダンジョンとは、人を宝などで誘い込む魔物の一種ですよ!」

やはり、知っているダンジョンで間違い無い様だ。

そうなるとサーチの魔法もあってもいいかも。

前回はモモのサーチが大活躍したし!

だが、あの魔導書店には、もう行きたく無いので、それもダンジョンで手に入れてやろうと、もう何が何だか、本末転倒? よく分からない惣一郎であった。



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