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第23話 捜索と葛藤
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迎賓館では、晩餐会が行われている。
壁側に控えているジョアンは、緊張感を持ちながらある人物を遠くから眺めていた。
ヤヌス王国の女王代理としてやって来た王婿殿下ことフレディ・ヤヌス。
ジョシュアの代わりに王配となった従兄弟だ。
親戚なので二人の顔立ちは似ているが、フレディのほうが金髪も緑眼も多少薄め。
彼は真面目で几帳面な性格だが、やや神経質なところがある。
ジョアンは、眉間にいつも皺を寄せていた彼の姿を思い出していた。
歓迎パーティーではフレディは国王と面会していたため、至近距離での接触はなかった。
随行している側近たちも、全て顔見知り。ジョアンは、彼らに近づかないよう細心の注意を払っていた。
今の自分は、名も見た目も変わっている。
ジョシュアと気づかれることはない。
大丈夫だと、何度も自分に言い聞かせる。
それでも、知らず知らずのうちに手に汗をかいていた。
「……ジョアン殿、少々よろしいでしょうか?」
困り顔でやって来たのは、執事だった。
二人は、人気のない会場の隅へ移動する。
「どうされましたか?」
「実はですな───」
執事の話によると、招待客である要人の子息が部屋を抜け出し行方不明になっているとのこと。
従者が必死に館内を探しているが、まだ見つかっていない。
獣人王国へ協力を求めるも、留守を預かっている者たちは共通言語が覚束ないため、子息の特徴を上手く伝えることができないのだという。
双方とも通訳は晩餐会へ出席しており、語学に堪能なジョアンへ白羽の矢が立ったようだ。
「わかりました。詳細を聞きます」
ジョアンは部屋を訪ね、子息の特徴を聞き、皆へ周知する。
行方不明の男の子は七歳で、黒髪に琥珀色の瞳だという。
初めての外遊に興奮し、羽目を外してしまったらしい。
普段から、かなりわんぱくな子のようだ。
慌てふためく子守り係からは、日頃の苦労が伝わってきた。
そのままジョアンも、捜索に加わる。
迎賓館の中は広いが、立入禁止区域が多い。
厳重な警備体制も敷かれているため、人目もある。
それなのに、男の子はまだ発見されていない。
おそらく建物の外へ出たのだろうと、ジョアンは当たりをつけた。
入館者には目を光らせているが、外へ出る者へはそれほど厳格ではない。
警備担当者から、庭園方面へ向かう男の子がいたとの情報を入手したジョアンは、すぐに従者へ伝える。
それから、自身も庭園へ急いだ。
(子供が興味を持つものといえば……)
庭園の見取り図を、頭に思い浮かべる。
建国祭が始まる前に、ジョアンは会場の下見を入念に行っていた。
場所を尋ねられたときに即座に返答ができるよう、事前に情報収集をしておいたのだ。
最初に向かった噴水には、男の子の姿はなかった。
となれば、あそこしかない。
迷わず足を向けた。
◇
男の子は、道の真ん中に座り込んでいた。
『畏れ入りますが、レオ殿下でいらっしゃいますか?』
『そうだが、そなたは何者だ?』
『私はジョアンと申します。デクスター殿下の従者をしております』
『王弟殿下の……それで、わたしに何用だ?』
『従者の方々が殿下を探しておられます。すぐに、お部屋へお戻りください』
『断る! 部屋にいても、つまらぬ。父上と母上は社交ばかり。子守りは勉強せよとうるさい。せっかく国を出てきたのだから、楽しいことがしたいのだ』
ぷうっと頬を膨らませる男の子には、年相応の幼さが垣間見える。
同じような境遇だったジョアンには、彼の気持ちが痛いほど理解できた。
『殿下の仰る楽しいこととは、何でしょうか?』
『様々な国を訪れ、現地の人々と交流し、見聞を広めることだ』
『それは、とても素晴らしいことでございますね。ただ……それを実現させるには、勉強を疎かにはできません』
『なぜだ?』
『殿下は、共通言語の読み書きや会話はできますか?』
『それは……』
一応勉強はしているが、まったく身に付かないと男の子はこぼす。
『だいたい外交の場では、通訳などがおるのだ。私が話せたり書く必要はないであろう?』
