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75話 ポーションの報告
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受付カウンターの用事を済ませ、アディス達は買い取りカウンターに向かう。
ベイルの姿が見えた時、メイジーは駆け出した。
「ベイルおじさ~ん!ただいま~!」
「おう!お帰り。無事でなによりだ。」
メイジーは頰がほころばせる。
なんだか、ベイルおじさんと居ると落ち着く。なんでだろう?
首を傾げるメイジー。
首を傾げているように見えたベイルは声を掛けた。
「どうした?」
「ううん。なんでもないよ?」
「そうか?…今日の収穫は?」
「討伐数は変わらないけど、素材が少ないかな?」
「?どう言うことだ?」
ベイルは疑問に思い首を傾げた。
「見たらわかるんじゃないかな?」
「それでも多いんだろう?」
アディスとベイルは目で語り合い、アディスが頷く。
「じゃあ、中で受け取ろう。」
いつもの倉庫に案内され、素材を出すよう促される。
素材を出し切り、確認するベイル。
「ん?肉がないのか?」
「そうだよ。」
「何があった?」
「大した事じゃないよ。私が貰っただけ。」
「?なんでだ?」
「料理の材料にするから私が貰ったんだ。」
「嬢ちゃん、料理ができるのか!?」
「料理ぐらい出来るよ!…バリエーションは少ないけど…。」
ベイルの驚きように、ムキになって言い返したけれど、最後の方は声が萎んで恥ずかしくなる。
地球、日本に住んでいた時は、自炊をしていたけれど、そこまで作り込んだ料理は無い。
「まあ、メンバーの為に作ってやんな。」
メイジーの頭を撫でながら慰める。
「素材はこれだけか?少し多いが今日の内に精算出来るぞ?どうする?」
アディスに確認を取るベイル。
「今日の内に頼む。」
「わかった。そこの椅子で待っていてくれ。」
壁際に、いくつか椅子が並べてあり、ベイルは指をさして促す。
待っている間に、メイジーはアディスに話しかける。
「夕食後に皆んなに見せたい物があるの。」
「…ライアス達の部屋で大丈夫か?」
「うん。大丈夫。」
「わかった。」
話しの遣り取りをしていると、ベイルから"素材確認が終わった"という報告があり、椅子から立ち上がってベイルのもとに向かった。
「精算するからカードを出しな。」
アディス達はカードを出して手続きを済ませる。
ベイルからカードを受け取りギルドを後にした。
宿屋に戻り、夕食を終え、今はライアス達の部屋にいる。
「昨日、部屋に戻った時に作ったの。…こっちが体力回復ポーション、でこっちが魔力回復ポーション。」
三本ずつ出された瓶を見るアディス達。
アディスは市場でよく見る濁りのある体力回復ポーションを一本手に取り眺めながら確認をする。
「市場で出回っているポーションより若干だが質がいい。」
今持っているポーションをテーブルに置き、透き通ったポーションを手に取り、掲げて覗き鑑定をするアディス。
その瞬間、驚きのあまり固まるアディス。
あまり見ない姿に、何があったのかとライアスもエヴァドネもポーションを除き込む。
すると二人揃って固まってしまった。
え?またやっちゃった?
