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~数時間後~

「はぁ、はあ、は、ぁ、。」

「今日はもう終わりましょう?お父様、お母様。」

「そうね、マドレーヌ。もう戻りましょうか。」

「そうしよう。おい、明後日にはここから出てもらう。精々俺たちの役に立つんだな。ゴミ。」

(ああ、今日で最後なんだ。これからはそういう事がないんだわ。よかっ、)

「はぁー、また気を失ったのか。ほんとに毛ほどの役にも立たんやつだな。」

ギィィー、バタン!

~~~~~~~~~~~~~

「ん。」

(あ、れ?)

私はどうしたんだったかしら?確か、今日もお仕置き虐待があって。それからこれが最後だって聞かされて…………

「その後気を失ったのね。」

別にそれはいいわ、いつもの事だし。問題は……

「さぁさぁ、お嬢様。もう出発5時間前ですよ。早く支度を済ませましょう。」

(え……?もう、、、、2日経ったの?)

そんなに寝ていたかしら?………………………あ。そう言えば今回の薬はいつものより辛いって言ってたわね。だからかしら。普段は長く寝て1日だったのに2日経っていたのは。にしても。

(やっぱり醜い私にはこういうドレスは似合わないわね。)

私が今着ているドレスは黒を基調に、赤を差し色にしたマーメイドラインのドレス。袖は無くて、胸元が開いたドレスは私みたいな化け物には似合わない。

「やっぱり気が重くなってきたわね。」

「さぁ。出発しますよ。」

あら?お父様達が来てないけど、もしかして。

「あの。お父様達は?」

「旦那様はお仕事で、奥様はお茶会でマドレーヌ様は具合が悪いとの事で参加なさらないそうです。」

「そう。」

やっぱりお父様たちが来る訳もない、か。そりゃあそうよね。お母様以外誰も愛することが出来ない醜い化け物が嫁ぐなんて嬉しい以外の何者でもないんだもの。来る訳ないじゃない。

ズキン

(それでもこんなに胸が痛いのは、多分私も実は愛されて居たのでは?なんてくだらない天と地がひっくり返ってもありえない事を考えてしまっていたからね。)

「私、いつからこんなに甘くなってしまったのかしら?」

~2時間後~
 
「お初にお目にかかります。セレナ・ラルフローゼにございます。不束者ですが、どうぞ宜しくお願い致します。」

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初めましての方は初めまして。前作の投稿を待って下さって居る方は、お久しぶりです。初めましての方の方が圧倒的に多いでしょうが。五月雨歌織と申します!まだ投稿を始めて少ししか経ってないこの作品をお気に入り登録している人がかなりいらっしゃってびっくりしました(笑)。次回は閑話、使用人達視点でラルフローゼ辺境伯家の様子を語りたいと思います。これからもよろしくお願い致します!
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