『しかし、できないよりは、できたほうが良いと思いませんか? 看板の字が読めれば、ここで道に迷わなかったかもしれないのですよ?』
『!?』
男の子はハッとする。
いま二人がいる場所は、庭木で作られた迷路の中だ。
迎賓館の上階から庭園を眺めると、薔薇の花のように見える工夫が成されている。
部屋の窓から迷路を見つけた男の子は興味を持ち、抜け出してきたのだろう。
迷路の入り口には、案内板が立っている。
庭園を訪れた招待客への説明書だが、迷路攻略の手掛かりも載っていた。
しかし、共通言語を理解していない男の子では読むことができなかったのだ。
『私は、レオ殿下のお国の言葉も一生懸命勉強しました。そのおかげで、こうして殿下と交流を深めることができています』
『…………』
頭ごなしに「勉強せよ」と言われても、幼い身では難しい。
少しでも本人が学ぶ意義を見出せればと、ジョアンは説教ではない話をしたのだった。
『辺りはすっかり暗くなりましたので、そろそろお部屋に戻りましょう。では殿下、どちらが先に出口へ到達できるか、私と競争です!』
そう言うと、ジョアンは早足に歩き出す。
『そなたには、負けぬ!』と、男の子も走って追いかけてきた。
ジョアンは男の子を出口へ上手く誘導しつつ、自分はわざと間違った道を選び、追いつ追われつの状況を演出する。
もちろん最後は、男の子に花を持たせる大人の対応をしたのは言うまでもない。
庭園内で、無事従者たちと合流。
男の子は、満面の笑顔で部屋へと戻っていった。
「ふう……」
ジョアンは安堵の息を吐くと、夜空を見上げる。
一度は納得したはずのことが、再び頭の中を占めていた。
「殿下の子か……」
わんぱくな男の子に、デクスターの子の姿を重ねてしまった。
愛する者との子が欲しい。愛情を持って育てたい。
彼の血を引いているから、男女問わずきっと自由奔放な子になるのだろう。
でも、男のジョアンでは、どう逆立ちしても産むことはできない。
それを、とても残念に思った。
◇
会場へ戻ると、すでに後片付けが始まっていた。
デクスターは、別の会場へ移動しているとのこと。
ここからが、社交の本番と言っても過言ではない。
晩餐会での堅苦しさを脱ぎ、酒を片手に自由に意見交換をする。
気安さの入り混じる、大人の時間である。
別の従者へ『席を外す』と伝え後を任せていたが、また通訳が必要となるかもしれない。
ジョアンは急いで第二会場へ向かった。
会場内にはソファーとローテーブルが置かれ、客が思い思いに寛いでいる。
ジョアンは素早く見回し、主の姿を探す。併せて、フレディがこの場にいるかどうかの確認も行う。
デクスターは隅のテーブルで、黒髪の男女と話をしていた。
ジョアンの代わりに、別の従者が主の後ろに控えている。
幸い、フレディや側近たちの姿はない。ひとまず、ホッとする。
少し距離をとった位置で、様子を窺うことにした。
話は終わったようで、男女は会場を後にする。
ジョアンはデクスターのもとへ急ぎ、交代した。
「長い時間席を外し、申し訳ございませんでした」
「いま聞いたぞ。大活躍だったそうだな?」
先ほどまでいた男女から、「愚息が大変世話になった」と言われたらしい。
「まさか、皇太子殿下ご夫妻が直々にいらっしゃるとは……」
「部屋へ戻られてから、従者より話を聞かされたのだろう。わざわざ礼を言いに、こちらへ来られたのだ」
「そうでしたか……」
男の子は、両親から厳しく叱られたようだ。
でも、そのあと、急に語学の勉強を始めたのだという。
「俺は、誰かさんがいつものように説教をしたからではないか、と思っている」
「お説教ではありません。少し話をしただけです」
「ふ~ん」
デクスターの顔はニヤニヤとしていて、ジョアンの言葉をまるで信じていないように見える。
相手は幼い子供。しかも、他国の皇子へ説教なんかしません!と声を大にして言いたかったが、ジョアンは我慢した。
誰かがこちらへ向かってくるのがわかっていたから。
「……デクスター殿下、お邪魔してもよろしいでしょうか?」
若い男性の声で、ジョアンに戦慄が走る。
動揺を覚られないよう頭を下げたまま、主の後ろからさらに一歩下がった。
「フレディ殿下、どうぞこちらへ」
立ち上がり、デクスターは席を勧めている。
ついに、この時が来てしまった。
ジョアンは事態に向き合う覚悟を決め、ゆっくりと顔を上げた。
壁側に控えているジョアンは、緊張感を持ちながらある人物を遠くから眺めていた。
ヤヌス王国の女王代理としてやって来た王婿殿下ことフレディ・ヤヌス。
ジョシュアの代わりに王配となった従兄弟だ。
親戚なので二人の顔立ちは似ているが、フレディのほうが金髪も緑眼も多少薄め。
彼は真面目で几帳面な性格だが、やや神経質なところがある。
ジョアンは、眉間にいつも皺を寄せていた彼の姿を思い出していた。
歓迎パーティーではフレディは国王と面会していたため、至近距離での接触はなかった。
随行している側近たちも、全て顔見知り。ジョアンは、彼らに近づかないよう細心の注意を払っていた。
今の自分は、名も見た目も変わっている。
ジョシュアと気づかれることはない。
大丈夫だと、何度も自分に言い聞かせる。
それでも、知らず知らずのうちに手に汗をかいていた。
「……ジョアン殿、少々よろしいでしょうか?」
困り顔でやって来たのは、執事だった。
二人は、人気のない会場の隅へ移動する。
「どうされましたか?」
「実はですな───」
執事の話によると、招待客である要人の子息が部屋を抜け出し行方不明になっているとのこと。
従者が必死に館内を探しているが、まだ見つかっていない。
獣人王国へ協力を求めるも、留守を預かっている者たちは共通言語が覚束ないため、子息の特徴を上手く伝えることができないのだという。
双方とも通訳は晩餐会へ出席しており、語学に堪能なジョアンへ白羽の矢が立ったようだ。
「わかりました。詳細を聞きます」
ジョアンは部屋を訪ね、子息の特徴を聞き、皆へ周知する。
行方不明の男の子は七歳で、黒髪に琥珀色の瞳だという。
初めての外遊に興奮し、羽目を外してしまったらしい。
普段から、かなりわんぱくな子のようだ。
慌てふためく子守り係からは、日頃の苦労が伝わってきた。
そのままジョアンも、捜索に加わる。
迎賓館の中は広いが、立入禁止区域が多い。
厳重な警備体制も敷かれているため、人目もある。
それなのに、男の子はまだ発見されていない。
おそらく建物の外へ出たのだろうと、ジョアンは当たりをつけた。
入館者には目を光らせているが、外へ出る者へはそれほど厳格ではない。
警備担当者から、庭園方面へ向かう男の子がいたとの情報を入手したジョアンは、すぐに従者へ伝える。
それから、自身も庭園へ急いだ。
(子供が興味を持つものといえば……)
庭園の見取り図を、頭に思い浮かべる。
建国祭が始まる前に、ジョアンは会場の下見を入念に行っていた。
場所を尋ねられたときに即座に返答ができるよう、事前に情報収集をしておいたのだ。
最初に向かった噴水には、男の子の姿はなかった。
となれば、あそこしかない。
迷わず足を向けた。
◇
男の子は、道の真ん中に座り込んでいた。
『畏れ入りますが、レオ殿下でいらっしゃいますか?』
『そうだが、そなたは何者だ?』
『私はジョアンと申します。デクスター殿下の従者をしております』
『王弟殿下の……それで、わたしに何用だ?』
『従者の方々が殿下を探しておられます。すぐに、お部屋へお戻りください』
『断る! 部屋にいても、つまらぬ。父上と母上は社交ばかり。子守りは勉強せよとうるさい。せっかく国を出てきたのだから、楽しいことがしたいのだ』
ぷうっと頬を膨らませる男の子には、年相応の幼さが垣間見える。
同じような境遇だったジョアンには、彼の気持ちが痛いほど理解できた。
『殿下の仰る楽しいこととは、何でしょうか?』
『様々な国を訪れ、現地の人々と交流し、見聞を広めることだ』
『それは、とても素晴らしいことでございますね。ただ……それを実現させるには、勉強を疎かにはできません』
『なぜだ?』
『殿下は、共通言語の読み書きや会話はできますか?』
『それは……』
一応勉強はしているが、まったく身に付かないと男の子はこぼす。
『だいたい外交の場では、通訳などがおるのだ。私が話せたり書く必要はないであろう?』
『しかし、できないよりは、できたほうが良いと思いませんか? 看板の字が読めれば、ここで道に迷わなかったかもしれないのですよ?』
『!?』
男の子はハッとする。
いま二人がいる場所は、庭木で作られた迷路の中だ。
