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黒の章
黒の子6
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水筒を受け取り一気に飲んだクロードは大きく息を吐いた。
「ありがとう……ございます…」
クロードが騎士に水筒を差し出し、見上げる。その黒い目が揺らぐ。
「…………」
フォムボトルは黒い彼の目に吸い込まれるように感じて視線を逸らした。一瞬引っ張られるような気持ち悪さと目眩がしたが、目を閉じて深呼吸をして気を整える。
「……動けるか。」
目の前の少年に声を掛ける。
「はい。」
「私はフォムボトル。王立騎士団第七部隊の第三班長だ。君がクロードだね?遠話で助けを呼んだろ?たまたま近くに来ていたので、ここまで来たが……」
「…遠…話……?」
不思議そうな顔でクロードが呟くので、フォムボトルは頷き、頭を指差す。
『頭の中で声が聞こえたことはないかい?』
クロードは驚いたように、キョロキョロと辺りを見回す。目の前のフォムボトルの口は動いていなかったし、他に誰もいないことを確認する。目を見開いて、あなたが?という表情をしたクロードにフォムボトルが頷くと、パッと無邪気な年相応の子どもの顔になり、わあ!っと手を叩く。
「すご!今のあなたが?え?俺にもできるかな……やってみる!」
届け届け~んん~っっ、と力を込めるが、クロードが考えた言葉は伝わっていないようだ。
「どう?届いた?」
「残念ながら………でも、練習すれば、できるようになる。きっと先刻は無意識に助けを求めたのだろうね。」
ガッカリした様子のクロードだが、はっと思い出したように立ち上がる。
「あ、ベルタは……」
思い出したように、慌ててクロードはベルタに駆け寄る。
「よかった。食われてない。」
「動けるなら、ホアンの家に戻ろうか。」
タイミング良く、シーブイレイルが到着した。
「ありがとう……ございます…」
クロードが騎士に水筒を差し出し、見上げる。その黒い目が揺らぐ。
「…………」
フォムボトルは黒い彼の目に吸い込まれるように感じて視線を逸らした。一瞬引っ張られるような気持ち悪さと目眩がしたが、目を閉じて深呼吸をして気を整える。
「……動けるか。」
目の前の少年に声を掛ける。
「はい。」
「私はフォムボトル。王立騎士団第七部隊の第三班長だ。君がクロードだね?遠話で助けを呼んだろ?たまたま近くに来ていたので、ここまで来たが……」
「…遠…話……?」
不思議そうな顔でクロードが呟くので、フォムボトルは頷き、頭を指差す。
『頭の中で声が聞こえたことはないかい?』
クロードは驚いたように、キョロキョロと辺りを見回す。目の前のフォムボトルの口は動いていなかったし、他に誰もいないことを確認する。目を見開いて、あなたが?という表情をしたクロードにフォムボトルが頷くと、パッと無邪気な年相応の子どもの顔になり、わあ!っと手を叩く。
「すご!今のあなたが?え?俺にもできるかな……やってみる!」
届け届け~んん~っっ、と力を込めるが、クロードが考えた言葉は伝わっていないようだ。
「どう?届いた?」
「残念ながら………でも、練習すれば、できるようになる。きっと先刻は無意識に助けを求めたのだろうね。」
ガッカリした様子のクロードだが、はっと思い出したように立ち上がる。
「あ、ベルタは……」
思い出したように、慌ててクロードはベルタに駆け寄る。
「よかった。食われてない。」
「動けるなら、ホアンの家に戻ろうか。」
タイミング良く、シーブイレイルが到着した。
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