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第十六章
二十四話 【リベンジ】
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惣一郎は驚いていた。
笑いながら鉈を振り回し、巨大な厄災を切り刻むミコ。
逃げようとする厄災を連続で殴りつけ、一歩も進めさせないガオ。
「よっこいさ、どっこいさ」っと、厄災の脚を斧で叩き割るガブガ。
海のダンゴムシはカブトムシより硬くはないだろうが、それでもこの武器だから斬れるのか、3人だから斬れるのか、生き生きと楽しそうにバラバラにして行くクルセウス。
作戦もなく、殺虫剤すら忘れているのだろう、ただ楽しそうにオモチャを振り回す子供の様だった。
無数の脚を失い、頭部も殴り潰され、身体中に出来た傷から緑の体液を流すダイオウグソクムシ。
身動きも出来ず抵抗も出来ないが、巨大ゆえ、いくら表面を傷付けても決定打に欠けていた。
「ミコよ、動きは止めた! いい加減トドメをさせ!」
「ちぇ、面白くなって来たってのに、しょ~がね~な!」
すると、ミコの目が昼間の猫の様に黒目が細くなり、顔や腕が毛深く獣の様になっていく。
大きな牙を覗かせると高く跳躍をし、上空で回りながら鉈を振り回す。
ミコは回転する弾丸と化し、ダイオウグソクムシの傷だらけの背に撃ち込まれるがその後も勢いは弱まらず、削岩機の様に厄災の背中にめり込んでいく。
ピクリともしなくなった厄災の背中から、体液まみれのミコが顔を出す。
「くっせ~! 鼻が曲がるぞ!」
結局、殺虫剤なしで倒したクルセウス。
「すまん惣一郎、あまりに斬れ味がいいもんで、遊んでしまった」
「ペッ! ああ、本当に良い武器だぜこりゃ!」
らしいっちゃらしい戦いだ……
惣一郎はみんなにクリーンをかけて、舟を出す。
課題は残るが、どのチームも厄災に対抗出来る力はある。
数日この討伐を繰り返し、多種多様な厄災に対処できる様になれば、ギルドの依頼も任せられるだろうと惣一郎は思う。
その日は反省会の後、皆早めに眠りについた。
翌朝、朝食の席でミコがベンゾウに再戦を申し込んだ。
「この武器なら姉弟子に!」
「それ意味あるのか? 厄災に対抗する為に渡したんだぞ、その武器は」
「負けっぱなしじゃ気になって厄災に集中できないだろ!」
そんなもんなのかね、自信なくさないといいが……
「ベンゾウどうする?」
「ケーキ食べたい」
「いや、何食べたいかじゃなくってね」
「うん、勝ったらケーキ!」
そう言う事ね。
「ああ、ホールでやろう」
「ホールじゃなくってケーキがいい!」
「はいはい」
砂浜で全員が見守る中、ミコとベンゾウが向き合う。
ミコは最初っから獣化している。
ベンゾウの腰から解き放つ、國家と國千代。
決闘はいきなり始まった!
低い姿勢から一気に距離を詰めるミコ!
右手の鉈が捉えたはずのベンゾウの残像を斬ると、背を向け左の鉈が続く。
ミコの連撃は速度を増し、弁慶に見せたものとは別物だった。
それもそのはず、当たらないから抵抗もなく速度を上げる。
みんなも気付き始めていた。
当たっている様に見えるミコの練撃は、全てベンゾウをただ通過し、そのベンゾウは動いている様にも見えなかった。
「実体がないのか!」
驚くガブガ。
ベンゾウは遊んでいた。
迫り来る鉈の一撃一撃を躱すだけでなく、鉈の背を押す様に小刀の背で打ち付けていたのだ。
ミコも自分の意思とは関係なく、徐々に速度を上げる回転に次第についていけず、振り回してるはずが振り回されていた。
ケラケラ笑う、メガネの少女。
目が回り、意思に反し回り続ける少女。
次の瞬間!
カチン!っと音を立て、上空に舞う鉈が2本。
ミコはふらふら回りながら倒れると、目が回り立つ事が出来ない。
「役者が違うか……」
「ガルル……」
島に来てからずっと留守番していたクロが、
「アホが、勝てる訳なかろうが、この娘はもう[逾槭鬆伜沺]だぞ」
ん、なんて?
