52 / 82
49話 デジャブ
しおりを挟む
「初依頼達成おめでとう!」
宿屋に入って直ぐ女将コリーナさんが出迎えてくれた。
メイジーの初依頼が無事やり遂げた事にお祝いの言葉を掛けてくれたのだ。
やはり背中をバシバシと叩くスキンシップ付きである。
「あ、ありがとう。」
「ここのテーブルが空いてる。直ぐに料理を持ってくるよ!」
コリーナさんは厨房に入って行った。
「私の背中ってそんなに叩きやすい背中をしてるんですかね?」
テーブル席につきながら独り言のように皆んなに告げる。
アディス達は顔を見合わせ笑いながら席に着く。
「女将さんの激励だな。」
「新人冒険者の励ましみたいなもんだよ。可愛い女の子が冒険者で頑張ってるっていう。」
ライアスとエヴァドネが女将コリーナの気持ちを代弁する。
可愛いは余計だよ。なんだか恥ずかしい。
メイジーは聞き慣れない単語を聞いて、なんだか恥ずかしくなるがポーカーフェイスで堪える。
でも、みんな私の事心配し過ぎだよ。
《ご主人様が無茶しないか、皆んな心配なんですよ。》
《?バズヴ?…無茶はしないよ~。だって私にだって出来ない事は出来ないもの。》
《出来ない事を出来る方法で考えますよね?》
《考えなくても思い付くのだから仕方ないよ~。》
《ご主人様!!》
《バズヴ、念話で怒鳴んないでよ~。》
《ご主人様のそういうところが心配なのです。》
《主様。》
《オルト。ディーネにもお願いしたい事があるから後でね。》
《……分かりました。》
念話を終わらせた後に、女将さんが料理を持ってやってきた。
「お待たせ!ゆっくり食べていきな!」
「頂きます!」
「「「頂きます。」」」
女将さんは首を傾げる。そこにエヴァドネが食前と食後の挨拶について話していた。
食後に飲み物を飲みながら、アディス達に話掛ける。
「今日、武器見せられなかったね。明日も森に行くんでしょう?」
「そう、だな。」
「?明日の予定、まだ決めてなかったり?」
「いや、そうじゃないんだが。」
アディスの歯切れが悪い。
どうしたんだろう?
エヴァドネが横でクスクス肩を揺らして笑っており、ライアスは片方の口角を上げて笑っている。
え?何?
「アディスはメイジーの事が心配なのよ。」
「え?まだ心配してたの?大丈夫だよ~、ほら。」
メイジーはオーバーなくらいに手振り身振りで証明する。
その動きを見て皆んな笑い出す。
アディスは、片方の口角を上げて降参とばかりに軽く両手を上げる。
「明日は森に出る。だが、メイジーの体調次第だ。」
「なんともないのに~。」
メイジーは頰を膨らませて抗議した。
またみんなで笑いだしメイジーの頭をエヴァドネが撫でるのであった。
部屋に戻り、ベッドに寝転ぶ。そこにスライムのミストが出てきてすり寄って来る。
「ミストまで心配してるの?…ゴメンね?」
プニプニ、モミモミしながら宥める。
「主様。…主様の事が心配でなりません。私達を上手く使って下さい。」
オルトも出て来たのでベッドから起き上がり、結界を張る。
「そんなに心配する事、無いじゃない。」
「主様は無理や無茶をしやすい傾向があります。体を労って下さい。」
「わかった。気をつけるよ(多分)」
オルトはジト目で睨み、メイジーは目を逸らす。
オルトの視線に耐えきれずディーネを呼ぶ。
「ディーネ。」
「ご主人様、妾もオルトに同意じゃ。…して、どうしたのじゃ?お願いがあるとか。」
「ちょっとした事なんだけど。私が薬草を採取した後、根と少し葉と茎が残るでしょう?で、ここからがお願いなんだけど。オルトの"緑の手"で掘り出して森の浅瀬に埋め直す。その時にディーネの"癒しの水"で枯れない様にする。出来るかな…どう?」
「どう?と言われましても。」
「え?出来ない?」
「出来ますが、どうしてそこまで?」
「誰かに依頼された訳でもないのじゃ。」
「そう、なんだけど…。あの受付のお姉さんの反応を見るとね~。それに、ポーションの質が低いのって…」
そう、月虹龍のサーシャに何本ものポーションを使ったけれど、効果が少なかったのは薬草の質が悪かったのもあるんじゃないだろうか?
