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番外編
永遠の予感
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一緒に行きたいところがある、と言われて、フィアリスはエヴァンと共に館に出た。さほど遠出するわけではなく、領内にある場所だという。
目的地に行く前に、寄りたい場所がもう一つあるから、とエヴァンが黒い馬を降下させた。
それがどこであるかわかった途端に、フィアリスの全身が強ばる。
そこは今まで一度も足を踏み入れたことがなく、訪れるのを拒み続けていた場所だった。馬からおりて振り向くエヴァンに、フィアリスは言った。
「君一人で行くといい。私はここで待ってるから……」
エヴァンはしばしフィアリスを見つめていたが、手首をつかんで引っ張った。
「あなたも来て下さい」
「でも、エヴァン、私は……」
恐怖で足がもつれそうになるが、強引に手を引かれて、嫌がる気力もなかった。頭が真っ白だった。
エヴァンはそのままフィアリスを連れて、奥へと進んでいってしまう。
そこは教会だった。
エヴァンが向かっているのは墓地だ。彼は何度もここへ訪れたことがあるのだろう。とある墓石の前まで来て、立ち止まる。
石には一人の女性の名が刻んであった。その名は――エリイシア・リトスロード。
エヴァンの母であり、ジュードの妻。エリイシアはこの土の下で、とこしえの眠りについている。
フィアリスが知っているのは彼女の死に顔だけだ。穏やかに眠るエリイシアは、エヴァンとやはり面立ちが似ていたのを覚えている。優しそうな佳人で、きっと誰からも愛される人だったのだろうと思った。
けれど葬儀以降は、一度たりともこの墓地の土を踏んだことはない。
「エヴァン……私は、許されないよ」
隣に立つエヴァンは、墓石を見つめている。
「エリイシア様は、私を許してくださらないだろう」
一体自分が、どんな顔をして墓参ができるというのだろう。この人の夫と誤った関係を持つ男が、ここに訪れるなど恥知らずにもほどがある。
膝が震えそうになって、フィアリスは後ずさりしかけた。
そんなフィアリスの手を、エヴァンがそっとつかむ。
「あなたは母を知らないでしょう」
エヴァンがフィアリスの目を見た。エメラルドの瞳はいつものように優しげで、いたわるように柔らかく指が絡められる。
「私は知ってる。母は、何でも許す人ですよ。父を許しなさいと、いつも私に言っていた。あなたのことも許しますよ」
そう言われても、まともに墓石へ目を向けられなかった。視線は泳いで、足元に落ちる。
彼女が善き人であると聞けば聞くほど、己の罪の重さを自覚するのだ。仮にエリイシアが許すとしても、自分の愚かな振る舞いがなかったことになるわけではない。
「母上、聞いて下さい。やっと私は想いを伝えられましたよ。そして、気持ちを受け取ってもらいました。私はフィアリスと共に生きます」
「エヴァン……」
困惑しながら、フィアリスはエヴァンの横顔に目をやった。エヴァンは軽くため息をついて、またフィアリスの顔に目を据える。
「私が幸せになることを、母は絶対に喜んでくれますよ」
胸にこみあげてくるものがあって、フィアリスは唇を噛んだ。
自分のしたことを、絶対に正当化はできない。間違っていたのだ。間違っているとわかっていて続けた。
愚かでなければ、もう少し上手く動けたはずだ。もっと深い傷を負うことを求めて、罪と痛みを慰めにした。
お詫びなど口にする権利がない。
けれど。
フィアリスは、エヴァンと繋いだ手を離して、半ば崩れるようにその場に膝をついた。両手で顔を覆う。
「エリイシア様……どうか……」
強く目をつぶって、涙がこぼれないようにどうにかこらえる。