「これ!エ」『 結界 』「サー!?」
「エヴァドネ!そんな大きな声を上げないでよー!?」
外に声が漏れないように咄嗟に結界を張るメイジー。
「ごめん!だけど、これエリクサーよね?!」
「え?違うよ!これは高級体力回復ポーションだよ!」
「これが?!」
「エリクサーなら作り方が違うもん!」
「でも欠損が治るくらいの代物よね?!」
「高級なんだから、欠損くらいは治せるでしょう?」
なんでもないかのように話すメイジーに、エヴァドネは口を開けて言葉に詰まった。
「それにエリクサーは死にそうな時に使うものでしょう?」
「えっと、何が違うんだ?」
エヴァドネの代わりに、ライアスが尋ねる。
「極端な例えだけど、腕を切断されただけでは、すぐに死にはしないから高級ポーションを飲めば欠損が治るけど、エリクサーは身体中ズタズタで欠損などで虫の息の場合に使用するものだよ。…で、この間ポーションを見せたのが、半透明の中級体力回復ポーションだよ。」
「…こっちの三本は?」
アディスが話に加わり尋ねる。
「濁りのあるものから、低級、中級、高級の魔力回復ポーションだよ。」
「…そうか。すぐに買い取ってもらえるのは低級のタイプだな。これは、低級だけを作る事は可能か?」
濁りのあるポーションを触り掲げながら尋ねる。
「出来るよ。同じ量の薬草で行くなら十五本は作れるかな?」
「低級ならすぐに買い取ってもらえるが、中級ならギリギリ薬師ギルドでの買い取りも出来るだろう。だが高級となるとどうなるか。貴族やらに目をつけられかねない。」
貴族に目をつけられるのは嫌だな~。
ゲーム時代では、そう言った事が無かった。生産組が質の良いものを作っては販売していたし。私もそうやって売ったり買ったりしていた。
「今のところ、低級だけ作って売ってもいいかな?」
「まずは、薬師ギルドに登録して販売許可を貰わないと、販売が出来ない。自分達で使用する分には登録しなくてもいいんだが。」
「そうなんだ。」
「落ち着いたら、登録しに行くか?」
「うん、登録しておきたい。」
「このポーションは仕舞ってくれ。」
「アディスの方で持っててほしい。緊急時があるかわからないけど、何かあった時に使用してほしいから。」
「……わかった。預かっておく。」
アディスは目を瞑り少し考えて了承し、アイテムバックに収納する事にした。
メイジーはポーションの他に作った物を紹介する。
「あと、ポーションを作った時に出る殻を使用した、打ち身や肩凝りに効くシップと魔力過多症に使う氷嚢シートも作ったの。これも売れるかな?」
アディスは明らかに魔力過多症と言う言葉に反応をしていた。
私の問いにライアスはアディスをチラ見しながら応え、エヴァドネも同じように見ては、そんなアイテムがあったのか首を傾げていた。
「どうだろうな。効果があるのなら買い取ってもらえるだろうが…。」
「二つとも聞いたことがない代物だね。」
「…それも薬師ギルドで買い取れるか聞いてみよう。」
少し遅れて神妙な面持ちでアディスも話に加わる。
メイジーは、そのアディスの表情が少し気にはなったが、すぐに気にも留めなくなった。
「うん。じゃあ、薬師ギルドに行く前に低級ポーションを中心に作りながら、シップと氷嚢シートも作っていくね。買い取ってもらえなかった場合は、売り込みをすればいいだろうし。」
「ああ。…確実に買い取ってくれるさ。」
メイジーは話ながらも、どう売り込もうか考えていた為、アディスが頷いた後の小声で呟いた言葉を聞き逃した。
「え?なんか言った?」
「いや、何でもない。」
「そう?…あっ、そうだ!生活魔法のクリーンを教える約束だったよね!」
「そう!そう!早く教えてちょうだい!」
エヴァドネは目を煌めかせながら興奮して前のめりになりメイジーに迫る。
か、顔が近い…。
そ、そんなに?でも、まあ、タオルに水を含ませて、毎日身体を拭くだけだなんて…それに髪も水で洗うだけ。
もしかしたら石鹸とかあるかもしれないけど…。
はっ!石鹸?!自分で作れるじゃない!