それにポーションの材料が無くなれば、廻り回って回復魔法が使える者に負担が掛かって私まで駆り出される恐れがある。そうなると…。
主が思考に浸っている間にオルトとディーネは肩を竦めあい頷いて、オルトが代表して伝える。
「主様、お手伝い致しますよ。」
思考に沈んでいたメイジーはオルトの声で我に返る。
「オルト、ディーネありがと。」
顔をほころばせるとオルトもディーネもつられて笑顔になる。
翌朝、日が出ないうちから目が醒める。
何故だ!?
そういう体質だと思えばいいのか!?
こうなったら開き直りだ!!
バッと起き上がり、また、バズヴにメモを頼み服を着替えて裏庭に向かう。
体をほぐし順に、体術、トンファー、鉄扇、刀と鍛錬をしていく。
いつの間にか朝日も出始め、そろそろ戻って着替えれば誰にも会わずに部屋に戻れるだろうと振り返る、いつからそこに居たのか壁にもたれかかっているアディスがいた。
へ?
何故アディスが、ここに?
え?
メイジーは混乱で固まっていた。
突然バズヴから念話ではなく声で伝えてきた。
「ご主人様のメモを持って、昨日と同じ様にテーブルの上に置きに行ったら、そのテーブルにメモが置いてあったの…。」
「俺が、朝日が出る少し前に起こしてくれと頼んだんだ。」
バズヴの話しを遮りアディスが話に割って入り、メイジーに近寄る。
「…お、おはよう?アディス。」
真剣な表情で近寄られ、動揺したメイジーは口籠もりながら挨拶をする。
デジャブだわ。これ。
一歩後ずさるがアディスに両手で顔を固定され見つめられている。
な、なんでイケメン顔を、間近で、見つめられなければいけないのーー!!
と、ボボボっと顔を赤くする。
恥ずか死ねる………。
「顔が赤い。」
誰の所為だとおもってんのーー!
そりゃそうでしょうよ!
イケメンにこんな事されたら、誰だって顔を赤くするってーの!
ここは大人の対応を…。
冷静に、冷静、に。
心臓の鼓動が聞こえるんじゃないかと思うほどドキドキしている。
まだ、アディスに顔を固定されている為、このまま話す事にした。
「顔が赤いのは誰の所為だと?」
「?」
ここで首を傾げられても困るのだが。
はぁ…。
「アディス?私の顔に固定してまで見つめなければならない何かがあるのかな?」
アディスはメイジーに言われて気付く、メイジーの頰に両手で押さえ上向きにさせている事に。
「…………あー、すまない。…ちゃんと眠っているのか目の下にクマがないか確かめたかった。」
こんな朝早くに起きて、体を動かしていたら、眠りが浅くて眠れてないのかって…たしかに誤解するよね。
だけど……
「熟睡もしているし体調も大丈夫だけど。…いつまで私の顔を固定しているのかな?」
「食堂に行っているから着替えてこい。」
メイジーに言われ、即座に手を離し背中を向け室内に戻って行った。
フードを被っていたアディスが顔をそらした瞬間、フードがなびきアディスの耳が赤かった事にメイジーはアディスの背中を見つめて固まっていた。
え!?何故アディスが恥ずかしがってんの?
