騎士と孤児院

マヤ

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出逢いとは?

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アリーシャは疲れていた。
コルクス国でも珍しい女騎士となり、男達に混じり訓練・訓練・訓練続きで夜勤明けだ。
只でさえ混じっているだけで周りから嫌がらせが多い。
そしてひさびさに家に帰る途中で酔っ払いに絡まれた。

「ねぇちゃん。えらく可愛ええ顔してるなぁ。」

「ちょーっと、お兄さん達にお酌してくれないか?」

「なんなら一緒に朝までいよーよ。」

もう一度言おう。アリーシャは疲れていた。だからこれは正当防衛だ。気付いたら、地面に伸びている男達。少し手が痛いのも、住民が警邏を呼んでこちらに向かってくるのもしょうがないことなのだろう。

どの辺からみてやがった

騎士が一般人に私的に手を出すのは禁止だ。だがこうなってしまったらアリーシャは騎士を辞めるしかないだろう。


「ありがとうございます!騎士様。私とても怖かったのです。騎士様に助けていただかなければ、私はその男達に連れ去られる所でした。本当にありがとうございます!」
飛び出してきた幼女がアリーシャに抱きつかなければ。


「えーと、お嬢さん。この男達に連れ去られるとは?」
警邏の人が幼女に目線を合わせて聞いてきた。

「この人達。可愛いから朝までいよーよ。とかしゃく?をしてとか言って腕を掴んで引っ張って行こうとして。体も持ち上げられたときにこちらの騎士様に助けていただいたのです。私家に帰る途中でしたのに。」

幼女の涙は最強だったと言うことをここに伝えておく。

「これは怖かったよね。もう大丈夫だよ。申し訳ありません。騎士様この子をお家までお送り願えないでしょうか?私どもはこの不逞どもを署まで連れて行きますので。」
汚物を見る目で倒れている酔っ払いを見た警邏は私達に笑顔を向けた。


「わかった。行こうか。家はどこだ。」
顔を隠し泣いている幼女にアリーシャは声をかけた。むしろ此方が助けられたので、幼女を家に帰すことは全然問題ない。

言葉使いもきれいだし、着ている服も上物だ。貴族かこれに準じる者、後は金持ちだろう。親御さんにはきちんと謝らなければいけない。

「では、私的孤児院レイデンまでお願いします。」
顔を上げアリーシャを見る目は笑っていた。


幼女よ。君は泣いていなかったのか?

「騎士様かぁ…。シスター喜ぶだろうなぁ。こんないい場面で助けるなんて私天才じゃん?
…ねぇどう思う?」

さて、これは私に話しかけられているのか?それより口調が変わりすぎ無いか?

「君は…」


「んなことねぇよ。俺だって違う方法が浮かんだつーの。シスターは喜ぶだろうな。あ、騎士様孤児院こっちな。」

言葉を遮られて、いつの間にか子供が増えた。
気配を声がかかるまで疲れていたとはいえ気づかないとは、少し油断が…

「メリ、ダン、荷物持ってよ~。」

おかしいだろう。子供が3人になっている。


「なんなのだ。君たちは?」


「私的孤児院レイデンに住む孤児だよ。」
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