異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

夜間救急事務受付

文字の大きさ
307 / 409
十四章

二十一話 【手合わせ】

しおりを挟む
ギルド長の部屋へ入ると、ハゲた長髪の老人が立っていた。

白いローブから鶏ガラの様な手を出し、長い杖を持っている。

「お初にお目にかかる惣一郎殿。私は[ギルド特別室ザザンド支部室長]の[ヒー・メギアド]と申します。本部から連絡は受けております」

「初めまして、ジビカガイライの惣一郎です」

「コイラットよ、ココからはギルドでも限られた者しか聞くことができぬ極秘の話になるので、済まぬが席を外して頂けるかな?」

「はい! ヒー様。では下におりますので御用の際は」

そう言うと席を立ち、部屋を出るこの部屋の主。

「フォホホ、いや肩が凝るの~ 何年ぶりじゃろか、こんなに畏まったのはの~」

アハハ、素ですか……

「して、惣一郎よ、お前さんいつ使うつもりなんじゃ?」

「ふぇ? ああ、準備したいので、明日一日もらって明後日の朝にでも」

「ほか! 忙しないの~ それと荷物があると聞いておったが、あまり大きと部屋に入らんぞ?」

「そうなの? どのぐらい?」

「まぁ、普通にドアを通る大きさかの~」

「なるほど、気を付けます」

「じゃ明後日の朝に迎に来よう!」

「え? ええ、よろしく…… あ、待った! 日の出前にお願い出来ますか?」

「なんじゃそんな早く行くのか? まぁ年寄りは早起きじゃ、良かろう日の出前に!」

老人はあっさりと帰っていった。

こんな感じなのね……

無駄に緊張した惣一郎は、テーブルに置かれた冷めたお茶を啜る。

戻って準備をしようと部屋を出ると、騒がしい一階。

階段を降りるとまた、水を打った様に静まり返る。

「惣一郎様! お話はもうお済みで?」

「ええ、俺もこれから準備に入りますので、戻りますね」

「畏まりました、何か必要な物がございましたらお申し付け下さい!」

「ありがとうございます…… そだ、木箱をお願い出来ますか? ドアを通れるサイズで細長い物を!」

「木箱を……ですか? 畏まりました、ご用意致しましょう」

惣一郎は大体の大きさを伝え、中庭へ戻る。




中庭ではトーマやゴザ、ギコルの男どもが、武器や防具の手入れをしていた。

「他は、風呂か?」

「ええ、女は長い」

なるほど、じゃまだテントには入れないか……

惣一郎はテントの外にテーブルを出し、3人に缶ビールを出してやる。

おつまみは、作り置きでもアツアツの唐揚げ。

「カーー! 美味い! なんて美味いエールだ!」

「この油っぽい鳥肉と、相性バッチリだな!」

「この入れ物は、まさかミチル鋼なのか?」

三者三様の感想を聞きながら惣一郎は『コイツらの装備も考えないとな……』っと考えていた。

「しかし、まさか俺ら5人だけで、ハイオークの王をやれるとはな~ 間違いなく冒険者でも初だろう!」

誇らしげに勝利の美酒に酔う3人。

「あ~ ウチのベンゾウはソロで倒したよ、しかも無傷で」

っと、水を差す惣一郎。

無言が続く……



「なぁ…… あんたら一体何者なんだ? 神の子か何かか?」

「やだな~ 普通の新人冒険者だよ」

「「「 どこがだよ! 」」」

「惣一郎殿、ちょっと相手してくれないか?」

トーマが利き腕だろう左腕の袖を捲り上げ、腕相撲を申し込んでくる!

だがすぐ、

「あっ! すまん! 右でいいぞ!」

惣一郎の無い左腕に気付いて、やっちまったって顔をする。

「いや、左でいいよ」

惣一郎が幻腕を出し、テーブルに肘を突く。

目を丸くする3人。

「そ、それは、魔力なのですか……」

冷や汗を流すトーマは、

「おもしろい! 手合わせ願う!」

っと惣一郎の幻腕と手を組む。

が、必死の形相のトーマの腕はピクリとも動かない。

「ちょ、ちょっと待て! なぜだ! プロットの魔法まで使えないぞ!」

「へぇ~ 弁慶と同じプロットの魔法が使えたのか!」

惣一郎は簡単にトーマの手の甲をテーブルに擦り付ける。

「嘘だろ、トーマが力比べで負けるなんて!」

「いい機会だし、皆んなが何が出来るか教えてくれないか?」

「これから共に戦うなら当然か……」

「じゃ話は早い! 立ち会えばいいじゃね~か」

そう言うと簡単に背中の長剣を抜くギコル。

惣一郎は理喪棍を持ち、盾を2枚と鉄球を3つ浮かせる。

「おいおい、なんじゃそりゃ!」

驚くトーマを差し置いて、気が短いギコルの剣が弧を描く!

盾で受ける惣一郎。

死角から鉄球が、ギコルの腹にめり込む!

もう一枚の盾はゴザの前で視界を奪う。

光矢が撃てないゴザが素早く移動するが、盾はゴザの前を離れない。

「惣一郎殿、俺はプロットとグラビティーが使える! 行くぞ!」

手の内を晒し大楯を構え、突進してくるトーマ。

幻腕で盾を殴りつけると重く、突進を止めるも押し戻せなかった。

鉄球がトーマの脇腹に当たるが、鈍い音を立て、あまり効いていない様だ!

なるほど前衛に持ってこいだな!

すると光矢が惣一郎の前の地面に刺さり、眩しい光を放つ!

視覚を一瞬奪われた惣一郎。

「私はライトアローと、アイスジャベリンが得意です!」

一瞬の隙に、惣一郎の周りに大きな氷柱が刺さっていた!

長剣を振り抜くギコルが視界に見え、盾を飛ばすが、氷に映ったギコルであった!

「こっちだ!」

一閃が逆から飛んでくる!

それを幻腕で掴み止める!

「俺の剣は[ファイヤーソード]だ!」

だが何も起きない。

「あれ! 火がでね~!」

ダンジョン産だろう長剣にも、幻腕は有効なのを知る。

コンビネーションもいいし、皆使い勝手が良さそうなスキルであった。



「なるほど、いいチームだな!」

「ハァハァ、バケモンか! あの手に掴まれたら何も出来なかった! ハァハァ」

「くっそ~ ハァハァ、俺様のファイヤーソードが! ハァハァ」

「ハァハァ、弓を引く暇もないとは」

惣一郎がテーブルに戻りビールを開けると、風呂から出て来た湯上がりの色っぽいツナマヨが、

「私にも、御指南頂きたい!」




しおりを挟む
感想 67

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

異世界をスキルブックと共に生きていく

大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜

昼寝部
ファンタジー
 2XXX年、X月。  俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。  そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。  その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。  俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。  これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

処理中です...