宿屋に入って直ぐ女将コリーナさんが出迎えてくれた。
メイジーの初依頼が無事やり遂げた事にお祝いの言葉を掛けてくれたのだ。
やはり背中をバシバシと叩くスキンシップ付きである。
「あ、ありがとう。」
「ここのテーブルが空いてる。直ぐに料理を持ってくるよ!」
コリーナさんは厨房に入って行った。
「私の背中ってそんなに叩きやすい背中をしてるんですかね?」
テーブル席につきながら独り言のように皆んなに告げる。
アディス達は顔を見合わせ笑いながら席に着く。
「女将さんの激励だな。」
「新人冒険者の励ましみたいなもんだよ。可愛い女の子が冒険者で頑張ってるっていう。」
ライアスとエヴァドネが女将コリーナの気持ちを代弁する。
可愛いは余計だよ。なんだか恥ずかしい。
メイジーは聞き慣れない単語を聞いて、なんだか恥ずかしくなるがポーカーフェイスで堪える。
でも、みんな私の事心配し過ぎだよ。
《ご主人様が無茶しないか、皆んな心配なんですよ。》
《?バズヴ?…無茶はしないよ~。だって私にだって出来ない事は出来ないもの。》
《出来ない事を出来る方法で考えますよね?》
《考えなくても思い付くのだから仕方ないよ~。》
《ご主人様!!》
《バズヴ、念話で怒鳴んないでよ~。》
《ご主人様のそういうところが心配なのです。》
《主様。》
《オルト。ディーネにもお願いしたい事があるから後でね。》
《……分かりました。》
念話を終わらせた後に、女将さんが料理を持ってやってきた。
「お待たせ!ゆっくり食べていきな!」
「頂きます!」
「「「頂きます。」」」
女将さんは首を傾げる。そこにエヴァドネが食前と食後の挨拶について話していた。
食後に飲み物を飲みながら、アディス達に話掛ける。
「今日、武器見せられなかったね。明日も森に行くんでしょう?」
「そう、だな。」
「?明日の予定、まだ決めてなかったり?」
「いや、そうじゃないんだが。」
アディスの歯切れが悪い。
どうしたんだろう?
エヴァドネが横でクスクス肩を揺らして笑っており、ライアスは片方の口角を上げて笑っている。
え?何?
「アディスはメイジーの事が心配なのよ。」
「え?まだ心配してたの?大丈夫だよ~、ほら。」
メイジーはオーバーなくらいに手振り身振りで証明する。
その動きを見て皆んな笑い出す。
アディスは、片方の口角を上げて降参とばかりに軽く両手を上げる。
「明日は森に出る。だが、メイジーの体調次第だ。」
「なんともないのに~。」
メイジーは頰を膨らませて抗議した。
またみんなで笑いだしメイジーの頭をエヴァドネが撫でるのであった。
部屋に戻り、ベッドに寝転ぶ。そこにスライムのミストが出てきてすり寄って来る。
「ミストまで心配してるの?…ゴメンね?」
プニプニ、モミモミしながら宥める。
「主様。…主様の事が心配でなりません。私達を上手く使って下さい。」
オルトも出て来たのでベッドから起き上がり、結界を張る。
「そんなに心配する事、無いじゃない。」
「主様は無理や無茶をしやすい傾向があります。体を労って下さい。」
「わかった。気をつけるよ(多分)」
オルトはジト目で睨み、メイジーは目を逸らす。
オルトの視線に耐えきれずディーネを呼ぶ。
「ディーネ。」
「ご主人様、妾もオルトに同意じゃ。…して、どうしたのじゃ?お願いがあるとか。」
「ちょっとした事なんだけど。私が薬草を採取した後、根と少し葉と茎が残るでしょう?で、ここからがお願いなんだけど。オルトの"緑の手"で掘り出して森の浅瀬に埋め直す。その時にディーネの"癒しの水"で枯れない様にする。出来るかな…どう?」
「どう?と言われましても。」
「え?出来ない?」
「出来ますが、どうしてそこまで?」
「誰かに依頼された訳でもないのじゃ。」
「そう、なんだけど…。あの受付のお姉さんの反応を見るとね~。それに、ポーションの質が低いのって…」
そう、月虹龍のサーシャに何本ものポーションを使ったけれど、効果が少なかったのは薬草の質が悪かったのもあるんじゃないだろうか?
