太古の女神様は人に転生しても歌がお好き

1章～女神様が消えた理由とその後、そして転生

女神様が消えた理由2（アリサ視点）

光の粒が舞う。私はそれを呆然と見ていた。さっきまで地面にあった血は跡形もなく消えていた。そのせいで私は嫌でも理解した。してしまった。


ー   お   母   様   が   死   ん   だ   ー


と。理解したくもない事実。にしても結界、か。相変わらずお母様は私達に気付かれない様に配慮してくれる。女神様。私の大好きなお母様。リヒトぼろぼろ涙を流しながら｢ごめんなさい、ごめんなさい、ごめ、なさ！！｣って言い続けてる。はぁー。リヒトは男の癖に私達より気が弱い。私達の中で1番自己評価が低いのはリヒトだろう。全く手のかかるお兄ちゃん。
｢リヒトー！今はそこじゃないでしょー！｣
｢へ？｣
はぁー。
｢へ？じゃないよ！！今私達がするべきはお母様の敵討ち！そもそもお母様が死んだのはあそこにいるリヒトを殺そうとした人間のせいじゃない！！敵討たずしてなにするの！｣
｢！！！そう、だね。うん！僕自身、反省すべき事は山盛りだけど、今は母上の敵討ちしないとね！｣
やっと目が覚めましたか。全くホントに自分が人間の中ではありえないくらい強くてありえないスペック持ってる自覚ないんだから。クレアとアインが目を合わせて頷く。私も気合いを入れ直して頷きかえす。
｢おい！てめぇら卑怯なマネせずに真正面から戦いやがれ！！｣
あーー。



腹立つ。


何が真正面からだ、卑怯？貴様に言われたくない！！リヒトは知らない、気付いてない。あのクズ野郎の目的はお母様の暗殺。あくまで私達は証拠隠滅のために殺すだけ。アイツはお母様が私達4人のうち誰かが危険な目にあえば自らの命を差し出してでも守ろうとするのを知っているから。リヒトはそれに利用されただけ。けどそれのせいでリヒトは自分を責めて苦しんでる。ほんっとーーに！腹立つなぁ！



もう、いいや。

怒りに任せて！！！
暴れよう！！