フフフ。
メイジーは途中から、思考がずれ不敵な笑みをもらしていた。
それを見たエヴァドネは引き気味にメイジーに声を掛ける。
「ちょっと、何を考えているの?」
エヴァドネの声に意識が戻る。
「あっ、ごめん。ちょっと考え事を…ハハハ。クリーンの魔法だったよね。えーっと。」
乾いた笑いで誤魔化し、話を戻す。
「本当に簡単なんだけど。大事なのは、イメージ力なの。」
真剣な表情で言い切る。
「汚れを剥がすイメージを維持して、魔力を少し込めて『 クリーン 』と唱える。」
水色のキラキラオーラがメイジーの足下から舞い上がり、フワッと服と髪がなびく。
「こんな感じ。一度体感した方が分かり易いかな?」
メイジーが皆んなに魔法を掛けようと口を開きかけた時には、アディスが唱えていた。
『 クリーン 』
「やっぱり、一度アディスにクリーンの魔法を掛けた事があるから何とか出来たのかな?」
エヴァドネとライアスは一瞬"いつアディスに?"と疑問に思い、メイジーを見るが、メイジーはアディスに微笑んだ後エヴァドネ達にも体感してもらおうと魔法を唱える。
「!?こう、なんとも言えない、スッキリした様な感覚だ。」
「おお!本当だ!こう、剥がれるようなフワッとした感覚だわ!忘れない内に…。」
『 クリーン 』
『 クリーン 』
エヴァドネは、すぐに魔法を唱える。その後に、ライアスも魔法を発動させる。
「出来たわ!」
ほっ、エヴァドネ達も使えて良かった。
もう少し、時間が掛かるかと思っていたけど、こんなに早く習得するなんて…。
安堵の息を吐くメイジー。
「良かった。あとは、自分自身ではなく他の人にかけたり、部屋の掃除も出来るから。」
実践して、部屋にクリーンの魔法を掛ける。
すると、部屋の空気が若干変わったような気がした。
すぐにエヴァドネも魔法を唱える。
「『 クリーン 』…?あれ?発動しなかった?」
「『 クリーン 』まあ、こんな感じだけど。イメージが定まっていなかったのかな?」
エヴァドネが部屋の中を綺麗にと思い魔法を唱えたが発動しなかった為、メイジーが唱えてみると部屋の隅から天井の隅にかけて青いキラキラオーラが舞い上がる。
「へぇ~、こんな感じになるんだ~。…『 クリーン 』むぅ。」
メイジーの魔法を見て、もう一度掛けてみたエヴァドネの魔法は床だけに発動したようで、膨れっ面になる。
それをライアスが慰めていた。
「まあ、練習あるのみ、かな?」
メイジーは苦笑いで応えるのだった。
その後、唐突にアディスが口を開く。
「明日の朝、起こしてくれ。」
「あ、私達も起こしてね。」
続いてエヴァドネも同調する。
「…わかったよ。」《朝、念話で起こしてみてもいいかな?》
アディス達三人は、急にメイジーが念話で話し始めたので、少し驚いている。
その驚いた表情を確認したメイジーは胸を撫で下ろす。
《ライアスとエヴァドネとも、念話が繋がっているみたいで良かったよ。》
《ああ、ちゃんと繋がっている。》
《ええ、私もよ。》
ライアスもエヴァドネも首肯する。
「じゃあ、朝は念話で、起きない場合はバズヴを向かわせるね。」
アディス達の頷きを確認して、メイジーは結界を解きアディスと一緒に部屋を出るのだった。
ベイルの姿が見えた時、メイジーは駆け出した。
「ベイルおじさ~ん!ただいま~!」
「おう!お帰り。無事でなによりだ。」
メイジーは頰がほころばせる。
なんだか、ベイルおじさんと居ると落ち着く。なんでだろう?
首を傾げるメイジー。
首を傾げているように見えたベイルは声を掛けた。
「どうした?」
「ううん。なんでもないよ?」
「そうか?…今日の収穫は?」
「討伐数は変わらないけど、素材が少ないかな?」
「?どう言うことだ?」
ベイルは疑問に思い首を傾げた。
「見たらわかるんじゃないかな?」
「それでも多いんだろう?」
アディスとベイルは目で語り合い、アディスが頷く。
「じゃあ、中で受け取ろう。」
いつもの倉庫に案内され、素材を出すよう促される。
素材を出し切り、確認するベイル。
「ん?肉がないのか?」
「そうだよ。」
「何があった?」
「大した事じゃないよ。私が貰っただけ。」
「?なんでだ?」
「料理の材料にするから私が貰ったんだ。」
「嬢ちゃん、料理ができるのか!?」
「料理ぐらい出来るよ!…バリエーションは少ないけど…。」
ベイルの驚きように、ムキになって言い返したけれど、最後の方は声が萎んで恥ずかしくなる。
地球、日本に住んでいた時は、自炊をしていたけれど、そこまで作り込んだ料理は無い。
「まあ、メンバーの為に作ってやんな。」
メイジーの頭を撫でながら慰める。
「素材はこれだけか?少し多いが今日の内に精算出来るぞ?どうする?」
アディスに確認を取るベイル。
「今日の内に頼む。」
「わかった。そこの椅子で待っていてくれ。」
壁際に、いくつか椅子が並べてあり、ベイルは指をさして促す。
待っている間に、メイジーはアディスに話しかける。
「夕食後に皆んなに見せたい物があるの。」
「…ライアス達の部屋で大丈夫か?」
「うん。大丈夫。」
「わかった。」
話しの遣り取りをしていると、ベイルから"素材確認が終わった"という報告があり、椅子から立ち上がってベイルのもとに向かった。
「精算するからカードを出しな。」
アディス達はカードを出して手続きを済ませる。
ベイルからカードを受け取りギルドを後にした。
宿屋に戻り、夕食を終え、今はライアス達の部屋にいる。
「昨日、部屋に戻った時に作ったの。…こっちが体力回復ポーション、でこっちが魔力回復ポーション。」
三本ずつ出された瓶を見るアディス達。
アディスは市場でよく見る濁りのある体力回復ポーションを一本手に取り眺めながら確認をする。
「市場で出回っているポーションより若干だが質がいい。」
今持っているポーションをテーブルに置き、透き通ったポーションを手に取り、掲げて覗き鑑定をするアディス。
その瞬間、驚きのあまり固まるアディス。
あまり見ない姿に、何があったのかとライアスもエヴァドネもポーションを除き込む。
すると二人揃って固まってしまった。
え?またやっちゃった?
