結婚ー彼女と再会するまでの男の長い話ー

キュー

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第四章 昔話をしよう

2 捕縛

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「なぜだ?」
なんだコイツは。どうして俺にこだわる?
「別にいいだろ?」
逃げるか!?いや、無理だなテオは足も早かった。俺は彼に勝てる気がしない。
「何が目的だ?」
テオは油断なく俺の動きを見ている。彼の態度が少し変わった…?
「俺の方が聞きたいよ。どうして…」
彼は、ぐっと腰を下げて半歩右足を後ろに引いた。 それにつられるように俺もかまえた。
「質問を変えよう。」
一呼吸おいて、凍るような低い声が響いた。
テオの目がギラリと睨んだ。
「オマエは誰だ?」
これは……この様子じゃどんな答えでも満足しないだろうな。
「ソニーだよ。」
くそっ!油断していた。今までの軽い態度は芝居だったか。コイツの狙いは何だ。
「おとなしく、ついてきてくれるなら、痛め付けたりはしないが?」
「ついていったって、そこで、どうせやる気なんだろうがよ。」
「ふっ、おまえの態度次第だな。」
まずいな、コイツつぇぇんだよ。ここで一戦か?なんて考えていると、先に彼が動いた。
  右から拳がくる!
『左手、気をつけてェな』
脳裏に響く声。
  右の拳に左手を合わしながす。
  左!
「!!」
ナイフだ。ギリギリでかわす。意識してなかったらもらってたな。しかし、すぐさま、右がきて殴られた。意識がとんだ。

「起きろ。ソニー」
低い声が頭上で聞こえた。
椅子に座って、拘束されていた。頭がくらくらする。
「さて、おとなしく、話してくれるかな?」
「誰?」 
顔は見えない。でも聞き覚えのある声。
「宰相、イグナート」
「…宰相さん…ね…お土産は気に入りませんでしたかねぇ?」
「ああ、甘い菓子は苦手でね。せっかくなので君が、うたってくれないか?」
ああ、彼か…さて、どうするか…
「人見知りなんで…」
俺の正体が知りたいのか…知っていて俺を利用するつもりか?
「以外と図太いな。」
「そりゃどうも。今年で百六十なもんでね。」
イグナートが動く気配。瞬時に左頬が熱い。いてぇな、殴られたな。しかしまだ本気じゃない。
「話す気になったか?」
「…いいよ、告白しても…でもギャラリーがいるとはずかしくって…愛を語れないな…」
「…内緒の話がしたいのか。」
俺の言いたいことを理解してくれたようだ。
「いけ。」
何人かが動くのがわかる。
「外で待機しております。『暁』に。」
あ、今の声はテオだ。わざと音をたてて、扉を開けて出ていく音がした。暁?暗号か。まあいい、少し話せる時間があればいい。
  再びイグナートがすぐそばに来る。
「何を話してくれるのかな。たしか君は親父のところにも来ていたな。生憎盗聴していなかったからな。何を話した?」
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