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第十六章
二十二話 【優等生?】
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惣一郎はすぐにミコの靴を脱がせ、火傷の手当をする。
「すまん、油断した……」
「舐め過ぎたな」
そんな惣一郎も気付くのに遅れた事を反省していた。
火傷は大した事なさそうで本人も強くリベンジを望む為、新しく地球産の編上げブーツを渡すと前のブーツとの差に驚いていた。
「本当にあんた何者なんだ? 常識を覆す物をポンポン出して……」
「詮索しないでくれ、要らないなら別だが?」
「いや! わかった。もう聞かないと誓おう」
ミコだけでなくその場にいた全員が惣一郎のアイテムの価値を考え、心の中で詮索しないと誓う。
すると、またも惣一郎のサーチに反応が出る。
「一匹、近付いて来るぞ!」
「ミコさん! 貴女は少しお休み下さい。ここは我々スーサイド・キップスにお任せを」
反論を言い掛けたミコを、惣一郎が止める。
「クルセウスは一回休み! ゼリオス、任せるよ」
「お任せ下さい!」
ゼリオスはすぐ仲間に指示を飛ばし、惣一郎が示した方角へ杖を構える。
森の奥から現れたのは、グリーンメタリックに輝く、軽トラック程の大きなカナブンであった。
近くまで飛んで来たのか、茶色い羽が仕舞い切れてない。
のそりのそりと、警戒する素振りも見せず近付いて来る。
ただ、目の前の餌に近付く。
ゼリオスが麻袋を投げ込むと、風刃が粉を撒き散らし、竜巻の様にカナブンと殺虫剤を巻き込む。
動きを止めたカナブンは、口元から生えた触角が小刻みに動きだすと、口から泡の様な物を噴き出す。
お、カナブンには効果大か?
すると、羽を広げて羽音を響かせる!
キンブルがプロットを唱え、飛ばせない様に盾を構え突っ込む!
カナブンも真上には飛べないのか、キンブルめがけ進みだすが、頭上にクルトの青い炎槍が落ちると、青い炎がカナブンの全身に広がり、地面に脚を繋ぎ止める。
そこへキンブルの盾でのタックルが、カナブンを押し戻す!
キンブルの体は、水に覆われていた!
グリコの魔法がクルトの青い炎から守っていた。
カナブンはそのまま仰向けにひっくり返り、羽をバタつかせるが、炎が薄い羽を焼いていく。
すると上空に風が集まりだし竜巻になると、クルトとグリコの炎槍と風刃が、竜巻に混ざり合う。
青い大きな火柱が、カナブンを包む!
カナブンは地面でコマの様に青い炎に切り裂かれながらクルクル回りだす。
固い外殻に傷を付けながら回るカナブンは、もがく様に動かしていた脚をたたみ、切り焼かれた羽も動かなく見えた。
高く昇る火柱はゆっくり消え、ただ燃えるカナブンも、ゆっくりと回るのをやめる。
傷だらけの煤けた緑のカナブンは死んでいた。
「如何でしょうか? 厄災といえど、息が出来なければ倒すのも容易かと思いまして、水で包むのも考えましたが、仲間との相談の結果、火で包んでみました」
包んでみましたって料理みたいに言うが、小さな災害であった。
「相談?」
ゼリオス達は、常にコールで話しながら戦っていたらしい。
「なるほど、応用が効きそうだな!」
惣一郎は魔導士だけのチームに、考えを改めさせる。
セシルが、
「あれなら少量の水で口を塞げば、私でも倒せるかも知れませんね!」
グリコが、
「いえ、相手が止まっていれば可能かも知れませんが、動く相手の顔に水を留めて置くのは相当魔力を使います。私もキンブルを炎から守るだけで、魔力を相当使いましたので、乱戦では使えないですね。もっと経験を積まなければ」
それで火柱にしたのね…… 冷静だこと。
蜂やバッタみたいに数が多いと、魔力切れが先か……