「私が……エヴァンを愛することを、どうか……お許し下さい……」
これからこの子と共に生きることを、許してほしい。
エヴァンがいなければもう、少しも生きていけないと気づいてしまったのだ。
愛しくてたまらない。自責の念に苛まれても、後悔が痛みとなって押し寄せても、エヴァンへの想いは変わらない。
愛してる。愛したい。愛されたい。
呆れるほどにわがままだ。こんなに何かを欲したのは初めてだった。
(この子を愛しているんです。だから……)
エヴァンの気持ちを素直に受け入れたいと思う心と、愛にすがろうとするのを浅ましく思う心がぶつかって、今なお苦しくなる時もあった。
それでも、もう、手放したくなかった。
エヴァンのそばにいたかった。狂おしいほどの願いだった。
しゃがんだエヴァンに抱きしめられる。
(ゆるしてください)
フィアリスは顔から手を離して、エリイシアの墓を見下ろした。冷たい石は何も言わない。
風が吹いて、近くの林の木立の葉を、ざわざわと揺らした。
こらえきれなかった一粒の涙が、フィアリスの金色の睫から、はふり落ちた。
* * *
「わあ、綺麗だ!」
エヴァンが行きたいと言っていたのはここだったらしい。
教会を出てしばらく馬を走らせると、エヴァンが崖の上を指さした。
さして広い範囲でもないが、たくさんの花が咲き乱れている。
滅多に通過しない辺りだから、こんなところに花畑があるだなんて知らなかった。ここは瘴気が薄く、地下の無限迷宮も長年出現していない場所だ。よって魔物が出ることもなく、用がないので近寄らない。
エヴァンはいつも通らないルートで、この景色の美しい崖を見つけたらしかった。
リトスロード侯爵家の領内といえば、人の住む場所を除けばどこも荒涼としているから珍しい。
まるで誰かがここにだけ種を蒔いて花を育てたみたいだ。
「これほどの数の花が自生する場所があったなんて、驚きだな」
目をみはりながら、フィアリスは咲き乱れる花々の中を歩いた。
エヴァンは花が好きなのだ。おとなしい子だったから、昔は剣術の稽古などより、館で育てている植物の世話をするのを好んでいた。
「ねえ、エヴァン。すごいね」
にこにこしながら近づくフィアリスの顔を、エヴァンは黙ってじっと見つめている。
「どうかした?」
「あなたのことが、好きだなって思って」
「はあ」
「昨日もあなたが大好きだったんです。でも今日はもっと好きな気がする」
今度はフィアリスが黙って見つめる番だった。わずかに首を傾げる。
「……君はどこでそういう台詞を覚えてくるんだい?」
「誰からも教わっていませんよ。自分の中から自然に出てくるし、事実しか言っていません」
改めて思うが、エヴァンはとても純真なのだろう。恥ずかしいくらいの言葉を、直球でぶつけてくるのだから。
小さな頃は臆病だったけれど、真面目といえば真面目だった。その辺は変わっていない。
「そんなに好きって言ってくれなくても大丈夫だよ。毎日聞いてるから、知ってるよ」
「いくら言っても言い足りません。私はずっと我慢してきたんだから。これでも控えているくらいなんです」
まいったなぁ、とフィアリスは人差し指で頬をかいた。
困った、というのが三割。嬉しい、というのが七割といったところだ。あまり人前で愛を囁かれても反応しにくいから、ほどほどにしてほしいとは頼んでいる。
でも、ここならいいか。誰も聞いてやしないから。
エヴァンは何故かため息をついた。
「あなたはまだぴんと来ていないんだ。私がどれだけあなたのことが好きなのか」
「いや、わかってるよ」
「いいえ、わかってない。だからこれからわかってもらいます。そして、もっと私のことを好きになっていただきます」
手をとって、エヴァンがフィアリスの指先に口づけをする。
今もこんなに好きなのに、これ以上好きになるなんてことがあるだろうか?
