再会ー男と親友の写真の話ー

キュー

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第三章

マイク?マック?

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   ウィルザールと別れて商会の会館に着いたマックは、受付に名前を告げる。
「はい。マックさんですね。案内しますので、ついてきて下さい。」
  滞在中の世話人と会う予定の部屋に案内された。ちょうど扉の前まで来た時に、呼び出し音が聞こえた。
「すこし、お待ちください。」
マックに声をかけ、耳に携帯通話器を当てる。
『キミヨナ、受付にトラブル発生だ、至急戻って!』
「わかった、すぐ行く。」
会話を終え、マックに謝り、扉を開けた。
「こちらでお待ちください。すぐに担当者がまいります。」
「はい。ありがとうございます。」
マックはお辞儀をすると、部屋の中に入る。
キミヨナは、扉を閉めると、受付に走って行った。
  部屋に入ると、二人の男が話込んでいた。二人がマックを見ると、こちらに、と手招きした。
「早かったな、待ってたよ。急ぎなんで、すぐ出るぞ。」
「あ、はい?」
そのまま二人と共に、部屋を出て、車に乗った。
「マイクといったか?」
「あ、いえ、マックです。」
「そうか、すまんな、こちらのミスだわ。」
そう言って、手元の書類の名前を訂正した。

   マックが館を去ってすぐ後。
「失礼します。」
男が入っていった部屋の中には、誰もいない。部屋は間違っていないはずだ。しばらく待っているとノックと共に、男が入ってきた。この男がマックの滞在中の世話を頼まれた人物だ。
「君がマックだね。待たせたね。」
「あ、いえ、今来たとこです。マイクです。」
「ついてきて。案内する。」
「はい。」
  訂正したが、担当者は気付かず、人違いしたまま彼を案内し、マイクは滞在先でゆるゆる過ごすことになる。誰も、マックを知らず、マイクは今回の仕事は派遣と聞いていたので、具体的な内容を知らなかった。待機と、言われるがまま、いつ指示かあるのかなと、首をひねりながら過ごしたのだ。
  ウィルザールが戻った時そこにいたのは、マイクだったのだ。

    商会の会館を出たマック達が着いた先は大きなお屋敷だった。サガンと自己紹介した金髪で骨太の二十代の男と一緒に、お屋敷のお手伝いをすることになった。
「このお屋敷の御嬢様の婚姻の準備に人手が必要で、急遽依頼が入ってね、うちの商会だけじゃ揃えられなくて、君に来てもらったんだ。よろしくたのむよ。」
「はい。頑張ります。」
ウィルザールが帰って来るまで十日ある。その間遊んでる訳にもいかない。
「基本、俺と二人で行動するから、解らないことは聞いてね。」
「はい。」
「部屋は狭いけど一人部屋がある。身の回りの物も、用意してるはずだから、不足はないはず。」
「え?なんでそこまで?」
「あー、なんでもな、かなり遠いけど王族だから、約束事が多いんだ。忙しくなるけど、報酬は高いよ。まずは部屋に行って、着替えてこよう。」
    
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