357 / 409
第十六章
二十四話 【リベンジ】
しおりを挟む
惣一郎は驚いていた。
笑いながら鉈を振り回し、巨大な厄災を切り刻むミコ。
逃げようとする厄災を連続で殴りつけ、一歩も進めさせないガオ。
「よっこいさ、どっこいさ」っと、厄災の脚を斧で叩き割るガブガ。
海のダンゴムシはカブトムシより硬くはないだろうが、それでもこの武器だから斬れるのか、3人だから斬れるのか、生き生きと楽しそうにバラバラにして行くクルセウス。
作戦もなく、殺虫剤すら忘れているのだろう、ただ楽しそうにオモチャを振り回す子供の様だった。
無数の脚を失い、頭部も殴り潰され、身体中に出来た傷から緑の体液を流すダイオウグソクムシ。
身動きも出来ず抵抗も出来ないが、巨大ゆえ、いくら表面を傷付けても決定打に欠けていた。
「ミコよ、動きは止めた! いい加減トドメをさせ!」
「ちぇ、面白くなって来たってのに、しょ~がね~な!」
すると、ミコの目が昼間の猫の様に黒目が細くなり、顔や腕が毛深く獣の様になっていく。
大きな牙を覗かせると高く跳躍をし、上空で回りながら鉈を振り回す。
ミコは回転する弾丸と化し、ダイオウグソクムシの傷だらけの背に撃ち込まれるがその後も勢いは弱まらず、削岩機の様に厄災の背中にめり込んでいく。
ピクリともしなくなった厄災の背中から、体液まみれのミコが顔を出す。
「くっせ~! 鼻が曲がるぞ!」
結局、殺虫剤なしで倒したクルセウス。
「すまん惣一郎、あまりに斬れ味がいいもんで、遊んでしまった」
「ペッ! ああ、本当に良い武器だぜこりゃ!」
らしいっちゃらしい戦いだ……
惣一郎はみんなにクリーンをかけて、舟を出す。
課題は残るが、どのチームも厄災に対抗出来る力はある。
数日この討伐を繰り返し、多種多様な厄災に対処できる様になれば、ギルドの依頼も任せられるだろうと惣一郎は思う。
その日は反省会の後、皆早めに眠りについた。
翌朝、朝食の席でミコがベンゾウに再戦を申し込んだ。
「この武器なら姉弟子に!」
「それ意味あるのか? 厄災に対抗する為に渡したんだぞ、その武器は」
「負けっぱなしじゃ気になって厄災に集中できないだろ!」
そんなもんなのかね、自信なくさないといいが……
「ベンゾウどうする?」
「ケーキ食べたい」
「いや、何食べたいかじゃなくってね」
「うん、勝ったらケーキ!」
そう言う事ね。
「ああ、ホールでやろう」
「ホールじゃなくってケーキがいい!」
「はいはい」
砂浜で全員が見守る中、ミコとベンゾウが向き合う。
ミコは最初っから獣化している。
ベンゾウの腰から解き放つ、國家と國千代。
決闘はいきなり始まった!
低い姿勢から一気に距離を詰めるミコ!
右手の鉈が捉えたはずのベンゾウの残像を斬ると、背を向け左の鉈が続く。
ミコの連撃は速度を増し、弁慶に見せたものとは別物だった。
それもそのはず、当たらないから抵抗もなく速度を上げる。
みんなも気付き始めていた。
当たっている様に見えるミコの練撃は、全てベンゾウをただ通過し、そのベンゾウは動いている様にも見えなかった。
「実体がないのか!」
驚くガブガ。
ベンゾウは遊んでいた。
迫り来る鉈の一撃一撃を躱すだけでなく、鉈の背を押す様に小刀の背で打ち付けていたのだ。
ミコも自分の意思とは関係なく、徐々に速度を上げる回転に次第についていけず、振り回してるはずが振り回されていた。
ケラケラ笑う、メガネの少女。
目が回り、意思に反し回り続ける少女。
次の瞬間!
カチン!っと音を立て、上空に舞う鉈が2本。
ミコはふらふら回りながら倒れると、目が回り立つ事が出来ない。
「役者が違うか……」
「ガルル……」
島に来てからずっと留守番していたクロが、
「アホが、勝てる訳なかろうが、この娘はもう[逾槭鬆伜沺]だぞ」
ん、なんて?