――あるかもしれない、と思う自分がなんだか怖い。
この想いは、果てしなく広がっていく予感がするのだ。それは幸福な予感だった。不意に涙が出そうなほどに。
「私はもっと大人になって、もっと強くなります。あなたを必ず守ります」
決意を口にする教え子は、目を細めて微笑んだ。いつもの、愛らしい笑顔。いくつになってもどこかあどけなさを含んだ、純一無雑な愛を示すその表情。
「あなたが大好きです、フィアリス」
明日も明後日も、その先もずっと。
君といよう。君のそばで、共に笑おう。
それが私と君の幸せだから。
「私もだよ、エヴァン。大好きだ」
エヴァンとフィアリスは口づけを交わした。二人の気持ちは、溶け合って一つになる。
日だまりの中に、花の芳香が満ちている。
この先、どれだけの困難と苦しみが待ち受けていたとしても、確かなものが胸にある限り、私は乗り越えられるはずだ。
私にはわかる。君との愛は私の胸で、星のように煌めいて、貴石のように、輝き続けていくだろう。
――永遠に。
目的地に行く前に、寄りたい場所がもう一つあるから、とエヴァンが黒い馬を降下させた。
それがどこであるかわかった途端に、フィアリスの全身が強ばる。
そこは今まで一度も足を踏み入れたことがなく、訪れるのを拒み続けていた場所だった。馬からおりて振り向くエヴァンに、フィアリスは言った。
「君一人で行くといい。私はここで待ってるから……」
エヴァンはしばしフィアリスを見つめていたが、手首をつかんで引っ張った。
「あなたも来て下さい」
「でも、エヴァン、私は……」
恐怖で足がもつれそうになるが、強引に手を引かれて、嫌がる気力もなかった。頭が真っ白だった。
エヴァンはそのままフィアリスを連れて、奥へと進んでいってしまう。
そこは教会だった。
エヴァンが向かっているのは墓地だ。彼は何度もここへ訪れたことがあるのだろう。とある墓石の前まで来て、立ち止まる。
石には一人の女性の名が刻んであった。その名は――エリイシア・リトスロード。
エヴァンの母であり、ジュードの妻。エリイシアはこの土の下で、とこしえの眠りについている。
フィアリスが知っているのは彼女の死に顔だけだ。穏やかに眠るエリイシアは、エヴァンとやはり面立ちが似ていたのを覚えている。優しそうな佳人で、きっと誰からも愛される人だったのだろうと思った。
けれど葬儀以降は、一度たりともこの墓地の土を踏んだことはない。
「エヴァン……私は、許されないよ」
隣に立つエヴァンは、墓石を見つめている。
「エリイシア様は、私を許してくださらないだろう」
一体自分が、どんな顔をして墓参ができるというのだろう。この人の夫と誤った関係を持つ男が、ここに訪れるなど恥知らずにもほどがある。
膝が震えそうになって、フィアリスは後ずさりしかけた。
そんなフィアリスの手を、エヴァンがそっとつかむ。
「あなたは母を知らないでしょう」
エヴァンがフィアリスの目を見た。エメラルドの瞳はいつものように優しげで、いたわるように柔らかく指が絡められる。
「私は知ってる。母は、何でも許す人ですよ。父を許しなさいと、いつも私に言っていた。あなたのことも許しますよ」
そう言われても、まともに墓石へ目を向けられなかった。視線は泳いで、足元に落ちる。
彼女が善き人であると聞けば聞くほど、己の罪の重さを自覚するのだ。仮にエリイシアが許すとしても、自分の愚かな振る舞いがなかったことになるわけではない。
「母上、聞いて下さい。やっと私は想いを伝えられましたよ。そして、気持ちを受け取ってもらいました。私はフィアリスと共に生きます」
「エヴァン……」
困惑しながら、フィアリスはエヴァンの横顔に目をやった。エヴァンは軽くため息をついて、またフィアリスの顔に目を据える。
「私が幸せになることを、母は絶対に喜んでくれますよ」
胸にこみあげてくるものがあって、フィアリスは唇を噛んだ。
自分のしたことを、絶対に正当化はできない。間違っていたのだ。間違っているとわかっていて続けた。
愚かでなければ、もう少し上手く動けたはずだ。もっと深い傷を負うことを求めて、罪と痛みを慰めにした。
お詫びなど口にする権利がない。
けれど。
フィアリスは、エヴァンと繋いだ手を離して、半ば崩れるようにその場に膝をついた。両手で顔を覆う。
「エリイシア様……どうか……」
強く目をつぶって、涙がこぼれないようにどうにかこらえる。
「私が……エヴァンを愛することを、どうか……お許し下さい……」
これからこの子と共に生きることを、許してほしい。
エヴァンがいなければもう、少しも生きていけないと気づいてしまったのだ。
愛しくてたまらない。自責の念に苛まれても、後悔が痛みとなって押し寄せても、エヴァンへの想いは変わらない。
