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お仕事の時間ですよ 3
+王宮騎士物語 第34話
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「エリー!会いたかった。」
マリーの母が彼女をぎゅっと抱き締める。
「駄目だよ、静かに。」
父も心配したと言う顔。だが王女が目覚めない事は秘密にしなければならないので、騒いで注目を集めることはならない。
マリーの両親が、体調を崩して臥せっているエリーの見舞いを許されたのは、ひと月後だった。
「王女様と入れ替わっているとサーバに聞かされて驚いたよ。」
「もう、殿下でしょ。サーバス殿下。」
母が注意するが、父は知らん顔。殿下は気にしていないように見える。
「誰もいないから、いいじゃないか。昔みたいに……なあ?……しかし、お前……俺達が結婚してから距離をおいていないか?サーバ。顔を見るのは公式の場くらいだ。こんな薄情者には少しくらい文句を言ってもいいだろう?」
「ブリジット…助けてくれないか、君の夫殿は、容赦がない。」
マリーは両親と王弟の親しげな様子に驚いていた。
「ほら、エリーが驚いているよ、説明してあげなきゃ。」
「そうね、言ってなかったわね。サーバス殿下とは同じ学校だったの。」
子を持つ王族や貴族が選ぶ学校はほとんど王立学院だ。学ぶ分野によっては、専門性の高い学校を選ぶこともある。一部の下級貴族は平民と同じ学校を選ぶ。王立学院は誰でも入れるが、その寄付金の多さは下級貴族には厳しいものがあるのだ。
「同期生さ。」
「そうね、お調子者のハマーに氷のサーバ、美貌のブリジット。そう呼ばれていたわね。」
マリーの母がニコニコして言った。
「美貌の残念ブリジットだろ。」
王弟とマリーの父が声を揃えて言った。
「もう!娘の前で!」
ぷりぷり怒る母を目を丸くして見ているマリーに気付き、母が頭を撫でた。
「驚いた?」
不思議そうな顔をしていたマリーは、ドラマにこんな設定あったかしら……と記憶を探っていた。そもそも、エリーの両親なんて本編にはほとんど出てこないのだ。どうなっているのだろう…………
「もう…一人……いれば四天王がそろうのにね……」
「四天王……お母様達もしかして、学院祭の戦団長?すごい!」
マリーは王女付きになることが決まっていたため、王立学院には通わず専属の家庭教師がいた。だが、兄や姉の通う学院の話はよく聞いていたので、通えなかった事は少し残念である。王立学院祭は大規模で一般に解放される、年に一度のお祭りだ。兄の模擬戦を応援するために行った。
「兄様は戦団長にはなれなくて、残念がっていたわ。」
「そうね。エリーも学院に通わせてあげたかったわ。」
「そうだな。」
「四天王のもう一人は誰なんですか?」
マリーの声に、三人は急に静まり、誰も答えようとしなかった。
「……」
「…あ…」
「………エリーの知らない人よ。薔薇の…クレッセリア…」
マリーの母ブリジットの声が聞こえると同時に王弟が、立ち上がり、ちょっと失礼するよ、と部屋を出ていった。
マリーは、触れてはいけない事だったのかなと感じて、それ以上は聞けなかった。
マリーの母が彼女をぎゅっと抱き締める。
「駄目だよ、静かに。」
父も心配したと言う顔。だが王女が目覚めない事は秘密にしなければならないので、騒いで注目を集めることはならない。
マリーの両親が、体調を崩して臥せっているエリーの見舞いを許されたのは、ひと月後だった。
「王女様と入れ替わっているとサーバに聞かされて驚いたよ。」
「もう、殿下でしょ。サーバス殿下。」
母が注意するが、父は知らん顔。殿下は気にしていないように見える。
「誰もいないから、いいじゃないか。昔みたいに……なあ?……しかし、お前……俺達が結婚してから距離をおいていないか?サーバ。顔を見るのは公式の場くらいだ。こんな薄情者には少しくらい文句を言ってもいいだろう?」
「ブリジット…助けてくれないか、君の夫殿は、容赦がない。」
マリーは両親と王弟の親しげな様子に驚いていた。
「ほら、エリーが驚いているよ、説明してあげなきゃ。」
「そうね、言ってなかったわね。サーバス殿下とは同じ学校だったの。」
子を持つ王族や貴族が選ぶ学校はほとんど王立学院だ。学ぶ分野によっては、専門性の高い学校を選ぶこともある。一部の下級貴族は平民と同じ学校を選ぶ。王立学院は誰でも入れるが、その寄付金の多さは下級貴族には厳しいものがあるのだ。
「同期生さ。」
「そうね、お調子者のハマーに氷のサーバ、美貌のブリジット。そう呼ばれていたわね。」
マリーの母がニコニコして言った。
「美貌の残念ブリジットだろ。」
王弟とマリーの父が声を揃えて言った。
「もう!娘の前で!」
ぷりぷり怒る母を目を丸くして見ているマリーに気付き、母が頭を撫でた。
「驚いた?」
不思議そうな顔をしていたマリーは、ドラマにこんな設定あったかしら……と記憶を探っていた。そもそも、エリーの両親なんて本編にはほとんど出てこないのだ。どうなっているのだろう…………
「もう…一人……いれば四天王がそろうのにね……」
「四天王……お母様達もしかして、学院祭の戦団長?すごい!」
マリーは王女付きになることが決まっていたため、王立学院には通わず専属の家庭教師がいた。だが、兄や姉の通う学院の話はよく聞いていたので、通えなかった事は少し残念である。王立学院祭は大規模で一般に解放される、年に一度のお祭りだ。兄の模擬戦を応援するために行った。
「兄様は戦団長にはなれなくて、残念がっていたわ。」
「そうね。エリーも学院に通わせてあげたかったわ。」
「そうだな。」
「四天王のもう一人は誰なんですか?」
マリーの声に、三人は急に静まり、誰も答えようとしなかった。
「……」
「…あ…」
「………エリーの知らない人よ。薔薇の…クレッセリア…」
マリーの母ブリジットの声が聞こえると同時に王弟が、立ち上がり、ちょっと失礼するよ、と部屋を出ていった。
マリーは、触れてはいけない事だったのかなと感じて、それ以上は聞けなかった。
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