14 / 47
第14話 タケルのメモ
しおりを挟む
「珍しいね」
不意に声をかけられ、俺は足を止めた。
帰宅して、さっさと自分の部屋に向かおうとリビングを通り抜けようとしていたところだった。
「珍しいって、なにが?」
声をかけてきた妻、まひろを振り返る。
冷静を装っているけれど、久しぶりに聞くまひろの声に胸が少しざわついている。
俺達は、毎日朝晩は必ず顔を合わせている。
それなのに、俺はまひろと一言も言葉を交わしていなかった。
視線の先のまひろは、真顔で俺が持っている紙袋を指さしている。
「それ、子ども服だよね? 紙袋のロゴ、子ども服の有名店のブランドのだもん」
しまった、紙袋のロゴ!
「え……と……こ、これは、その……」
俺は紙袋をそれとなく隠した。
どうしよう、まひろに子ども服を買ったことを指摘されるなんて。
そんな状況、予想してなかったから言い訳なんか考えてなかった……えっと……なんて説明すればいいんだ?
「もしかして、マユちゃんへのプレゼント? 随分と気が早いのね……十二月に入ってからでも良かったんじゃない?」
クリスマスプレゼント!
それがあった!
まひろ、ナイスだ!
「いや、そう言うけど、もう週末には十二月になるだろ? こういうのってさ、気がついた時に買わないと忘れるから」
「ふぅん……それ、仕事帰りに買ったんでしょ? 近くの駅ビルに、そのお店入ってるもんね。ねぇ、どんな服買ったの? 見せて」
「そう……駅ビルの……いや! 楽しみは後に取っておかないと!」
俺は、慌てて紙袋を抱きかかえた。
だめだ、中身を見られたらまずい。
まひろの姉の娘、マユちゃんは確か小学三年生くらいだったはずだ。
もし紙袋の中のコートを見られたら、サイズからしてマユちゃんの為に買ったのではないと、すぐにまひろにバレてしまう。
「あっ、そう……で、コウタ君には何か選んだの? マユちゃんにプレゼントを買ってあげたんだったら、コウタ君にもなにか買ってあげないと、コウタ君拗ねちゃうよ」
「コウタ! わ、忘れてないさ! 忘れるわけないだろ! ただ、なにをプレゼントすれば喜ぶのか思いつかなかっただけで……あれ……ところで、コウタって今何歳だったっけ?」
うっ、まひろの姉一家とは、毎年正月に顔を合わせているのに、子どもたち二人の年齢がはっきりと思い出せない。
「コウタ君は十一歳よ。小学五年生。そのくらいの歳の男の子だと、やっぱりゲームソフトがいいのかなあ? 今度、お姉ちゃんに聞いておくね」
「あ、あぁ、頼むよ。俺、部屋で着替えてくる」
これ以上、紙袋の中身を詮索されたくない。
俺は足早に自分の部屋に向かった。
ああ、変な汗をかいてしまった。
でも、まひろには言えない。
お前によく似た女の子が、突然うちの店先に現れたんだよ、なんてさ。
※ ※ ※
俺は部屋の明かりをつけ、閉めたドアに背を預けた。
「なんなんだ、ほんとに……こんなものまで買って……俺は、いったいなにをしてるんだ」
『パパと一緒じゃなきゃ、嫌だ!』
ミツキちゃんの叫び声と、ハンバーガーを美味しそうに食べていた時の顔を思い出す。
にこにこして……かわいかったな……
それにしても、なんでミツキちゃんはあの不審者と一緒に行っちまったんだろう? まさか、ミツキちゃんはあの不審者の娘なのか?