「まぁ、今日は最後に、クルセウスの戦いを見て、戻ろうか」
「ああ、今度は油断しないぜ!」
「ガウ」
「すまん、油断した……」
「舐め過ぎたな」
そんな惣一郎も気付くのに遅れた事を反省していた。
火傷は大した事なさそうで本人も強くリベンジを望む為、新しく地球産の編上げブーツを渡すと前のブーツとの差に驚いていた。
「本当にあんた何者なんだ? 常識を覆す物をポンポン出して……」
「詮索しないでくれ、要らないなら別だが?」
「いや! わかった。もう聞かないと誓おう」
ミコだけでなくその場にいた全員が惣一郎のアイテムの価値を考え、心の中で詮索しないと誓う。
すると、またも惣一郎のサーチに反応が出る。
「一匹、近付いて来るぞ!」
「ミコさん! 貴女は少しお休み下さい。ここは我々スーサイド・キップスにお任せを」
反論を言い掛けたミコを、惣一郎が止める。
「クルセウスは一回休み! ゼリオス、任せるよ」
「お任せ下さい!」
ゼリオスはすぐ仲間に指示を飛ばし、惣一郎が示した方角へ杖を構える。
森の奥から現れたのは、グリーンメタリックに輝く、軽トラック程の大きなカナブンであった。
近くまで飛んで来たのか、茶色い羽が仕舞い切れてない。
のそりのそりと、警戒する素振りも見せず近付いて来る。
ただ、目の前の餌に近付く。
ゼリオスが麻袋を投げ込むと、風刃が粉を撒き散らし、竜巻の様にカナブンと殺虫剤を巻き込む。
動きを止めたカナブンは、口元から生えた触角が小刻みに動きだすと、口から泡の様な物を噴き出す。
お、カナブンには効果大か?
すると、羽を広げて羽音を響かせる!
キンブルがプロットを唱え、飛ばせない様に盾を構え突っ込む!
カナブンも真上には飛べないのか、キンブルめがけ進みだすが、頭上にクルトの青い炎槍が落ちると、青い炎がカナブンの全身に広がり、地面に脚を繋ぎ止める。
そこへキンブルの盾でのタックルが、カナブンを押し戻す!
キンブルの体は、水に覆われていた!
グリコの魔法がクルトの青い炎から守っていた。
カナブンはそのまま仰向けにひっくり返り、羽をバタつかせるが、炎が薄い羽を焼いていく。
すると上空に風が集まりだし竜巻になると、クルトとグリコの炎槍と風刃が、竜巻に混ざり合う。
青い大きな火柱が、カナブンを包む!
カナブンは地面でコマの様に青い炎に切り裂かれながらクルクル回りだす。
固い外殻に傷を付けながら回るカナブンは、もがく様に動かしていた脚をたたみ、切り焼かれた羽も動かなく見えた。
高く昇る火柱はゆっくり消え、ただ燃えるカナブンも、ゆっくりと回るのをやめる。
傷だらけの煤けた緑のカナブンは死んでいた。
「如何でしょうか? 厄災といえど、息が出来なければ倒すのも容易かと思いまして、水で包むのも考えましたが、仲間との相談の結果、火で包んでみました」
包んでみましたって料理みたいに言うが、小さな災害であった。
「相談?」
ゼリオス達は、常にコールで話しながら戦っていたらしい。
「なるほど、応用が効きそうだな!」
惣一郎は魔導士だけのチームに、考えを改めさせる。
セシルが、
「あれなら少量の水で口を塞げば、私でも倒せるかも知れませんね!」
グリコが、
「いえ、相手が止まっていれば可能かも知れませんが、動く相手の顔に水を留めて置くのは相当魔力を使います。私もキンブルを炎から守るだけで、魔力を相当使いましたので、乱戦では使えないですね。もっと経験を積まなければ」
それで火柱にしたのね…… 冷静だこと。
蜂やバッタみたいに数が多いと、魔力切れが先か……
「まぁ、今日は最後に、クルセウスの戦いを見て、戻ろうか」
「ああ、今度は油断しないぜ!」
「ガウ」
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