「これ!エ」『 結界 』「サー!?」
「エヴァドネ!そんな大きな声を上げないでよー!?」
外に声が漏れないように咄嗟に結界を張るメイジー。
「ごめん!だけど、これエリクサーよね?!」
「え?違うよ!これは高級体力回復ポーションだよ!」
「これが?!」
「エリクサーなら作り方が違うもん!」
「でも欠損が治るくらいの代物よね?!」
「高級なんだから、欠損くらいは治せるでしょう?」
なんでもないかのように話すメイジーに、エヴァドネは口を開けて言葉に詰まった。
「それにエリクサーは死にそうな時に使うものでしょう?」
「えっと、何が違うんだ?」
エヴァドネの代わりに、ライアスが尋ねる。
「極端な例えだけど、腕を切断されただけでは、すぐに死にはしないから高級ポーションを飲めば欠損が治るけど、エリクサーは身体中ズタズタで欠損などで虫の息の場合に使用するものだよ。…で、この間ポーションを見せたのが、半透明の中級体力回復ポーションだよ。」
「…こっちの三本は?」
アディスが話に加わり尋ねる。
「濁りのあるものから、低級、中級、高級の魔力回復ポーションだよ。」
「…そうか。すぐに買い取ってもらえるのは低級のタイプだな。これは、低級だけを作る事は可能か?」
濁りのあるポーションを触り掲げながら尋ねる。
「出来るよ。同じ量の薬草で行くなら十五本は作れるかな?」
「低級ならすぐに買い取ってもらえるが、中級ならギリギリ薬師ギルドでの買い取りも出来るだろう。だが高級となるとどうなるか。貴族やらに目をつけられかねない。」
貴族に目をつけられるのは嫌だな~。
ゲーム時代では、そう言った事が無かった。生産組が質の良いものを作っては販売していたし。私もそうやって売ったり買ったりしていた。
「今のところ、低級だけ作って売ってもいいかな?」
「まずは、薬師ギルドに登録して販売許可を貰わないと、販売が出来ない。自分達で使用する分には登録しなくてもいいんだが。」
「そうなんだ。」
「落ち着いたら、登録しに行くか?」
「うん、登録しておきたい。」
「このポーションは仕舞ってくれ。」
「アディスの方で持っててほしい。緊急時があるかわからないけど、何かあった時に使用してほしいから。」
「……わかった。預かっておく。」
アディスは目を瞑り少し考えて了承し、アイテムバックに収納する事にした。
メイジーはポーションの他に作った物を紹介する。
「あと、ポーションを作った時に出る殻を使用した、打ち身や肩凝りに効くシップと魔力過多症に使う氷嚢シートも作ったの。これも売れるかな?」
アディスは明らかに魔力過多症と言う言葉に反応をしていた。
私の問いにライアスはアディスをチラ見しながら応え、エヴァドネも同じように見ては、そんなアイテムがあったのか首を傾げていた。
「どうだろうな。効果があるのなら買い取ってもらえるだろうが…。」
「二つとも聞いたことがない代物だね。」
「…それも薬師ギルドで買い取れるか聞いてみよう。」
少し遅れて神妙な面持ちでアディスも話に加わる。
メイジーは、そのアディスの表情が少し気にはなったが、すぐに気にも留めなくなった。
「うん。じゃあ、薬師ギルドに行く前に低級ポーションを中心に作りながら、シップと氷嚢シートも作っていくね。買い取ってもらえなかった場合は、売り込みをすればいいだろうし。」
「ああ。…確実に買い取ってくれるさ。」
メイジーは話ながらも、どう売り込もうか考えていた為、アディスが頷いた後の小声で呟いた言葉を聞き逃した。
「え?なんか言った?」
「いや、何でもない。」
「そう?…あっ、そうだ!生活魔法のクリーンを教える約束だったよね!」
「そう!そう!早く教えてちょうだい!」
エヴァドネは目を煌めかせながら興奮して前のめりになりメイジーに迫る。
か、顔が近い…。
そ、そんなに?でも、まあ、タオルに水を含ませて、毎日身体を拭くだけだなんて…それに髪も水で洗うだけ。
もしかしたら石鹸とかあるかもしれないけど…。
はっ!石鹸?!自分で作れるじゃない!
フフフ。
メイジーは途中から、思考がずれ不敵な笑みをもらしていた。
それを見たエヴァドネは引き気味にメイジーに声を掛ける。
「ちょっと、何を考えているの?」
エヴァドネの声に意識が戻る。
「あっ、ごめん。ちょっと考え事を…ハハハ。クリーンの魔法だったよね。えーっと。」
乾いた笑いで誤魔化し、話を戻す。
「本当に簡単なんだけど。大事なのは、イメージ力なの。」
真剣な表情で言い切る。
「汚れを剥がすイメージを維持して、魔力を少し込めて『 クリーン 』と唱える。」
水色のキラキラオーラがメイジーの足下から舞い上がり、フワッと服と髪がなびく。
「こんな感じ。一度体感した方が分かり易いかな?」
メイジーが皆んなに魔法を掛けようと口を開きかけた時には、アディスが唱えていた。
『 クリーン 』
「やっぱり、一度アディスにクリーンの魔法を掛けた事があるから何とか出来たのかな?」
エヴァドネとライアスは一瞬"いつアディスに?"と疑問に思い、メイジーを見るが、メイジーはアディスに微笑んだ後エヴァドネ達にも体感してもらおうと魔法を唱える。
「!?こう、なんとも言えない、スッキリした様な感覚だ。」
「おお!本当だ!こう、剥がれるようなフワッとした感覚だわ!忘れない内に…。」
『 クリーン 』
『 クリーン 』
エヴァドネは、すぐに魔法を唱える。その後に、ライアスも魔法を発動させる。
「出来たわ!」
ほっ、エヴァドネ達も使えて良かった。
もう少し、時間が掛かるかと思っていたけど、こんなに早く習得するなんて…。
安堵の息を吐くメイジー。
「良かった。あとは、自分自身ではなく他の人にかけたり、部屋の掃除も出来るから。」
実践して、部屋にクリーンの魔法を掛ける。
すると、部屋の空気が若干変わったような気がした。
すぐにエヴァドネも魔法を唱える。
「『 クリーン 』…?あれ?発動しなかった?」
「『 クリーン 』まあ、こんな感じだけど。イメージが定まっていなかったのかな?」
エヴァドネが部屋の中を綺麗にと思い魔法を唱えたが発動しなかった為、メイジーが唱えてみると部屋の隅から天井の隅にかけて青いキラキラオーラが舞い上がる。
「へぇ~、こんな感じになるんだ~。…『 クリーン 』むぅ。」
メイジーの魔法を見て、もう一度掛けてみたエヴァドネの魔法は床だけに発動したようで、膨れっ面になる。
それをライアスが慰めていた。
「まあ、練習あるのみ、かな?」
メイジーは苦笑いで応えるのだった。
その後、唐突にアディスが口を開く。
「明日の朝、起こしてくれ。」
「あ、私達も起こしてね。」
続いてエヴァドネも同調する。
「…わかったよ。」《朝、念話で起こしてみてもいいかな?》
アディス達三人は、急にメイジーが念話で話し始めたので、少し驚いている。
その驚いた表情を確認したメイジーは胸を撫で下ろす。
《ライアスとエヴァドネとも、念話が繋がっているみたいで良かったよ。》
《ああ、ちゃんと繋がっている。》
《ええ、私もよ。》
ライアスもエヴァドネも首肯する。
「じゃあ、朝は念話で、起きない場合はバズヴを向かわせるね。」
アディス達の頷きを確認して、メイジーは結界を解きアディスと一緒に部屋を出るのだった。
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