74 / 159
お仕事の時間ですよ 2
俺なんか…14 ミライ
しおりを挟む
「おはようございます。」
久し振りの撮影で、控え室の扉を開けた。そこにいたのはハンス役のミライ。今一番会いたくない人物……
「ミライ……」
「ああ、ファイブ。会うの久しぶりだな。」
少し疲れた様子のミライに、何を言えば良いのか分からなかった。ミライとセリーヌさんが交際を始めた…ばかりの事故だ。共演者で二人の交際を知っていた者は俺以外にエリーくらいだろうか……
セリーヌの入院で、気落ちしているだろうに、ミライは休むことなく仕事に出ていたと聞いた。ニュースを聞いて、俺は気持ちが沈んで、事務所にも、サクラやフォーにもずいぶん迷惑をかけたのに、ミライは強いな……
俺は、撮影再開時に、出番はなかったので、結果、そのまま休みが続き、脚本と撮影スケジュールの変更の関係で、今までミライに会うことがなかったのだ。
「聞いたと思うが、セリーヌは意識不明のままだ。」
俺がぐるぐる考えている間に、ミライが先に口を開いた。
「……交際を公にしていなかったから、個人的に見舞いにも行けない。スタッフに聞いたが、面会も出来ないらしいから怪我の様子も分からない。」
「ミライ…… 」
きっと誰にも言えずに抱え込んでいたのだろう。事情を知っている俺ぐらいにしか、話せない内容だ……
「うじうじ考えても、俺じゃ役に立たないのは解っている。」
軽そうに見えるが、彼はセリーヌに対して真剣に将来設計を考えていたようで、感情的に話す姿に、俺も引っ張られそうだ……
「でも、考えてしまうんだよ……俺が……俺のせいじゃないかと……」
胸が苦しい……だが、彼はもっと苦しいのだろう………
「そんな事ないよ、事故だって……ミライのせいなんかじゃないよ。」
「……いや……俺の……俺が悪いんだよ……」
その場に、ミライが膝を付き、項垂れた。
目の前のミライに何と声を掛ければいいのか………
「とりあえず、ここでは目立つから……」
控え室では、いつ誰が入ってくるか分からない。俺はミライを立たせて、会議室に連れていく。細かい打ち合わせや休憩に自由に使える個室が幾つかある。その一室に入り、使用中の札を掛けておいた。
久し振りの撮影で、控え室の扉を開けた。そこにいたのはハンス役のミライ。今一番会いたくない人物……
「ミライ……」
「ああ、ファイブ。会うの久しぶりだな。」
少し疲れた様子のミライに、何を言えば良いのか分からなかった。ミライとセリーヌさんが交際を始めた…ばかりの事故だ。共演者で二人の交際を知っていた者は俺以外にエリーくらいだろうか……
セリーヌの入院で、気落ちしているだろうに、ミライは休むことなく仕事に出ていたと聞いた。ニュースを聞いて、俺は気持ちが沈んで、事務所にも、サクラやフォーにもずいぶん迷惑をかけたのに、ミライは強いな……
俺は、撮影再開時に、出番はなかったので、結果、そのまま休みが続き、脚本と撮影スケジュールの変更の関係で、今までミライに会うことがなかったのだ。
「聞いたと思うが、セリーヌは意識不明のままだ。」
俺がぐるぐる考えている間に、ミライが先に口を開いた。
「……交際を公にしていなかったから、個人的に見舞いにも行けない。スタッフに聞いたが、面会も出来ないらしいから怪我の様子も分からない。」
「ミライ…… 」
きっと誰にも言えずに抱え込んでいたのだろう。事情を知っている俺ぐらいにしか、話せない内容だ……
「うじうじ考えても、俺じゃ役に立たないのは解っている。」
軽そうに見えるが、彼はセリーヌに対して真剣に将来設計を考えていたようで、感情的に話す姿に、俺も引っ張られそうだ……
「でも、考えてしまうんだよ……俺が……俺のせいじゃないかと……」
胸が苦しい……だが、彼はもっと苦しいのだろう………
「そんな事ないよ、事故だって……ミライのせいなんかじゃないよ。」
「……いや……俺の……俺が悪いんだよ……」
その場に、ミライが膝を付き、項垂れた。
目の前のミライに何と声を掛ければいいのか………
「とりあえず、ここでは目立つから……」
控え室では、いつ誰が入ってくるか分からない。俺はミライを立たせて、会議室に連れていく。細かい打ち合わせや休憩に自由に使える個室が幾つかある。その一室に入り、使用中の札を掛けておいた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる
暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。
授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる