黒頭巾は異世界で…

雪城 いぶき

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66話 組手

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体をほぐして、一段落ついたところでアディスに問い掛ける。

「じゃあ、そろそろ動こうかと思うんだけど…どうする?組手にする?」

「まず、それで行こう。」

アディスから少し離れ、振り返り腰を落として構える。

「いつでもいいよ。」

アディスはあまり見ない構えに、足は前に進もうとにじり寄ってみるが、どう動くかで躊躇ためらってしまい動けないでいた。

動けないでいるアディスを見て、メイジーが先制する事にした。
縮地でアディスに近付く。

「なっ!?…ぐっ。」

早い!?

顔の前に出たメイジーは、すかさず鳩尾みぞおちに拳を入れるがアディスに掴まれガードされる。
ガードされる瞬間に合わせて膝蹴りを入れるメイジー、ガードし損ねた膝蹴りの攻撃を受けるアディス。

「ぐっ。」

アディスはメイジーの攻撃の形を見て、拳と膝の同時攻撃かと、察した。
痛みをこらえ、すぐにメイジーに突っ込んで行ったが、いつのまにか宙を舞って地面に叩きつけられた。

「がはっ!」

「ごめん!今、受け身とれてなかったよね!?」

仰向けになっているアディスの横に膝をついて心配するメイジー。

やっちゃったー!咄嗟に技掛けちゃったよ~!

「…い、いや。大丈夫だ。…今どうなったんだ?」

アディスの片手が差し出されたのでメイジーも片手を出してお互い握りあってアディスの上半身を起こす。
背中に土埃が付いているのをメイジーが払い、アディスは何が起こったのかを把握する為、メイジーに訊く。

「…アディスを投げたんだよ。」

「は?」

何を言っている?
今"投げた"っと言ったか?

アディスは思わず声を出していた。
メイジーとの身長差や体重の重さも違う。
無意識の内に、眉間に皺を寄せていた。

「…どうやって。俺とメイジーとの体格差が…。」

頰を掻きながら眉を下げた表情を向け、乾いた笑いで応えるメイジー。

「…はは。テコの原理を使って投げ飛ばしてるから、そこまで重くない、かな?」

アディスは上体を起こして座っている状態から立ち上がりズボンに付いた土埃を払う。
メイジーも同時に立ち上がりながら、技の説明を付け加えた。

「向かって来る勢いが肝心なんだけど…。向かってきた勢いのままアディスの懐に潜り込んで、片手で腕を掴んだら、体を捻りながら沈めて、アディスを背負う形に入ったら、自分のもう片方の手でアディスの脇の下に入れて、肩越しにアディスを担いで投げる。…背負い投げって言う技だよ。」

「…この、体格差があっても出来る技か?」

「そうだよ。」

メイジーはアディスの問いに頷いた。
初めて受けた技を、"教えて貰えるか聞いてみよう"と思考する。

「…じゃあ、改めて。」

アディスが構えたのを確認して、メイジーも構える。
アディスが動き出したのだった。


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