愛してる。愛したい。愛されたい。
呆れるほどにわがままだ。こんなに何かを欲したのは初めてだった。
(この子を愛しているんです。だから……)
エヴァンの気持ちを素直に受け入れたいと思う心と、愛にすがろうとするのを浅ましく思う心がぶつかって、今なお苦しくなる時もあった。
それでも、もう、手放したくなかった。
エヴァンのそばにいたかった。狂おしいほどの願いだった。
しゃがんだエヴァンに抱きしめられる。
(ゆるしてください)
フィアリスは顔から手を離して、エリイシアの墓を見下ろした。冷たい石は何も言わない。
風が吹いて、近くの林の木立の葉を、ざわざわと揺らした。
こらえきれなかった一粒の涙が、フィアリスの金色の睫から、はふり落ちた。
* * *
「わあ、綺麗だ!」
エヴァンが行きたいと言っていたのはここだったらしい。
教会を出てしばらく馬を走らせると、エヴァンが崖の上を指さした。
さして広い範囲でもないが、たくさんの花が咲き乱れている。
滅多に通過しない辺りだから、こんなところに花畑があるだなんて知らなかった。ここは瘴気が薄く、地下の無限迷宮も長年出現していない場所だ。よって魔物が出ることもなく、用がないので近寄らない。
エヴァンはいつも通らないルートで、この景色の美しい崖を見つけたらしかった。
リトスロード侯爵家の領内といえば、人の住む場所を除けばどこも荒涼としているから珍しい。
まるで誰かがここにだけ種を蒔いて花を育てたみたいだ。
「これほどの数の花が自生する場所があったなんて、驚きだな」
目をみはりながら、フィアリスは咲き乱れる花々の中を歩いた。
エヴァンは花が好きなのだ。おとなしい子だったから、昔は剣術の稽古などより、館で育てている植物の世話をするのを好んでいた。
「ねえ、エヴァン。すごいね」
にこにこしながら近づくフィアリスの顔を、エヴァンは黙ってじっと見つめている。
「どうかした?」
「あなたのことが、好きだなって思って」
「はあ」
「昨日もあなたが大好きだったんです。でも今日はもっと好きな気がする」
今度はフィアリスが黙って見つめる番だった。わずかに首を傾げる。
「……君はどこでそういう台詞を覚えてくるんだい?」
「誰からも教わっていませんよ。自分の中から自然に出てくるし、事実しか言っていません」
改めて思うが、エヴァンはとても純真なのだろう。恥ずかしいくらいの言葉を、直球でぶつけてくるのだから。
小さな頃は臆病だったけれど、真面目といえば真面目だった。その辺は変わっていない。
「そんなに好きって言ってくれなくても大丈夫だよ。毎日聞いてるから、知ってるよ」
「いくら言っても言い足りません。私はずっと我慢してきたんだから。これでも控えているくらいなんです」
まいったなぁ、とフィアリスは人差し指で頬をかいた。
困った、というのが三割。嬉しい、というのが七割といったところだ。あまり人前で愛を囁かれても反応しにくいから、ほどほどにしてほしいとは頼んでいる。
でも、ここならいいか。誰も聞いてやしないから。
エヴァンは何故かため息をついた。
「あなたはまだぴんと来ていないんだ。私がどれだけあなたのことが好きなのか」
「いや、わかってるよ」
「いいえ、わかってない。だからこれからわかってもらいます。そして、もっと私のことを好きになっていただきます」
手をとって、エヴァンがフィアリスの指先に口づけをする。
今もこんなに好きなのに、これ以上好きになるなんてことがあるだろうか?
――あるかもしれない、と思う自分がなんだか怖い。
この想いは、果てしなく広がっていく予感がするのだ。それは幸福な予感だった。不意に涙が出そうなほどに。
「私はもっと大人になって、もっと強くなります。あなたを必ず守ります」
決意を口にする教え子は、目を細めて微笑んだ。いつもの、愛らしい笑顔。いくつになってもどこかあどけなさを含んだ、純一無雑な愛を示すその表情。
「あなたが大好きです、フィアリス」
明日も明後日も、その先もずっと。
君といよう。君のそばで、共に笑おう。
それが私と君の幸せだから。
「私もだよ、エヴァン。大好きだ」
エヴァンとフィアリスは口づけを交わした。二人の気持ちは、溶け合って一つになる。
日だまりの中に、花の芳香が満ちている。
この先、どれだけの困難と苦しみが待ち受けていたとしても、確かなものが胸にある限り、私は乗り越えられるはずだ。
私にはわかる。君との愛は私の胸で、星のように煌めいて、貴石のように、輝き続けていくだろう。
――永遠に。
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