黒頭巾は異世界で…

雪城 いぶき

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44話 判断の末

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重傷、血や大怪我の表現あります。
苦手な方はご注意ください。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「サーシャ!ジグル!」

気の弱そうな女の子サーシャと顎まである髪の男性ジグルが魔法で吹き飛ばされ、咄嗟に女性が叫び走り寄る。
何が起きたのか、混乱する三人の冒険者。
すぐに、森の奥と横から魔物が現れ、今までの魔物の数よりも多い。
魔法攻撃を受けたメンバーが、重傷を負い逃げきれずに囲まれてしまった。
リーダーらしき男性は武器を構え、横目でメンバーを確認する。

「カロリナ!サーシャとジグルは無事か?!」

「サーシャ!…ジグル!」

「……っ!」

「ジグル!」

「…ああ、…っ足が!」

カロリナは二人に呼び掛け、ジグルの意識があった為叫ぶ。
それに答えるように、呻きながらも応えるが足の激痛に悶えていた。
カロリナは混乱と恐怖で掌の震えが止まらないが冷静を保つ。

「さっきまで気配がなかったじゃないか!?なんでこんなに魔物が出てくるんだよ!」

「そんなの知らないわよ!」

「ハミッシュ、カロリナ!落ち着け!…
サーシャは無事か?!」

「意識がない!お腹と腕が…」

サーシャの脇腹から血が出ていて、腕は変な方向に曲がっている。
カロリナは震える掌でバッグからポーションを何本か取り出し脇腹の血が出ている場所に振りかける。

「どうしよう。血が止まらない…。」

持っていたポーションを使い切り、脇腹を掌で抑える。

「くっ!」

リーダーはどう切り抜けるか思考を巡らせ魔物を確認し唇を噛んだ。

「ゴブリンメイジっ!」

「あいつが、不意打ちを!?」

リーダーが呟いた魔物の名前を聞き、ハミッシュは震えながらも怒りを露わにし武器を構えていた。
厳しい戦いの場合、いつもはサーシャの支援魔法"プロテクト"の盾を展開させ戦闘を行っていた。
今はサーシャの負傷で、魔法が使えないという事が痛い。
リーダーは、危険な状況に歯を食いしばり顔を歪ませていた。




「くそっ!リーダーどうする!」

ハミッシュはリーダーの指示を待っていた。
この極めて厳しい状況にリーダーは動けないでいたのだ。

「…どうする。」

サーシャの言う通り浅瀬で依頼をこなしていれば…こんな事にならなかった。俺の判断ミスだ。どうしたらいい?

その間にも、魔物がジリジリと詰め寄ってくる。

「あのゴブリンメイジを、なんとか出来れば。………くそっ!ハミッシュここを守れ!」

ゴブリンメイジが魔法を詠唱する為に杖を掲げ始めた。
今魔法を放たれたら防ぎきれないと思い、リーダーはゴブリンメイジに突っ込んで行った。

「リーダー!?」
「グエイン!」

武器を構えて警戒していたハミッシュは、リーダーが魔物に突っ込んで行った事に、びっくりして引き止められなかった。カロリナも突然のリーダーの行動に名前を叫んだ。


突然の行動に魔物は、突っ込んでくる人間に襲い掛かった。

ゴブリンメイジの前にはホブゴブリンやゴブリンがおり、グレーウルフが先に行く手を阻む。

詠唱が終わる前に…っ!

グレーウルフを斬り下げ、別のグレーウルフを斬り上げ討伐していく。

ゴブリンメイジの前に出られないっ!

ゴブリンメイジの魔法の詠唱が終わり絶対絶命かと、やぶれかぶれに叫ぶ。

「クソがーーーー!!」

その時、空気を切り裂く音がグエインの耳元をかすめた。

ヒュン!

ギッ

ゴブリンメイジの額に矢が刺さり、仰向けに吹っ飛ぶ光景に冒険者と魔物は一瞬何が起きたのか呆気に取られた。

「加勢する!」

すぐに後ろから男性の張り上げた声に我に返る。
グエインは、左側からゴブリンを斬り下げ、右側から襲ってけるグレーウルフを斜めに斬り上げながら助力を求める。

「頼む!」

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