異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

夜間救急事務受付

文字の大きさ
358 / 409
第十六章

二十五話 【舞い込む依頼】

しおりを挟む
「クロ、今なんて言った?」

「フン[逾槭鬆伜沺]と言ったのだ。そんな事より、我の飯はまだか?」

何語だそりゃ? 犬語?

「つか留守番だろどうせ。出かける時にやろうと思ってたよ」

ミコは目を回しまだ立てないし、ベンゾウはケーキをねだるし……って、今食うのかよ! 

朝飯食ったのに……

今日は島行くの午後からかな~

惣一郎はみんなに、島に行くのは午後になると伝え、一時解散とする。

惣一郎はテントの中に戻り、テーブルにケーキをホールで出し、クロの皿に山盛りの肉を置く。

ベンゾウが喜び、ケーキを独り占めする。

惣一郎は肉を喰らうクロに、

「なぁ、ベンゾウがその[なんたら]って、なんなんだ? なんでクロがそれを知ってるんだ?」

「モグモグ、我も詳しくは知らん! モグモグ、前に眠りの中で我を[傍観者]と呼ぶ者がそんな話をしてたのだ」

またそれか……

じゃ、勇者とかそんな意味かな?

「モグモグ、あの娘は貴様同様、この世界の理から足を踏み出す者。モグモグ、大きな使命を持っておる。だが世界も一方向に進むものでもない。モグモグ、貴様が来た事ですでに、この世界は常に変わりつつあるのだ」

「お前…… 大事な話を肉食いながら…… どこまで知ってるんだ、使命ってなんだ、クロ!」

「モグモグ、我は何も知らん、我は傍観者だ! ただ行く末を見守るのみ」

「夢に現れる奴は、何者なんだ、神か?」

「モグモグ[世界]じゃ」

まさかクロにまで…… ん?

結局、何も分からずじゃね?

いや、何も決まってないって事なのか?

「ベンゾウ、あれから夢におっさんは出て来てないのか?」

「ご主人様なら」モグモグ。

あっそ……


そこへセシルが、慌ててテントに入ってくる。

「惣一郎様、サーズリから連絡が[フロスト諸島]と[グビノ国]に厄災が出たそうで、ギルドに依頼が入ったそうです!」

同時にか!

「セシル、厄災について詳しく聞いてくれ」

惣一郎はテントを出て、またみんなを集める事になる。




「……っと言う訳で俺達は、依頼で数日ココを離れる」

「惣一郎殿、同時に2カ所と言うなら、我々も動くぞ」

「ええ、我々もその腹積りです」

「アタイも行くぜ、旦那」

ん~ 確かに俺らだけで行けば、片方は被害が広がるか……

「セシル、詳細はわかった?」

「はい、フロスト諸島には巨大な鋏を頭に持つ黒い厄災が一匹、街に現れ人々を襲い、今はグラマラの煙で、街に閉じ込めてる状態だそうですが、長くは持たないそうです。グビノ国に現れた厄災は、数が多くザザンドに現れた鎌を持つ厄災に似たもので、体長は人の子供位、若草色で200を越える数だそうです。グビノ国はザザンドの隣の国、国境近くとの事で、関係性があるものと思われます。現在すでにいくつかの村が襲われ[キキトの町]に進行中との事です」

ザザンドのカマキリが卵を産んでたか……

「よし! 二手に分かれて対処しよう。ゴリラング・ログとクルセウスは、フロスト諸島へ。グビノ国には、俺らとスーサイド・キップスで向う」

「了解した」

「おお! 任せとけ」

「惣一郎殿! 我々は今後、厄災討伐専門のチームとなる訳ですよね? ゴリラング・ログもクルセウスも、我々も同じチーム同様! どうせならチーム名も変えませんか?」

「え、チーム名? こだわりはないの?」

「ギルドが認識する上で、付けた名前です。これからは新たなチームとして、惣一郎殿、貴方に付けて頂きたい」

「ほぉ、良かろう。我々も異論ないぞ!」

「アタイもなんでもいいぞ!」

「俺に? 名前を? マジで?」

「ええ、是非お願いします。今回の件が済んだらで結構ですので、先ずは、無事依頼をこなし、名を頂けるに相応しいチームかその目で」

堅いな……




しおりを挟む
感想 67

あなたにおすすめの小説

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

S級冒険者の子どもが進む道

干支猫
ファンタジー
【12/26完結】 とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。 父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。 そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。 その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。 魔王とはいったい? ※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。

秋田ノ介
ファンタジー
  88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。  異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。  その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。  飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。  完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。  

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...