※完結済 【R-18】白薔薇の騎士と純白の姫

白金犬

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最終章 エピローグ編

第131話 4人の英雄

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 淫魔であるというステラがグスタフの手に堕ちてから数日が経過していた。

 リリライト邸のグスタフの私室。そこのベッドの上で、一糸纏わぬ姿の2人が、足を絡め合うような恰好で繋がっていた。

「ぶほおおおっ! ぶひ、ぶひぃっ! いいぞぅ、ステラぁ! おほおおお!」

「っあん! あぁぁんっ! 気持ちいいですわ! やっぱり雄チンポ最高ですわ!」

 2人はお互いに後ろに手をついて腰を揺さぶっていたが、ステラは緩急をつけた腰の動きをしながら、的確にグスタフの感じるツボを刺激するように肉棒を膣で搾るように吸引する。

 淫魔だというステラは、グスタフの手に堕ちてからはその本分を発揮していたようだった。全力で主人たる雄を悦ばせるために、その手練手管の全てを使い、グスタフへ奉仕する。

 ここ数日は、グスタフもすっかり他の女性を放置して、ずっとステラとの行為に溺れている程だった。

「おっ、おっ、おおおおっ! ほおおおっ! んおおお! よ、よし! このままワシの精気を吸わせてやるぞぉぉ!」

 そのステラの淫技に瞬く間に絶頂に導かれそうになるグスタフ。ステラの腕をつかみ、ステラもグスタフの腕をつかんで、お互い身を寄せ合わせる。

「舌を出せぇ……唾液でぐっちょんぐっちょんまみれにした、ドロドロのベロを伸ばすんじゃあ」

「はぁっ、はぁっ……は、はいですわっ! 速く……速くくださいましっ! グスタフ様のたくましい精気っ……んれぇぇぇ」

 ステラは腰を動かしながら、もうあの上品で優雅な表情は見る影もなく、だらしなく舌を限界まで伸ばす。その舌からはだらだらと唾液がこぼれていた。

「んっぢゅううううう! ぢゅるるるるっ……ぢゅぢゅぢゅっ!」

 グスタフはその舌に貪りつくように吸い付くと、ステラに任せるだけでもなく、グスタフも激しく腰を打ち付け始める。

「んれぇぇぇ? んっぢゅ? ぢゅううううう?」

「もっと、もっと限界まで伸ばせ。舌の根までしゃぶりつくして、舐めまわして、歯を立てて味わい尽くしやる……おっほおおう! そして、ありったけのワシの精気を吸うがいいっ! んっぢゅうううううう!」

「んぼおおおおおっ! れろれろれろぉ……んへぇぇぇっ?」

 ステラが痛くなるくらい舌を伸ばせば、宣言通りその根までグスタフが深く舌を吸ってきて、軽く歯を立てながら、欲望のままに腰を激しくピストンさせてくる。

「あひゃあああっ……ら、らめれすわ……わ、わらくひ……んほおおお……おっ、おっ!!」

「イけぇっ! ステラっ! そしてワシの精気を吸い尽くすんじゃあ! んぢゅるるるるるるるっ!」

 そしてグスタフはドロドロの唾液を溢れさせるくらいにステラの口内に送りながら、肉棒を最奥まで突き入れて精を放つ。

「おっ……おんっ……んおおっ! かひっ……かひゅうう……」

 ステラも絶頂に昇りつめさせられたのは言うまでもなく、淫魔の特性である吸精を同時に行うと、そのあまりに強烈な感覚に白目を剥きながらカクカクと痙攣する。

「く、は……ふひゅー……ひゅー……あ、ああぁぁ……幸せですわぁ……精を吸い取って殿方を自分のものにするのではなく、精を刻まれて雄のものになるこの雌の感覚ーー最高ですの。ああ、好きです。だいしゅきですわぁ、グスタフ様ぁ……」

 唾液を垂らしながらぴくぴくと震えるステラは、そのままグスタフの首に腕を回しながら身体を密着させる。そして甘えるように何度も何度もグスタフの唇を啄むように吸い付く。