笑いながら鉈を振り回し、巨大な厄災を切り刻むミコ。
逃げようとする厄災を連続で殴りつけ、一歩も進めさせないガオ。
「よっこいさ、どっこいさ」っと、厄災の脚を斧で叩き割るガブガ。
海のダンゴムシはカブトムシより硬くはないだろうが、それでもこの武器だから斬れるのか、3人だから斬れるのか、生き生きと楽しそうにバラバラにして行くクルセウス。
作戦もなく、殺虫剤すら忘れているのだろう、ただ楽しそうにオモチャを振り回す子供の様だった。
無数の脚を失い、頭部も殴り潰され、身体中に出来た傷から緑の体液を流すダイオウグソクムシ。
身動きも出来ず抵抗も出来ないが、巨大ゆえ、いくら表面を傷付けても決定打に欠けていた。
「ミコよ、動きは止めた! いい加減トドメをさせ!」
「ちぇ、面白くなって来たってのに、しょ~がね~な!」
すると、ミコの目が昼間の猫の様に黒目が細くなり、顔や腕が毛深く獣の様になっていく。
大きな牙を覗かせると高く跳躍をし、上空で回りながら鉈を振り回す。
ミコは回転する弾丸と化し、ダイオウグソクムシの傷だらけの背に撃ち込まれるがその後も勢いは弱まらず、削岩機の様に厄災の背中にめり込んでいく。
ピクリともしなくなった厄災の背中から、体液まみれのミコが顔を出す。
「くっせ~! 鼻が曲がるぞ!」
結局、殺虫剤なしで倒したクルセウス。
「すまん惣一郎、あまりに斬れ味がいいもんで、遊んでしまった」
「ペッ! ああ、本当に良い武器だぜこりゃ!」
らしいっちゃらしい戦いだ……
惣一郎はみんなにクリーンをかけて、舟を出す。
課題は残るが、どのチームも厄災に対抗出来る力はある。
数日この討伐を繰り返し、多種多様な厄災に対処できる様になれば、ギルドの依頼も任せられるだろうと惣一郎は思う。
その日は反省会の後、皆早めに眠りについた。
翌朝、朝食の席でミコがベンゾウに再戦を申し込んだ。
「この武器なら姉弟子に!」
「それ意味あるのか? 厄災に対抗する為に渡したんだぞ、その武器は」
「負けっぱなしじゃ気になって厄災に集中できないだろ!」
そんなもんなのかね、自信なくさないといいが……
「ベンゾウどうする?」
「ケーキ食べたい」
「いや、何食べたいかじゃなくってね」
「うん、勝ったらケーキ!」
そう言う事ね。
「ああ、ホールでやろう」
「ホールじゃなくってケーキがいい!」
「はいはい」
砂浜で全員が見守る中、ミコとベンゾウが向き合う。
ミコは最初っから獣化している。
ベンゾウの腰から解き放つ、國家と國千代。
決闘はいきなり始まった!
低い姿勢から一気に距離を詰めるミコ!
右手の鉈が捉えたはずのベンゾウの残像を斬ると、背を向け左の鉈が続く。
ミコの連撃は速度を増し、弁慶に見せたものとは別物だった。
それもそのはず、当たらないから抵抗もなく速度を上げる。
みんなも気付き始めていた。
当たっている様に見えるミコの練撃は、全てベンゾウをただ通過し、そのベンゾウは動いている様にも見えなかった。
「実体がないのか!」
驚くガブガ。
ベンゾウは遊んでいた。
迫り来る鉈の一撃一撃を躱すだけでなく、鉈の背を押す様に小刀の背で打ち付けていたのだ。
ミコも自分の意思とは関係なく、徐々に速度を上げる回転に次第についていけず、振り回してるはずが振り回されていた。
ケラケラ笑う、メガネの少女。
目が回り、意思に反し回り続ける少女。
次の瞬間!
カチン!っと音を立て、上空に舞う鉈が2本。
ミコはふらふら回りながら倒れると、目が回り立つ事が出来ない。
「役者が違うか……」
「ガルル……」
島に来てからずっと留守番していたクロが、
「アホが、勝てる訳なかろうが、この娘はもう[逾槭鬆伜沺]だぞ」
ん、なんて?
24
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界をスキルブックと共に生きていく
大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜
昼寝部
ファンタジー
2XXX年、X月。
俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。
そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。
その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。
俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。
これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる