仕事やめても……いいですか……?

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お仕事の時間ですよ 2

本日のファー様その10

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マネージャーサクラです。


お知らせです。


  ニュースで報道されていますので、皆様はご存知だと思いますが。
『王宮騎士物語』出演の王女役セリーヌさんが列車事故に巻き込まれました。
  現在重体と報道されております。関係者一同、少しでも早い回復をお祈りいたしております。

放送中の『王宮騎士物語』はしばらくお休みいたします。  





  ニュースを見て、事務所にいた人が悲鳴を上げた。大きな列車事故。沢山の犠牲者。繰り返しニュースで列車の映像が流れる。私も出社したばかりで、ニュース映像に茫然となった。
「サクラ!大変!」
同僚が真っ青な顔で近寄る。私は手元のスケジュール帳を差し出し、手早く荷物をまとめる。
「ファイブのスケジュール調整お願い!暫く休ませるから!後で連絡するから、謝っといて!私、ファイブの所へ行ってきます!」
今は家にいるはず。ニュースを聞いていたら、ショック受けている!ああ、フォーにも来てもらわないと!

  移動中にもニュースが次々入ってくる。知人からも、仕事関係者からもひっきりなしに電話がかかってくる。ああ!もう!まだ着かないの!?ファイブ、大丈夫かなぁ。
「あ、フォー?うん、向かってる。」
フォーが先にファイブの家に着いたようだ。呼び出しに出ないって。
「私もすぐ行くから、そのまま呼び続けてみて!」

  鍵を開けた。
「ファイブ?いる?」
声を掛けながらドアを開けた。
「………何やってるの?」
上半身は何も着けず、何かをブツブツ呟くファイブが、ベッドからシーツを外してひとまとめにし、さらにぐるぐる巻きにしているところだった。
「さくらぁ……」
私達に気付き、涙混じりの声でシーツの塊を抱き抱え、私を呼ぶファイブの不安げな顔を見たら、ぶわっと涙が出た。それは、心配と悲しみと、安堵。そして、少しの怒りと笑い。こんなに心配していたのに、何?それ。シーツを丸めて何してるの。
「ファイブ、どうした?」
フォーが近寄り、シーツの塊から腕を外す。
「フォー……嘘ばっかりなんだ。」
「そうか?」
私はシーツの塊をフォーから受け取り、広げてみた。ぐるぐると巻き付けられたものを解体する。タオルケット、Tシャツ、枕……コロンと携帯が転がった。
……ああ、そうか……電話……
「嘘つくんだ。」
「ハリー……」
 フォーがファイブを抱き締めた。彼は幼い時に両親を亡くした。身近な人の怪我や死に過剰に反応する。事故には、特に…
「大丈夫だ。」
震えるファイブに、フォーが大丈夫と何度も声を掛ける。
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