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17話 メイジー、目を覚ます
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「此処で休憩にする。結界針張ってくれ。」
「わかった。」
ライアスは、アイテムバッグから結界針を取り出し、地面に刺していく。
緊張が少しずつ解れていく。
「目の前に居る女の子。フェンリルと主従って。」
アディスは、エヴァドネが喋っているのを横目に、女の子に毛布を掛け、タオルを丸め枕代わりにし、頭を乗せる為に上体を持ち上げた。
乗馬頭巾のフードがずれ、女の子の顔が露わになる。
自分と同じ髪色を持つ女の子にアディスは息を呑んだ。
「この子…。」
エヴァドネはアディスを見る。
「アディスと同じ髪…闇色の子。だからフェンリルは私達に?」
すぐさま、枕代わりのタオルに頭を乗せフードを元に戻す。
「どうだろうな。」
アディスは思い耽りながら立ち上がり、ライアスが薪を拾い終わった所に近寄る。
「昼にしよう。」
「う、ん…。」
食欲がそそる匂いが…
お腹がすいたなぁ。
メイジーは、硬い地面に寝返りをうち、手を地面に彷徨わせる。
ん?硬い?…ん芝生?
ゆっくり目を開ける。
目の前には複数の木が見え、奥の方にも木が見える。仰向けになって、思い出す。
あー、異世界なんだっけ?オルトもフェンダーも居ないという事は…
「目が覚めた?」
女性に声を掛けられ、警戒しながら上体を起こし周りを確認する。
女性が一人、男性が二人。
マップも緑が三つ。
他は周辺に赤い点のみ。
「体調はどう?」
「大丈夫。」
不意に下に視線を送ると薄い毛布がズレ落ちた。
毛布を掴む。
「これ…。」
「あそこに居る、こめかみに傷がある、男の人が掛けたの。」
「そうですか、ありがとうございます。」
ぐーぐりゅるるるーー。ぐりゅるーーー。
会釈をしている時に、お腹から盛大に音が鳴り、咄嗟に音が出ない様にお腹に力を入れ、庇う様に前のめりになるが、より一層お腹が鳴る。
ひゃーーー!ちょー恥ずかしい!
フードで顔が隠れていて顔色が分からないが、真っ赤なのだろうと想像する。
女性からは大笑いされ、男性陣からは肩を震わせ微笑された。
「まずは、腹ごしらえだね。スープしか無いけど。」
お椀に並々と注がれたスープを女性から受け取る、野菜と肉の具材が少し入っていた。
「ありがとうございます。昨日から何も食べていなかったので…。」
アイテムボックスには、保存食系の物や日本の食材もあったが食べるタイミングが無かった。
一口スープを飲む、胃に染み渡る感覚に笑みが零れる。無心で食べていた。
その姿を見た、三人はどういう人生をこの女の子が生きて来たのか想像し、心配をしたのだった。
「わかった。」
ライアスは、アイテムバッグから結界針を取り出し、地面に刺していく。
緊張が少しずつ解れていく。
「目の前に居る女の子。フェンリルと主従って。」
アディスは、エヴァドネが喋っているのを横目に、女の子に毛布を掛け、タオルを丸め枕代わりにし、頭を乗せる為に上体を持ち上げた。
乗馬頭巾のフードがずれ、女の子の顔が露わになる。
自分と同じ髪色を持つ女の子にアディスは息を呑んだ。
「この子…。」
エヴァドネはアディスを見る。
「アディスと同じ髪…闇色の子。だからフェンリルは私達に?」
すぐさま、枕代わりのタオルに頭を乗せフードを元に戻す。
「どうだろうな。」
アディスは思い耽りながら立ち上がり、ライアスが薪を拾い終わった所に近寄る。
「昼にしよう。」
「う、ん…。」
食欲がそそる匂いが…
お腹がすいたなぁ。
メイジーは、硬い地面に寝返りをうち、手を地面に彷徨わせる。
ん?硬い?…ん芝生?
ゆっくり目を開ける。
目の前には複数の木が見え、奥の方にも木が見える。仰向けになって、思い出す。
あー、異世界なんだっけ?オルトもフェンダーも居ないという事は…
「目が覚めた?」
女性に声を掛けられ、警戒しながら上体を起こし周りを確認する。
女性が一人、男性が二人。
マップも緑が三つ。
他は周辺に赤い点のみ。
「体調はどう?」
「大丈夫。」
不意に下に視線を送ると薄い毛布がズレ落ちた。
毛布を掴む。
「これ…。」
「あそこに居る、こめかみに傷がある、男の人が掛けたの。」
「そうですか、ありがとうございます。」
ぐーぐりゅるるるーー。ぐりゅるーーー。
会釈をしている時に、お腹から盛大に音が鳴り、咄嗟に音が出ない様にお腹に力を入れ、庇う様に前のめりになるが、より一層お腹が鳴る。
ひゃーーー!ちょー恥ずかしい!
フードで顔が隠れていて顔色が分からないが、真っ赤なのだろうと想像する。
女性からは大笑いされ、男性陣からは肩を震わせ微笑された。
「まずは、腹ごしらえだね。スープしか無いけど。」
お椀に並々と注がれたスープを女性から受け取る、野菜と肉の具材が少し入っていた。
「ありがとうございます。昨日から何も食べていなかったので…。」
アイテムボックスには、保存食系の物や日本の食材もあったが食べるタイミングが無かった。
一口スープを飲む、胃に染み渡る感覚に笑みが零れる。無心で食べていた。
その姿を見た、三人はどういう人生をこの女の子が生きて来たのか想像し、心配をしたのだった。
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