黒頭巾は異世界で…

雪城 いぶき

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48話 初依頼達成

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街の門にたどり着き検問所で身分証を出すと直ぐに中に通してくれた。

身分証があればこんなにもスムーズに入れるんだね~。無ければ根掘り葉掘り聞かれる…か。
まぁ、今は身分証も仲間もいるから大丈夫、か。
それにしても今日は長い一日だったなぁ。

物思いに耽っていると、アディスが真横に並んで歩きながら少し腰を曲げて耳元で呟いた。

「本当に、大丈夫なのか?まだ、調子が悪いんじゃあ?」

「ひぇ!?んでぇっ!大丈夫!…うん大丈夫だから!」

頭巾を被っているため、顔色がわからない、そのため、全体の雰囲気か口元を見る事でしか体調が分からないのだ。
先程から、百面相の如く頭を上げたり下げたり、右を向いたり上を向いたりとしているため体調が悪くなったのではと心配になったアディスが声を掛けたのだ。

突然の声に、メイジーはビックリして、変な声を出し、動揺のあまり噛んでしまった。

それを後ろから見ているライアスとエヴァドネは二人して口元が緩んでいた。


撃絶の黒颷と月虹龍げっこうりゅうのパーティーはギルドに到着する。
中に入ると、依頼を終えた冒険者でごった返していた。

撃絶の黒颷パーティーが入り、そのあと直ぐに月虹龍のパーティーが入る、それに加えジグルが女の子をおぶっている事や装備かボロボロになっている事で更に注目を浴びる事になった。

急ぐ事もない為、受付の前に並び待つ間その間も騒がしかったギルド内も今は静かになっている。

順番が来た為、受付嬢にアディスが代表で伝える。

「撃絶の黒颷、パマディマの森から戻った。で後ろにいる、月虹龍は…」

「ここからは俺が。」

グエインはアディスの話を遮る。

「月虹龍。パマディマの森の魔物討伐から戻った。……自分達の判断で森の浅瀬では物足りず、様子見で少し奥に入った。…そこでゴブリンメイジに魔法攻撃を受け二人負傷してしまい、魔物に囲まれてしまった。…
その時に撃絶の黒颷パーティーに助けられて、戻ることが出来た。」

「無事戻って来てくれて良かったです。同じ過ちをおかさないよう今後精進して下さい。」

グエイン達は受付嬢の言葉に重く受け止め頷いた。その後ギルドカードを渡し依頼完了の処理を済ませ、アディス達に頭を下げて帰っていった。

間を置いて、受付嬢からお礼を告げられる。

「この度は、Cランクに上がって間もない彼らを助けて頂き、ギルド員としてお礼申し上げます。」

「たまたま、俺達が気付いて助けに入っただけだ。」

「それでもです。死と隣り合わせの依頼が多い冒険者は自己責任で依頼を受けると言っても、若い人達が亡くなってしまうのは辛い事です。」

ギルドの受付嬢は頭を下げる。

「それでは、月虹龍が魔物に囲まれていた時の状況を教えて頂いても宜しいでしょうか?」

受付嬢から質問され、場所や魔物の数などを伝える。

「…そこにいた魔物は討伐し終えたが、明日にはどうなっているか分からない。」

「そうですか、分かりました。あと、メイジー様が受けたグリナ草の採取状況をお伺いさせて頂いてもよろしいでしょうか?」

アディスの背後からメイジーがカウンター前に出て報告をする。

「依頼されていた数は採取して来たよ。」

「え!?」

「な、なんでそんなに驚いているの?」

受付嬢は声が出るほど驚いた。
その声にメイジー一同ビックリする。

「失礼致しました。」

受付嬢は深呼吸をして冷静を取り戻し理由を話してくれた。

「今、薬草が取れにくくなっており浅瀬に生えている所が減っていると報告を受けています。メイジー様と同じランクの方が採取をするのですが、採取をする方は戦闘があまり得意では無い方が殆どで浅瀬でしか取れないんです。依頼を受けて3、4日は戻りません。ですので質もそこまでなく、今回は採取を受けられる方の制限も掛かっている為、薬草の在庫が少なくなっているんです。ポーション作成に影響が出始めている様で…状況を確認させて頂いた次第です。……その日に依頼を受けて薬草を持ち込んで頂ける事に驚きました。」

「浅瀬にはそこまで無くって、奥に行くに連れてポツポツと生えていたかな。……その前に、薬草が少なくなってるって、採取方法に問題無いよね?」

「採取方法…ですか?」

「そう。根っこまで引っこ抜いてるとか、引き千切ってるとか。そんな事してたら生えてこないし枯れちゃうよ。だから、なるべくナイフとかで切った方が、また新しく芽が生えて採取する事が出来るし、あと採取した方の薬草は手でずっと持っていると干からびてしまうので直ぐにアイテムバッグに入れるか、アイテムバッグが無い場合は通気性のいい布袋に入れて、その日に納めてもらうやり方をとった方が質もマシになるのでは無いですか?」

誰でも分かるかどうかは分からないが、大体の人が分かるであろう内容を伝える終わると、何故かギルド内が静かになっている事に気付く。
受付のお姉さんやその隣のお姉さん、隣にいるアディスや後ろにいる他の人達も固まっている。

え!?何故皆んな固まってんの?
物凄くこの状況が怖いんだけど!

静けさの中から、受付のお姉さんが先に

「萎れていたり、干からびて皆さんが持って来ていたのは…、ずっと手に持っていた若しくは日にちが経ったもの、だったから、ですか?」

「え?そこは分からないです…。」

「そ、そうですよね。…ハハハ。」

受付嬢は乾いた笑いを零した。
多少動揺はしたが、なんとか持ち直し対応をしていく。

「と、とりあえずグリナ草を出して頂いてもよろしいでしょうか?」

「いいですよ。依頼の五束分と、グリナ草もっといりますか?」

「まだあるんですか!?……す、すみません。五束ずつであれば買い取らせて頂きます!」

うお!?ちょっと、そんなに前のめりにならなくても…。
そこまで危機的状況でもないでしょうよ。
多分。

グリナ草を三十束を買い取ってもらった。魔力回復のリブル草も買い取ってもらえるそうで、これも三十束納めたら大層感謝された。
メイジーにとっては初依頼達成である。



その後は依頼完了の処理を行い、そのまま買取カウンターに向かった。

「おう!お前達か。今日の成果はどうだ?」

いつもの買取担当のおじさんが出迎えてくれた。

「今回も大量だな。」

「じゃあ、奥だな。」

奥の解体場に解体済みの素材とまだ解体も済ませていない魔物を置いていく。

「これまた多いな!…解体されてないものは、解体手数料を引いた金額になるが構わないな?」

「ああ、大丈夫だ。で、いつ報酬が貰える?」

「そうだな~。明日の朝混雑時を過ぎた頃だな。」

「わかった。頼む。」

アディスは、後のことを頼み解体場を出る為、体の向きを変えて歩いて行った。
買取担当のおじさんに"また明日あした"と伝え、私もアディスに着いて行き、ギルドを出たのだった。


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