「なんか嫌だな、それ……だって、あんなにまひろに似てるんだから、ミツキちゃんは絶対まひろの血縁者だろ……」
苗字も、まひろの旧姓と同じサイトウだし。
そうだ、お義母さんに聞いてみればわかるかもしれない。
まひろはお義母さん似だから、きっとお義母さんの姉妹の子なんだよ。
「……お義母さんに電話してみるか……いや、もう今日はそんな気力ないから、また今度だな」
俺は紙袋をベッドに置いて、羽織っていたコートを脱いだ。
チリン、とどこかで鈴の音が聞こえたような気がした。
「そうだ、さっき拾ったんだっけ」
コートのポケットを探ると、小さな鈴らしきものが手に触れた。
ミツキちゃんの細い手首に巻かれた、黒い皮ベルト。それについていた、小さな黒い鈴だ。
「ミツキちゃんの鈴……返してやらなきゃな……しかし、ほんとに明日もくるのか?」
あの不審者は、ヘラヘラ笑って『また明日くるよ』なんて言ってたけど!
でも俺は、不審者の言葉を疑いつつもミツキちゃんの為に薄いピンク色のコートを買っていた。
襟元にキラキラしたシルバーの飾りがついている、ちょっとおしゃれな感じのものだ。
どれを選んだら良いかわからなかった俺は、店員さんが勧めてきた今年の新作というやつを買っていた。
「気に入ってくれるかな……まあいいや、寒くなけりゃ、なんだって」
それに、もし明日ミツキちゃんが現れなかったら、お店に返品すればいい。レシートは、そうなった時の為にちゃんと保管してある。
しかし、まひろとの話の流れで、マユちゃんとコウタにクリスマスのプレゼントを買うハメになった。
予定外の出費が続くな……まあ、たまにはいいか。
「それより、今日あったことをちょっと整理しよう。えっと、ノートとメモ……あった」
俺はベッドに腰掛けて、今日の出来事を思い返した。
「いつもと違っていたのは……そう、始めは茶トラの仔猫が店先にいた、だな。んー、でも、まあ、それはあまり気にしなくていいか」
俺はメモに記した茶トラの文字の上に線を引いた。
『そうそう、昼間は茶トラの猫を可愛がってやってね。じゃ、また明日』
まさかあの猫、不審者の飼い猫か?
思わず、不審者、とメモに書いてしまう。
ああ、イラッとする。
俺は不審者、の文字を黒く塗りつぶした。
いったい、なんなんだあいつは?
ミツキちゃんは、あいつのこと神様なんて言ってたけど。
神様なんて、いやしないんだよ、ミツキちゃん。
どんなに良い行いして、どんなに祈っても……叶わない願いの方が多いんだから。
「ミツキちゃん、六歳……」
ノートに文字を書く手が止まった。
まひろに、あまりによく似た女の子。
そして、手が……サトルにそっくりだった。
『わたし、顔はママそっくりで、手はパパに似てるんだって』
だとしたら、ミツキちゃんはサトルの……
いや、違う。
ミツキちゃんは、サトルの子どもじゃない。
だって、サトルと結婚したみさきにちっとも似ていないし、二人いる子どもたちは歳だってミツキちゃんより上だったはずだ。
俺はスマートフォンを操作して、メッセージアプリを起動させた。
俺と同い年の美容師仲間、川上サトル。
昔は同じ店で働いていた。
まひろとみさきもだ。
サトルのアイコンに触れると、幼い二人の子どもたちが、楽しそうに笑っている写真が現れた。
サトルとみさきを足して二で割ったような、よく似た顔の姉妹だ。いや、妹の方がよりサトルに似てるかな。
「確か十年前からこの写真のまんまだよな……大きくなっただろうな」
不意に、懐かしさが蘇る。
『お前がふったから、俺がみさきをもらってやるよ。ほんとは俺だって、まひろの方がよかったんだけどな』
約十二年前、サトルはふざけた調子で笑っていたっけ。
俺はメッセージアプリを閉じた。
「今はわからんことだらけだ。それだけが現実!」
ノートとペンを放り出し、寝転んで天井をぼんやりて眺める。
とりあえず、ミツキちゃんを親御さんの元に届けなきゃ。今は、それだけを考えよう。
「さて、飯でも食うか」
リビングに広がっていた、スパイシーな香り。
今夜の晩飯は、タンドリーチキンに違いない。
鶏肉好きな俺が、一番好きなオカズだ。
不意に声をかけられ、俺は足を止めた。
帰宅して、さっさと自分の部屋に向かおうとリビングを通り抜けようとしていたところだった。
「珍しいって、なにが?」
声をかけてきた妻、まひろを振り返る。
冷静を装っているけれど、久しぶりに聞くまひろの声に胸が少しざわついている。
俺達は、毎日朝晩は必ず顔を合わせている。
それなのに、俺はまひろと一言も言葉を交わしていなかった。
視線の先のまひろは、真顔で俺が持っている紙袋を指さしている。
「それ、子ども服だよね? 紙袋のロゴ、子ども服の有名店のブランドのだもん」
しまった、紙袋のロゴ!
「え……と……こ、これは、その……」
俺は紙袋をそれとなく隠した。
どうしよう、まひろに子ども服を買ったことを指摘されるなんて。
そんな状況、予想してなかったから言い訳なんか考えてなかった……えっと……なんて説明すればいいんだ?
「もしかして、マユちゃんへのプレゼント? 随分と気が早いのね……十二月に入ってからでも良かったんじゃない?」
クリスマスプレゼント!
それがあった!
まひろ、ナイスだ!
「いや、そう言うけど、もう週末には十二月になるだろ? こういうのってさ、気がついた時に買わないと忘れるから」
「ふぅん……それ、仕事帰りに買ったんでしょ? 近くの駅ビルに、そのお店入ってるもんね。ねぇ、どんな服買ったの? 見せて」
「そう……駅ビルの……いや! 楽しみは後に取っておかないと!」
俺は、慌てて紙袋を抱きかかえた。
だめだ、中身を見られたらまずい。
まひろの姉の娘、マユちゃんは確か小学三年生くらいだったはずだ。
もし紙袋の中のコートを見られたら、サイズからしてマユちゃんの為に買ったのではないと、すぐにまひろにバレてしまう。
「あっ、そう……で、コウタ君には何か選んだの? マユちゃんにプレゼントを買ってあげたんだったら、コウタ君にもなにか買ってあげないと、コウタ君拗ねちゃうよ」
「コウタ! わ、忘れてないさ! 忘れるわけないだろ! ただ、なにをプレゼントすれば喜ぶのか思いつかなかっただけで……あれ……ところで、コウタって今何歳だったっけ?」
うっ、まひろの姉一家とは、毎年正月に顔を合わせているのに、子どもたち二人の年齢がはっきりと思い出せない。
「コウタ君は十一歳よ。小学五年生。そのくらいの歳の男の子だと、やっぱりゲームソフトがいいのかなあ? 今度、お姉ちゃんに聞いておくね」
「あ、あぁ、頼むよ。俺、部屋で着替えてくる」
これ以上、紙袋の中身を詮索されたくない。
俺は足早に自分の部屋に向かった。
ああ、変な汗をかいてしまった。
でも、まひろには言えない。
お前によく似た女の子が、突然うちの店先に現れたんだよ、なんてさ。
※ ※ ※
俺は部屋の明かりをつけ、閉めたドアに背を預けた。
「なんなんだ、ほんとに……こんなものまで買って……俺は、いったいなにをしてるんだ」
『パパと一緒じゃなきゃ、嫌だ!』
ミツキちゃんの叫び声と、ハンバーガーを美味しそうに食べていた時の顔を思い出す。
にこにこして……かわいかったな……
それにしても、なんでミツキちゃんはあの不審者と一緒に行っちまったんだろう? まさか、ミツキちゃんはあの不審者の娘なのか?
