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第十八章

五話 【弱肉強食】

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惣一郎の瞬間移動で島に着く20人。

その大半が、砂浜で立ちすくむ。

「何が起こったんだ……」

瞬間移動をその身で体感し、驚くイグラシオ。

「まぁ、気にするな」

「気にするなと言われても……」

島に来てから驚きっぱなしのワイドンテ騎士団。

惣一郎は殺虫剤の事を説明する為に、サーチで厄災を探すが、先に島に来てるミコ達が倒したのか、近くには見当たらなかった。

「もう少し、飛ぶか?」

惣一郎はまた理喪棍を差し出して、みんなが繋がると、厄災の反応があった森の中まで飛ぶ。

目の前に現れたのは厄災の死骸に群がる、大きなハエであった。

グリーンメタリックに輝く体に、大きな目の銀蝿!

「デカ!」

本来のサイズを知っている惣一郎だけが驚く、一匹が約1mのハエ。

ハエまでいるのか……

目の前の7匹のハエは、厄災の死骸に吸い付く様に抱き付いていた。

惣一郎は殺虫スプレーを取り出すと、目の前のハエが消える!

「ご主人様、上!」

見上げると、光の反射で一瞬、木に抱きつく透明な生き物が見えた!

厄災にばかり、気を取られ過ぎたな……

カメレオンの様な巨大な魔獣。

10mはありそうな巨体で、大木に抱きついていた。

広範囲に広げたサーチでは数しかわからなかったが、改めて意識すると大きさや形まで分かる。

「ベンゾウ、分かるか?」

「分かるけどコレ、ほっといた方が良くない?」

確かに……

あの体で1mのハエを、次々と長い舌で絡め取っていく。

厄災が減るなら問題ないか……

「よし、ほっとこう!」




瞬間移動でその場を離れた惣一郎達。

厄災を食う魔獣もいる事を知る。

「惣一郎殿……」

「すまん、すまん! 中々丁度いい敵に遭わないな! 次はちゃんと調べてから飛ぶわ」

またサーチを使うと、近くに反応がある。

詳しく範囲を絞ると、ムカデであった。

「おっ! 今度は丁度いいぞ。ムカデなら大丈夫だろう」

惣一郎はイグラシオに殺虫剤を渡し、敵を弱らせる毒である事を説明する。

「なるほど、わかった。我々でやって見よう」

イグラシオの指揮で編隊を組み、ムカデに近付いていくワイドンテ。

イグラシオが、まだ気付かないムカデの頭上に麻袋を投げると、メンバーの矢が引き裂き、ムカデに降りかかる。

ギシャー!っと、鳴き声を上げる紫のムカデは、20mはありそうな長い巨体をウネウネと丸め、泡を吹くが、こちらに気付くと口元のキバを広げ、泡立ったヨダレを垂らしながら、上体を起こす!

「ブルーチーム、構え!」

イグラシオの声に6人の騎士達が盾を構えて前に出る。

盾も惣一郎のアイテムであった。

盾を構える騎士は、ムカデに対し斜めに並び、構える。

そこにムカデの突進がぶつかるが、進路を逸らされ、左に流されていく。

「おお~! 衝撃が軽い! 視界も良いし、手持ちの盾とはえらい違いだぞ!」

「気を逸らすな! イエローチーム!」

イグラシオの次の指示で、サリーワイズ達が後方から杖を構え、魔法攻撃を開始する。

青い火柱や氷塊がムカデを襲う中、ピノの光剣も深く、ムカデに突き刺さる!

「なっ! なんて威力なの!」

「行くぞレッドチーム!」

イグラシオ達が倒れたムカデに襲い掛かる!

槍や剣、斧などがムカデを簡単に切り裂く!

「なるほど、別物だな……」

見事なチームワークであっさり圧勝するワイドンテ。

問題無さそうだな。

槍を眺め言葉を失うイグラシオに、惣一郎が、

「大丈夫そうだな! 薬が効かない厄災もいるが、なるべく使う様にしてくれ。コール用の魔導具を渡しておくので、キャンプに戻る時は呼んでくれれば、迎へに来るよ!」

「わかった……」

みんな武器や防具に、黙って見惚れていた。

「それじゃベンゾウ、弁慶! 俺らも行くか!」

「「 うん! ああ! 」」

悔しいが認めるしかない威力に、ピノも呪羅流民を握りしめ、消える惣一郎達を見送った。





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