迎賓館の上階から庭園を眺めると、薔薇の花のように見える工夫が成されている。
部屋の窓から迷路を見つけた男の子は興味を持ち、抜け出してきたのだろう。
迷路の入り口には、案内板が立っている。
庭園を訪れた招待客への説明書だが、迷路攻略の手掛かりも載っていた。
しかし、共通言語を理解していない男の子では読むことができなかったのだ。
『私は、レオ殿下のお国の言葉も一生懸命勉強しました。そのおかげで、こうして殿下と交流を深めることができています』
『…………』
頭ごなしに「勉強せよ」と言われても、幼い身では難しい。
少しでも本人が学ぶ意義を見出せればと、ジョアンは説教ではない話をしたのだった。
『辺りはすっかり暗くなりましたので、そろそろお部屋に戻りましょう。では殿下、どちらが先に出口へ到達できるか、私と競争です!』
そう言うと、ジョアンは早足に歩き出す。
『そなたには、負けぬ!』と、男の子も走って追いかけてきた。
ジョアンは男の子を出口へ上手く誘導しつつ、自分はわざと間違った道を選び、追いつ追われつの状況を演出する。
もちろん最後は、男の子に花を持たせる大人の対応をしたのは言うまでもない。
庭園内で、無事従者たちと合流。
男の子は、満面の笑顔で部屋へと戻っていった。
「ふう……」
ジョアンは安堵の息を吐くと、夜空を見上げる。
一度は納得したはずのことが、再び頭の中を占めていた。
「殿下の子か……」
わんぱくな男の子に、デクスターの子の姿を重ねてしまった。
愛する者との子が欲しい。愛情を持って育てたい。
彼の血を引いているから、男女問わずきっと自由奔放な子になるのだろう。
でも、男のジョアンでは、どう逆立ちしても産むことはできない。
それを、とても残念に思った。
◇
会場へ戻ると、すでに後片付けが始まっていた。
デクスターは、別の会場へ移動しているとのこと。
ここからが、社交の本番と言っても過言ではない。
晩餐会での堅苦しさを脱ぎ、酒を片手に自由に意見交換をする。
気安さの入り混じる、大人の時間である。
別の従者へ『席を外す』と伝え後を任せていたが、また通訳が必要となるかもしれない。
ジョアンは急いで第二会場へ向かった。
会場内にはソファーとローテーブルが置かれ、客が思い思いに寛いでいる。
ジョアンは素早く見回し、主の姿を探す。併せて、フレディがこの場にいるかどうかの確認も行う。
デクスターは隅のテーブルで、黒髪の男女と話をしていた。
ジョアンの代わりに、別の従者が主の後ろに控えている。
幸い、フレディや側近たちの姿はない。ひとまず、ホッとする。
少し距離をとった位置で、様子を窺うことにした。
話は終わったようで、男女は会場を後にする。
ジョアンはデクスターのもとへ急ぎ、交代した。
「長い時間席を外し、申し訳ございませんでした」
「いま聞いたぞ。大活躍だったそうだな?」
先ほどまでいた男女から、「愚息が大変世話になった」と言われたらしい。
「まさか、皇太子殿下ご夫妻が直々にいらっしゃるとは……」
「部屋へ戻られてから、従者より話を聞かされたのだろう。わざわざ礼を言いに、こちらへ来られたのだ」
「そうでしたか……」
男の子は、両親から厳しく叱られたようだ。
でも、そのあと、急に語学の勉強を始めたのだという。
「俺は、誰かさんがいつものように説教をしたからではないか、と思っている」
「お説教ではありません。少し話をしただけです」
「ふ~ん」
デクスターの顔はニヤニヤとしていて、ジョアンの言葉をまるで信じていないように見える。
相手は幼い子供。しかも、他国の皇子へ説教なんかしません!と声を大にして言いたかったが、ジョアンは我慢した。
誰かがこちらへ向かってくるのがわかっていたから。
「……デクスター殿下、お邪魔してもよろしいでしょうか?」
若い男性の声で、ジョアンに戦慄が走る。
動揺を覚られないよう頭を下げたまま、主の後ろからさらに一歩下がった。
「フレディ殿下、どうぞこちらへ」
立ち上がり、デクスターは席を勧めている。
ついに、この時が来てしまった。
ジョアンは事態に向き合う覚悟を決め、ゆっくりと顔を上げた。
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