「なんか嫌だな、それ……だって、あんなにまひろに似てるんだから、ミツキちゃんは絶対まひろの血縁者だろ……」
苗字も、まひろの旧姓と同じサイトウだし。
そうだ、お義母さんに聞いてみればわかるかもしれない。
まひろはお義母さん似だから、きっとお義母さんの姉妹の子なんだよ。
「……お義母さんに電話してみるか……いや、もう今日はそんな気力ないから、また今度だな」
俺は紙袋をベッドに置いて、羽織っていたコートを脱いだ。
チリン、とどこかで鈴の音が聞こえたような気がした。
「そうだ、さっき拾ったんだっけ」
コートのポケットを探ると、小さな鈴らしきものが手に触れた。
ミツキちゃんの細い手首に巻かれた、黒い皮ベルト。それについていた、小さな黒い鈴だ。
「ミツキちゃんの鈴……返してやらなきゃな……しかし、ほんとに明日もくるのか?」
あの不審者は、ヘラヘラ笑って『また明日くるよ』なんて言ってたけど!
でも俺は、不審者の言葉を疑いつつもミツキちゃんの為に薄いピンク色のコートを買っていた。
襟元にキラキラしたシルバーの飾りがついている、ちょっとおしゃれな感じのものだ。
どれを選んだら良いかわからなかった俺は、店員さんが勧めてきた今年の新作というやつを買っていた。
「気に入ってくれるかな……まあいいや、寒くなけりゃ、なんだって」
それに、もし明日ミツキちゃんが現れなかったら、お店に返品すればいい。レシートは、そうなった時の為にちゃんと保管してある。
しかし、まひろとの話の流れで、マユちゃんとコウタにクリスマスのプレゼントを買うハメになった。
予定外の出費が続くな……まあ、たまにはいいか。
「それより、今日あったことをちょっと整理しよう。えっと、ノートとメモ……あった」
俺はベッドに腰掛けて、今日の出来事を思い返した。
「いつもと違っていたのは……そう、始めは茶トラの仔猫が店先にいた、だな。んー、でも、まあ、それはあまり気にしなくていいか」
俺はメモに記した茶トラの文字の上に線を引いた。
『そうそう、昼間は茶トラの猫を可愛がってやってね。じゃ、また明日』
まさかあの猫、不審者の飼い猫か?
思わず、不審者、とメモに書いてしまう。
ああ、イラッとする。
俺は不審者、の文字を黒く塗りつぶした。
いったい、なんなんだあいつは?
ミツキちゃんは、あいつのこと神様なんて言ってたけど。
神様なんて、いやしないんだよ、ミツキちゃん。
どんなに良い行いして、どんなに祈っても……叶わない願いの方が多いんだから。
「ミツキちゃん、六歳……」
ノートに文字を書く手が止まった。
まひろに、あまりによく似た女の子。
そして、手が……サトルにそっくりだった。
『わたし、顔はママそっくりで、手はパパに似てるんだって』
だとしたら、ミツキちゃんはサトルの……
いや、違う。
ミツキちゃんは、サトルの子どもじゃない。
だって、サトルと結婚したみさきにちっとも似ていないし、二人いる子どもたちは歳だってミツキちゃんより上だったはずだ。
俺はスマートフォンを操作して、メッセージアプリを起動させた。
俺と同い年の美容師仲間、川上サトル。
昔は同じ店で働いていた。
まひろとみさきもだ。
サトルのアイコンに触れると、幼い二人の子どもたちが、楽しそうに笑っている写真が現れた。
サトルとみさきを足して二で割ったような、よく似た顔の姉妹だ。いや、妹の方がよりサトルに似てるかな。
「確か十年前からこの写真のまんまだよな……大きくなっただろうな」
不意に、懐かしさが蘇る。
『お前がふったから、俺がみさきをもらってやるよ。ほんとは俺だって、まひろの方がよかったんだけどな』
約十二年前、サトルはふざけた調子で笑っていたっけ。
俺はメッセージアプリを閉じた。
「今はわからんことだらけだ。それだけが現実!」
ノートとペンを放り出し、寝転んで天井をぼんやりて眺める。
とりあえず、ミツキちゃんを親御さんの元に届けなきゃ。今は、それだけを考えよう。
「さて、飯でも食うか」
リビングに広がっていた、スパイシーな香り。
今夜の晩飯は、タンドリーチキンに違いない。
鶏肉好きな俺が、一番好きなオカズだ。
0
あなたにおすすめの小説
没落寸前でしたが、先祖の遺産が見つかったおかげで持ち直すことができました。私を見捨てた皆さん、今更手のひらを返しても遅いのです。
木山楽斗
恋愛
両親が亡くなってすぐに兄が失踪した。
不幸が重なると思っていた私に、さらにさらなる不幸が降りかかってきた。兄が失踪したのは子爵家の財産のほとんどを手放さなければならい程の借金を抱えていたからだったのだ。
当然のことながら、使用人達は解雇しなければならなくなった。
多くの使用人が、私のことを罵倒してきた。子爵家の勝手のせいで、職を失うことになったからである。
しかし、中には私のことを心配してくれる者もいた。
その中の一人、フェリオスは私の元から決して離れようとしなかった。彼は、私のためにその人生を捧げる覚悟を決めていたのだ。
私は、そんな彼とともにとあるものを見つけた。
それは、先祖が密かに残していた遺産である。
驚くべきことに、それは子爵家の財産をも上回る程のものだった。おかげで、子爵家は存続することができたのである。
そんな中、私の元に帰ってくる者達がいた。
それは、かつて私を罵倒してきた使用人達である。
彼らは、私に媚を売ってきた。もう一度雇って欲しいとそう言ってきたのである。
しかし、流石に私もそんな彼らのことは受け入れられない。
「今更、掌を返しても遅い」
それが、私の素直な気持ちだった。
※2021/12/25 改題しました。(旧題:没落貴族一歩手前でしたが、先祖の遺産が見つかったおかげで持ち直すことができました。私を見捨てた皆さん、今更掌を返してももう遅いのです。)
【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する
ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。
夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。
社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。
ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。
「私たち、離婚しましょう」
アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。
どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。
彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。
アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。
こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。
処刑台の皇妃、回帰して復讐を誓う ~冷酷公爵と偽りの婚約者~ おまえたちは許さない!
秦江湖
ファンタジー
皇妃エリアーナは、夫である皇帝アランと、たった一人の親友イザベラの策略により、無実の罪で処刑される。
民衆に罵られ、アランの冷酷な目とイザベラの嘲笑を「始まりの景色」として目に焼き付けながら絶命した彼女は、しかし、処刑の記憶を持ったまま三年前の過去に回帰する。
「おまえたちは許さない」
二度目の人生。
エリアーナの目的はただ一つ、自分を陥れた二人への完璧な復讐。
彼女はまず、アラン(皇太子)からの婚約内示を拒絶。そして、アラン最大の政敵である「北の冷血公爵」ルシアン・ヴァレリウスに接触する。
1周目で得た「未来の知識」を対価に、エリアーナはルシアンに持ちかける。
「貴方様には帝国の覇権を。わたくしには復讐の舞台を。そのための『契約婚約』を――」
憎悪を糧に生きる皇妃と、氷の瞳を持つ公爵。
二人の偽りの婚約の行く末は……
妹のために愛の無い結婚をすることになりました
バンブー竹田
恋愛
「エミリー、君との婚約は破棄することに決まった」
愛するラルフからの唐突な通告に私は言葉を失ってしまった。
婚約が破棄されたことはもちろんショックだけど、それだけじゃない。
私とラルフの結婚は妹のシエルの命がかかったものでもあったから・・・。
落ちこむ私のもとに『アレン』という大金持ちの平民からの縁談が舞い込んできた。
思い悩んだ末、私は会ったこともない殿方と結婚することに決めた。
婚約者が他の令嬢に微笑む時、私は惚れ薬を使った
葵 すみれ
恋愛
ポリーヌはある日、婚約者が見知らぬ令嬢と二人きりでいるところを見てしまう。
しかも、彼は見たことがないような微笑みを令嬢に向けていた。
いつも自分には冷たい彼の柔らかい態度に、ポリーヌは愕然とする。
そして、親が決めた婚約ではあったが、いつの間にか彼に恋心を抱いていたことに気づく。
落ち込むポリーヌに、妹がこれを使えと惚れ薬を渡してきた。
迷ったあげく、婚約者に惚れ薬を使うと、彼の態度は一転して溺愛してくるように。
偽りの愛とは知りながらも、ポリーヌは幸福に酔う。
しかし幸せの狭間で、惚れ薬で彼の心を縛っているのだと罪悪感を抱くポリーヌ。
悩んだ末に、惚れ薬の効果を打ち消す薬をもらうことを決意するが……。
※小説家になろうにも掲載しています
一途に愛した1周目は殺されて終わったので、2周目は王子様を嫌いたいのに、なぜか婚約者がヤンデレ化して離してくれません!
夢咲 アメ
恋愛
「君の愛が煩わしいんだ」
婚約者である王太子の冷たい言葉に、私の心は砕け散った。
それから間もなく、私は謎の襲撃者に命を奪われ死んだ――はずだった。
死の間際に見えたのは、絶望に顔を歪ませ、私の名を叫びながら駆け寄る彼の姿。
……けれど、次に目を覚ました時、私は18歳の自分に戻っていた。
「今世こそ、彼を愛するのを辞めよう」
そう決意して距離を置く私。しかし、1周目であれほど冷酷だった彼は、なぜか焦ったように私を追いかけ、甘い言葉で縛り付けようとしてきて……?
「どこへ行くつもり? 君が愛してくれるまで、僕は君を離さないよ」
不器用すぎて愛を間違えたヤンデレ王子×今世こそ静かに暮らしたい令嬢。
死から始まる、執着愛の二周目が幕を開ける!
【完結】これはきっと運命の赤い糸
夏目若葉
恋愛
大手商社㈱オッティモで受付の仕事をしている浅木美桜(あさぎ みお)。
医師の三雲や、経産省のエリート官僚である仁科から付き合ってもいないのに何故かプロポーズを受け、引いてしまう。
自社の創立30周年記念パーティーで、同じビルの大企業・㈱志田ケミカルプロダクツの青砥桔平(あおと きっぺい)と出会う。
一目惚れに近い形で、自然と互いに惹かれ合うふたりだったが、川井という探偵から「あの男は辞めておけ」と忠告が入る。
桔平は志田ケミカルの会長の孫で、御曹司だった。
志田ケミカルの会社の内情を調べていた川井から、青砥家のお家事情を聞いてしまう。
会長の娘婿である桔平の父・一馬は、地盤固めのために銀行頭取の娘との見合い話を桔平に勧めているらしいと聞いて、美桜はショックを受ける。
その上、自分の母が青砥家と因縁があると知り……
━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
大手商社・㈱オッティモの受付で働く
浅木 美桜(あさぎ みお) 24歳
×
大手化粧品メーカー・㈱志田ケミカルプロダクツの若き常務
青砥 桔平(あおと きっぺい) 30歳
×
オフィスビル内を探っている探偵
川井 智親(かわい ともちか) 32歳
偽りの愛の終焉〜サレ妻アイナの冷徹な断罪〜
紅葉山参
恋愛
貧しいけれど、愛と笑顔に満ちた生活。それが、私(アイナ)が夫と築き上げた全てだと思っていた。築40年のボロアパートの一室。安いスーパーの食材。それでも、あの人の「愛してる」の言葉一つで、アイナは満たされていた。
しかし、些細な変化が、穏やかな日々にヒビを入れる。
私の配偶者の帰宅時間が遅くなった。仕事のメールだと誤魔化す、頻繁に確認されるスマートフォン。その違和感の正体が、アイナのすぐそばにいた。
近所に住むシンママのユリエ。彼女の愛らしい笑顔の裏に、私の全てを奪う魔女の顔が隠されていた。夫とユリエの、不貞の証拠を握ったアイナの心は、凍てつく怒りに支配される。
泣き崩れるだけの弱々しい妻は、もういない。
私は、彼と彼女が築いた「偽りの愛」を、社会的な地獄へと突き落とす、冷徹な復讐を誓う。一歩ずつ、緻密に、二人からすべてを奪い尽くす、断罪の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる