黒頭巾は異世界で…

雪城 いぶき

文字の大きさ
2 / 82

2話

しおりを挟む
「ええー?!どういう事!なんで、私ひとりなのよー!?おかしいでしょうぉー!…ぅおっ!?」

ダァン!!

黒竜の尻尾が振り下ろされる所を咄嗟に大きく避ける。
叩きつけられた地面から爆風が巻き起こった。

ひゃあぁーーー!飛ばされる所だったー!?

もう少しでボスと戦う前にゲームオーバーになっていたと内心冷や汗をかいていたメイジーだったが、ここにプレイヤーがいたのなら、皆一様に愕然としている事だろう。
まず避けられないほどの攻撃速度にレベルが違い過ぎて蘇生ポイントに戻っているプレイヤーがほとんどだったからだ。
なぜ、メイジーが攻撃を避ける事が出来るのかと言うと、長い年月をかけてプレイし楽しくなりすぎて、いろんなスキルを取得しレベルをカンストに近いところまで上げているからと言うのもあるが…。ある程度の上位プレイヤーなら避けられるという事である。

うぅーん。これじゃ近づくのが大変だなぁ。
お?また尻尾攻撃来るか?

攻撃に備えて構えていると、スケルトンの黒竜は不意に尻尾をほんの少し浮かせたと思うと魔力を纏う黄色いオーラが発動した。その瞬間、地面の砂利が浮き始めたかと思うとすぐに地面に落ちた。メイジーは眉間に皺を寄せ訝しげる。


何だったんだ?と黒竜を観察していると、不意に目の端に何かを感じ空を見上げた。

うそーーん!?え?あれって…メテオォォォ!?この序盤にぃぃ?!

メイジーは焦ったが即座に魔法を展開させる。

六花錐壁りっかすいへき!もう一丁、八重結界!」

ドガドガドガーン!ドッガーン!ドッガーーン!!

先端に六角錐の形をした障壁と八枚の障壁の結界を創ったが先端の障壁が耐えきれず破壊され、八枚の結界も次々と破壊されて残り二枚の所で攻撃が止む。

ふい~、ギリギリ~!MP半分使ってこれか~。
近づく事が出来ないのであれば、魔法で…。

「テンペスト!…からのサンダーボルト!!」

ズドーーーン!!

「はぁ…はぁ…はぁ……M、P残り、僅か、か。」

アイテムボックスから最高級MPポーションを取り出し飲み干し、瓶をアイテムボックスに収納する。
その間も黒竜の尻尾が炸裂するが避けていく。

んーっもうぉーー!一人じゃあ厳しいってぇの!

「召喚:四大精霊王!」

「アースウォール!主、無事ですか!」
「主!…インフェルノ!」
「ご主人様、大丈夫かえ?…アブソリュートゼロ!」
「ご主人様、ハイヒール。大丈夫ですか?」

「召喚に応じてくれて、有難う!ちょっと厳しいね~」

順に、ノーム、サラマンダー、ウンディーネ、シルフの精霊王が召喚され、ノームが瞬時に土壁を作り、サラマンダーとウンディーネが攻撃魔法を放つ。シルフがメイジーにHPの回復を施す。
ここにいる四大精霊王達は、メイジーのテイムしている精霊である。
このゲームの最新AIとして存在している。ただ決められたセリフを話す案内役といった従来のキャラクターではなく、ゲーム内とはいえ、ちゃんと個人として成長するハイスペックの人口知能AIを搭載した存在という立ち位置。だからゲーム内の住民もハイスペックAIで現実とさほど変わらない。
…現実と変わらないゲームだと、かなり話題になっている。だが、現実と変わらないという事は言うまでもなくゲームのキャラクターであっても死が訪れれば、ゲーム内から消えると言うことになる。



サラマンダーとウンディーネがレベルの高い魔法を打ち込んだにも関わらずパラメーターの一段分しか削れず、氷づいていた黒竜はすぐに復活した。
ノームが展開していたアースウォールは黒竜から連続攻撃を受け土壁が徐々に崩れていく。

「主、壁が持たない!」

ノームは焦るように叫ぶ。メイジーは、その時、黒竜が口を開けブレスを発動させているのを目にし、この危機を脱するための糸口がないか思考加速させていた。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

修正

「アースウォール!主様大丈夫か!」

「アースウォール!主様、無事ですか!」
↓からの
「アースウォール!主、無事ですか!」

読み方
主様あるじさま

2021年5月15日 改稿

しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

異世界転移物語

月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……

処理中です...