笑いながら鉈を振り回し、巨大な厄災を切り刻むミコ。
逃げようとする厄災を連続で殴りつけ、一歩も進めさせないガオ。
「よっこいさ、どっこいさ」っと、厄災の脚を斧で叩き割るガブガ。
海のダンゴムシはカブトムシより硬くはないだろうが、それでもこの武器だから斬れるのか、3人だから斬れるのか、生き生きと楽しそうにバラバラにして行くクルセウス。
作戦もなく、殺虫剤すら忘れているのだろう、ただ楽しそうにオモチャを振り回す子供の様だった。
無数の脚を失い、頭部も殴り潰され、身体中に出来た傷から緑の体液を流すダイオウグソクムシ。
身動きも出来ず抵抗も出来ないが、巨大ゆえ、いくら表面を傷付けても決定打に欠けていた。
「ミコよ、動きは止めた! いい加減トドメをさせ!」
「ちぇ、面白くなって来たってのに、しょ~がね~な!」
すると、ミコの目が昼間の猫の様に黒目が細くなり、顔や腕が毛深く獣の様になっていく。
大きな牙を覗かせると高く跳躍をし、上空で回りながら鉈を振り回す。
ミコは回転する弾丸と化し、ダイオウグソクムシの傷だらけの背に撃ち込まれるがその後も勢いは弱まらず、削岩機の様に厄災の背中にめり込んでいく。
ピクリともしなくなった厄災の背中から、体液まみれのミコが顔を出す。
「くっせ~! 鼻が曲がるぞ!」
結局、殺虫剤なしで倒したクルセウス。
「すまん惣一郎、あまりに斬れ味がいいもんで、遊んでしまった」
「ペッ! ああ、本当に良い武器だぜこりゃ!」
らしいっちゃらしい戦いだ……
惣一郎はみんなにクリーンをかけて、舟を出す。
課題は残るが、どのチームも厄災に対抗出来る力はある。
数日この討伐を繰り返し、多種多様な厄災に対処できる様になれば、ギルドの依頼も任せられるだろうと惣一郎は思う。
その日は反省会の後、皆早めに眠りについた。
翌朝、朝食の席でミコがベンゾウに再戦を申し込んだ。
「この武器なら姉弟子に!」
「それ意味あるのか? 厄災に対抗する為に渡したんだぞ、その武器は」
「負けっぱなしじゃ気になって厄災に集中できないだろ!」
そんなもんなのかね、自信なくさないといいが……
「ベンゾウどうする?」
「ケーキ食べたい」
「いや、何食べたいかじゃなくってね」
「うん、勝ったらケーキ!」
そう言う事ね。
「ああ、ホールでやろう」
「ホールじゃなくってケーキがいい!」
「はいはい」
砂浜で全員が見守る中、ミコとベンゾウが向き合う。
ミコは最初っから獣化している。
ベンゾウの腰から解き放つ、國家と國千代。
決闘はいきなり始まった!
低い姿勢から一気に距離を詰めるミコ!
右手の鉈が捉えたはずのベンゾウの残像を斬ると、背を向け左の鉈が続く。
ミコの連撃は速度を増し、弁慶に見せたものとは別物だった。
それもそのはず、当たらないから抵抗もなく速度を上げる。
みんなも気付き始めていた。
当たっている様に見えるミコの練撃は、全てベンゾウをただ通過し、そのベンゾウは動いている様にも見えなかった。
「実体がないのか!」
驚くガブガ。
ベンゾウは遊んでいた。
迫り来る鉈の一撃一撃を躱すだけでなく、鉈の背を押す様に小刀の背で打ち付けていたのだ。
ミコも自分の意思とは関係なく、徐々に速度を上げる回転に次第についていけず、振り回してるはずが振り回されていた。
ケラケラ笑う、メガネの少女。
目が回り、意思に反し回り続ける少女。
次の瞬間!
カチン!っと音を立て、上空に舞う鉈が2本。
ミコはふらふら回りながら倒れると、目が回り立つ事が出来ない。
「役者が違うか……」
「ガルル……」
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◇
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一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
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