公爵家子息は、獣人王弟の番いとなりて愛を知る

 公爵家の子息であるジョシュアは、二歳年上の女王陛下の第一王配としての人生が生まれながらに決められていた。
 人として尊敬できない女王に自身の生涯を捧げることに絶望しつつも、婚約者としての務めを淡々とこなしていたある日、ジョシュアは命を狙われる。

 暗殺者から逃れるため崖から飛び降りたジョシュアは、獣人王国へ流れつく。
 そこで出会った人物からまたしても襲われることになったジョシュアを助けたのは、この国の王弟デクスターだった。
 デクスターから聞かされたのは、ジョシュアの『匂い』が獣人たちを魅了する特異体質持ちであること。 
 自身の身を守るためデクスターからの提案を受け入れたジョシュアは、常に彼と行動を共にすることになる。

 過去の自分を捨てる決心をしていたジョシュアは、デクスターから自身のことを尋ねられ『過去の記憶を失った』と嘘をつき『ジョアン』と名乗る。

 王配教育で培った知識と経験を活かしデクスターの側近として新たな人生を歩み始めたジョアンは、穏やかで充実した日々を送る。そして、自由奔放なデクスターに振り回されながらも、いつしか彼を生涯をかけて支えていきたいと思うようになるのだが……



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