それにポーションの材料が無くなれば、廻り回って回復魔法が使える者に負担が掛かって私まで駆り出される恐れがある。そうなると…。
主が思考に浸っている間にオルトとディーネは肩を竦めあい頷いて、オルトが代表して伝える。
「主様、お手伝い致しますよ。」
思考に沈んでいたメイジーはオルトの声で我に返る。
「オルト、ディーネありがと。」
顔をほころばせるとオルトもディーネもつられて笑顔になる。
翌朝、日が出ないうちから目が醒める。
何故だ!?
そういう体質だと思えばいいのか!?
こうなったら開き直りだ!!
バッと起き上がり、また、バズヴにメモを頼み服を着替えて裏庭に向かう。
体をほぐし順に、体術、トンファー、鉄扇、刀と鍛錬をしていく。
いつの間にか朝日も出始め、そろそろ戻って着替えれば誰にも会わずに部屋に戻れるだろうと振り返る、いつからそこに居たのか壁にもたれかかっているアディスがいた。
へ?
何故アディスが、ここに?
え?
メイジーは混乱で固まっていた。
突然バズヴから念話ではなく声で伝えてきた。
「ご主人様のメモを持って、昨日と同じ様にテーブルの上に置きに行ったら、そのテーブルにメモが置いてあったの…。」
「俺が、朝日が出る少し前に起こしてくれと頼んだんだ。」
バズヴの話しを遮りアディスが話に割って入り、メイジーに近寄る。
「…お、おはよう?アディス。」
真剣な表情で近寄られ、動揺したメイジーは口籠もりながら挨拶をする。
デジャブだわ。これ。
一歩後ずさるがアディスに両手で顔を固定され見つめられている。
な、なんでイケメン顔を、間近で、見つめられなければいけないのーー!!
と、ボボボっと顔を赤くする。
恥ずか死ねる………。
「顔が赤い。」
誰の所為だとおもってんのーー!
そりゃそうでしょうよ!
イケメンにこんな事されたら、誰だって顔を赤くするってーの!
ここは大人の対応を…。
冷静に、冷静、に。
心臓の鼓動が聞こえるんじゃないかと思うほどドキドキしている。
まだ、アディスに顔を固定されている為、このまま話す事にした。
「顔が赤いのは誰の所為だと?」
「?」
ここで首を傾げられても困るのだが。
はぁ…。
「アディス?私の顔に固定してまで見つめなければならない何かがあるのかな?」
アディスはメイジーに言われて気付く、メイジーの頰に両手で押さえ上向きにさせている事に。
「…………あー、すまない。…ちゃんと眠っているのか目の下にクマがないか確かめたかった。」
こんな朝早くに起きて、体を動かしていたら、眠りが浅くて眠れてないのかって…たしかに誤解するよね。
だけど……
「熟睡もしているし体調も大丈夫だけど。…いつまで私の顔を固定しているのかな?」
「食堂に行っているから着替えてこい。」
メイジーに言われ、即座に手を離し背中を向け室内に戻って行った。
フードを被っていたアディスが顔をそらした瞬間、フードがなびきアディスの耳が赤かった事にメイジーはアディスの背中を見つめて固まっていた。
え!?何故アディスが恥ずかしがってんの?
10
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
『辺境伯一家の領地繁栄記』スキル育成記~最強双子、成長中~
鈴白理人
ファンタジー
ラザナキア王国の国民は【スキルツリー】という女神の加護を持つ。
そんな国の北に住むアクアオッジ辺境伯一家も例外ではなく、父は【掴みスキル】母は【育成スキル】の持ち主。
母のスキルのせいか、一家の子供たちは生まれたころから、派生スキルがポコポコ枝分かれし、スキルレベルもぐんぐん上がっていった。
双子で生まれた末っ子、兄のウィルフレッドの【精霊スキル】、妹のメリルの【魔法スキル】も例外なくレベルアップし、十五歳となった今、学園入学の秒読み段階を迎えていた──
前作→『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる