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お仕事の時間ですよ 3
王宮騎士物語 第42話 図書館
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「サーバ、今日はよろしくね。」
ブリジットに向かってサーバスが手を差し出す。その手に片手を優雅に乗せ馬車から降りるブリジット。その手は続いてクレッセリアに伸ばされた。
「さあ、どうぞ、お嬢様。」
その言い方にクレッセリアは……似合ってないと言いたいのね……と内心カチンときたが、ここは城内、無作法はするべきではないと言葉を飲み込む。
「ありがとう。」
クレッセリアは微笑み、軽く触れるくらい手を乗せる。サーバスは羽のように感じるその手を引き導く。
「ようこそ。王立図書館に御用がおありとか。私が案内を任されました。」
サーバスはニッコリ笑って、先に立って案内を始めた。
図書館に入るなり、クレッセリアは独りで書架の森に潜って、さっさと自分の世界に入ってしまった。サーバスもブリジットも本にさほど興味は無いので、椅子に座って暇を持て余していた。
「ブ、ブリジット……あれは本当にクレッセリアか?」
小声で喋るサーバス。静かな図書館では話し声はよく響く。普段の男前なファッションのクレッセリアしか見たことなかったサーバスは、実は美しい彼女のドレス姿を見た時、見とれて言葉がすぐに出なかった。
「驚いた?流石、青い薔薇。」
「驚いた。パーティーでも彼女はスーツ着てたよな?あれはあれで似合っていたが、ドレスとか初めてみたよ……化けるもんだな、女は………」
「彼女、美人よね。惚れ直したでしょう?」
「な、何を!…ほ…惚れて…なんか……ばかか!」
「あら、違うの?」
黙り込むサーバス。その顔は真っ赤である。
「本当、わかりやすいわ。あなたは。」
「………決めつけるなよ。」
「告白しないの?」
「そんな、簡単に……言うなよ。」
「だって、もうすぐ卒業よ?」
彼女は卒業後はどうするのだろう。ブリジットも聞いていないという。彼女は故郷へ戻ってしまうのだろうか。サーバスはムウウと唸ると、黙り込んだ。
「難しく考える事なんて、ないわよ。クレッセリアだって……あっ…」
ブリジットは失言、とばかりに、口を噤んだ。
「ブリジット、何か、知っているのか?」
ブンブンと首を振る。
「と、とにかく、家にいる間、ここに通ってもいいわよね?」
「そりゃ…かまわないよ。 門番に言い付けておくから…」
「うん?……フリーパスでほったらかし…なんてだめよ。あなたが毎回案内しなさいね。」
「あ?面倒じゃ…あ………うっ」
すかさず殴られる。痛ぇなぁ、と殴られた腹をさする。
ブリジットに向かってサーバスが手を差し出す。その手に片手を優雅に乗せ馬車から降りるブリジット。その手は続いてクレッセリアに伸ばされた。
「さあ、どうぞ、お嬢様。」
その言い方にクレッセリアは……似合ってないと言いたいのね……と内心カチンときたが、ここは城内、無作法はするべきではないと言葉を飲み込む。
「ありがとう。」
クレッセリアは微笑み、軽く触れるくらい手を乗せる。サーバスは羽のように感じるその手を引き導く。
「ようこそ。王立図書館に御用がおありとか。私が案内を任されました。」
サーバスはニッコリ笑って、先に立って案内を始めた。
図書館に入るなり、クレッセリアは独りで書架の森に潜って、さっさと自分の世界に入ってしまった。サーバスもブリジットも本にさほど興味は無いので、椅子に座って暇を持て余していた。
「ブ、ブリジット……あれは本当にクレッセリアか?」
小声で喋るサーバス。静かな図書館では話し声はよく響く。普段の男前なファッションのクレッセリアしか見たことなかったサーバスは、実は美しい彼女のドレス姿を見た時、見とれて言葉がすぐに出なかった。
「驚いた?流石、青い薔薇。」
「驚いた。パーティーでも彼女はスーツ着てたよな?あれはあれで似合っていたが、ドレスとか初めてみたよ……化けるもんだな、女は………」
「彼女、美人よね。惚れ直したでしょう?」
「な、何を!…ほ…惚れて…なんか……ばかか!」
「あら、違うの?」
黙り込むサーバス。その顔は真っ赤である。
「本当、わかりやすいわ。あなたは。」
「………決めつけるなよ。」
「告白しないの?」
「そんな、簡単に……言うなよ。」
「だって、もうすぐ卒業よ?」
彼女は卒業後はどうするのだろう。ブリジットも聞いていないという。彼女は故郷へ戻ってしまうのだろうか。サーバスはムウウと唸ると、黙り込んだ。
「難しく考える事なんて、ないわよ。クレッセリアだって……あっ…」
ブリジットは失言、とばかりに、口を噤んだ。
「ブリジット、何か、知っているのか?」
ブンブンと首を振る。
「と、とにかく、家にいる間、ここに通ってもいいわよね?」
「そりゃ…かまわないよ。 門番に言い付けておくから…」
「うん?……フリーパスでほったらかし…なんてだめよ。あなたが毎回案内しなさいね。」
「あ?面倒じゃ…あ………うっ」
すかさず殴られる。痛ぇなぁ、と殴られた腹をさする。
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