「はぁぁ……愛してましゅ……ちゅば……ちゅ……グスタフ様、好きでしゅわぁ……ちゅば、れろ。お願いしますわ……もっと精を……精を吸わせて下さい。ステラをグスタフ様の精で塗り替えて、チンポセックス以外のことを考えられないようにして下さいませぇ……んちゅうう」

 本来なら精を搾取して雄を虜にするはずの淫魔が、逆に雄に精を注がれて雄の虜となってしまっていた。

 こうしてグスタフは、優秀な人間にとどまらず、伝説に残るような悪魔の存在さえも自らの下僕として従えることに成功したのだった。

□■□■

「ぐひひひ、ぐひ。それにしても随分と素直になったのぅ」

 いつものように延々と行為を続けて夜も白み始めようかという頃、ようやく一区切りをつけてグスタフもステラも、衣服を身に着けていた。

「くすくす……私は淫魔ーー元々人間を淫らな行為に溺れさせることで糧を得て、そのために生きる種族ですわ。こうなった以上は、私も積極的に楽しみたいですもの」

「--ふむ。さすがは淫魔じゃのう。どうやら、正気はまだ失っておらんようじゃて」

 行為の最中はすっかり我を失っている様子のステラだが、ひとたび行為を終えて落ち着けば、またかつての余裕で上品ぶった様子を取り戻す。いくらこの世のものならざらぬ「異能」だとしても、この世界で最も淫術に長けた種族である淫魔を、狂気に染まらせることは難しいということなのだろうか。

 しかし、それでもステラを性に溺れさせて、グスタフの意のままに操れている。淫魔を性行為によって操るなど、それだけですさまじいことなのだが。

「安心して下さいませ。私もグスタフ様の「異能」で存分に楽しませていただきますわ。そして、私の魔族としての力ーーこの世界をグスタフ様の楽園にするために、尽くすことを誓いますわ」

 笑いながらそういうステラは、グスタフの前に跪くと、その野太い手を取り、誓いのキスのように手の甲に唇を触れさせる。

「ぐっひひひひ。期待しておるぞぉ、ステラ……そうそう、1つ教えい。結局、あのリアラという小娘はなんじゃったんじゃ?」

「ああ、彼女は」

 先日までは淫魔としての矜持で黙していたが、それ以外にグスタフに情報を秘匿する理由はない。

 それに話そうが話さまいが、もはや結果は変わらない。人間の中でも特別優秀なフェスティア、淫魔であるステラ、そして”あの”リアラ”まで手の内に収めたグスタフが、敗北する未来など有り得ないのだ。

「グスタフ様は、この大陸の成り立ちーーいわゆるおとぎ話をご存知ですか?」

「んん? まあ、一般に伝わっている程度にはのぅ」

 そんなグスタフの反応に、ステラはくすりと笑う。

「この大陸の英雄は?と問われれば、時代や場所を問わず、必ず挙げられるであろう者達がいます。それはかつて魔王からこの世界を救った4人の英雄”勇者””戦士””剣士””賢者”の家系に連なる者達のことですわ」

 その程度の知識ならば、異なる世界からの来訪者であるグスタフも把握していた。

 おとぎ話や伝説の類とはいえ、「人類を恐怖に陥れていた魔王を倒した英雄達の物語」は、聖アルマイトの建国史にも正式に記されている事実であるらしい。

「中でも”戦士”の家系は、聖アルマイト王国を建国したアルマイト家であることは有名ですわね。あとは、その魔王が人類を支配していた頃から現代までずっとアルマイト家に仕えるヴァルガンダル家ーーこれも”剣士”の家系であることは、有名なお話ですわ」

「回りくどいのぅ……要するに、あの娘もその4人の英雄に関係しとるということか?」

 愚鈍に見える外見とは裏腹に、意外に鋭い指摘をしてくるグスタフ。この男は時々そういう、外見にそぐわぬ賢さを見せることがある。

「”戦士”と”剣士”の家系は歴史にも残されているように、公然の事実として伝わっていましたが、”勇者”と”賢者”は、そのルーツが途絶えていましたの。ですが、間違いありませんわ。リアラ=リンデブルグ……リンデブルグ家は”勇者”の家系の人間ですわ。彼女の扱う聖魔法は、その血筋に由来する才能ですの」

「ほっほう」

 そのステラの説明に、グスタフは面白そうに顔を歪める。

「4人の英雄たちは、そもそもが特別の人間で、非常に能力も高く才能にも富んでいる人物でしたわ。淫魔の私としても、生命力に溢れる彼ら彼女らは、極上の餌として欲して止みませんでした。でも、ただでさえ凄まじい力を持ち、挙句の当てに神器などという反則級の武器まで使われてしまえば、到底勝ち目はありませんでしたの」

「淫魔というのは、魔族の中でも最高位の種族なんじゃろう。そのお主を持っても勝てぬというのか」

「4人がかりとはいえ、結果的には魔族の頂点に君臨する魔王を滅ぼした人間達ですもの。私が叶うわけがありませんわ。--そして、その当時、魔王が滅びたことで地上の支配権は人類が手にするようになりました。運よく生き残った私は、人間達に混じるようにして、この長い時を生きてきました。わずかな精気を細々と得ながら」

 そのステラの話は異世界からの来訪者であるグスタフにとって、単純に興味深かった。いつしか食い入るようにしてステラの話に傾注している。

「数百年の時を過ごす中で偶然ーーいえ、もしかすると「時を重ねる」という努力の積み重ねかもしれませんわね--いずれにせよ、その中で私はリアラ=リンデブルグを知りました。本人に自覚はありませんでしたが、実際の”勇者”と接したことがある私は確信しましたわ。”勇者”の家系に連なる者だ、と。しかし本人にその自覚はなく、勇者の神器「エクスカリバー」も手にしていない……今ならば、淫術で虜に出来る、と」

 そこで言葉をいったん切るステラ。おそらくリアラの存在を知った時の悦びは、魔王を滅ぼされて敗北し、長年陽の目を見ることが出来なかったステラにとって、極上のものだったのだろう。その時のことを思い出してか、歪んだ笑いをこぼしている。

「今言った通り、4人の英雄程の人間を餌とすることが出来れば、それは淫魔としては最高の生き甲斐となりますわ。しかも英雄の中でも最高の力を有した”勇者”を虜にしたのならば、魔王時代と同じような全大陸……とまではいかなくても、一定の地域であれば淫魔の国を築き上げることが出来る……その踏み台として選んだのが、ここミュリヌス学園ですの」

「ほうほう。しかし、それほどに”勇者”は強いんかのぅ。あの森で、あのクソ王子が見せた力も中々すさまじかったがのぅ」

 カリオスが振るった神器ーーしかも次から次へと新しい神器を召喚し、思いのままに力を振るっていたのを思い出すグスタフは、それ以上の力を有する存在があるなどと信じられない。

「そうですわね。4人の英雄はそれぞれ違う特性をもっていますわ。アルマイトの”戦士”特性はまさにそれですの。他の3人は1つの専用の神器しか扱えなかったんですが、アルマイトだけは数多もの神器を扱うことが出来ましたわね。その特性を生かして、常に最前線でパーティーの盾になるのがアルマイトの戦い方でしたわ。おそらく、4人の英雄の中で最も派手で強さが分かりやすいのが”戦士”ですわね。」

 その頃を思い出しているのが、ステラの表情に若干苦々しいものが混じるようだったが、ステラはすぐに笑みでそれを打ち消す。

「その中で最強である”勇者”の強さは、逆に最も地味で強さが分かりにくい特性ですわ。そしてそれは、自らの出自が”勇者”にかかわりがあるという自覚なしでも、無意識に発動していますわ。おそらく、グスタフ様自身も体験なさっているのでは?」

「--もしかすると、感覚共有のことか?」

 そのグスタフの言葉にステラはうなずく。

「正確に言いますと、『強烈な精神操作』ですわ。自らの感情を周りの生物に共有・増幅させることが出来る……これが”勇者”特性ーー聖魔法はその一端に過ぎませんの。当時の”勇者”は、この力を味方の能力強化に使っていましたが、使い方によっては恐ろしいことになりますの。グスタフ様にはお分かりになるのではなくて?」

「洗脳、じゃな?」

 やはり察しの良いグスタフの返答に、ステラは満足そうな笑みを浮かべて続ける。

「グスタフ様の「異能」とは、少し毛色が違いますが、そう言って差し支えないかと思いますわ。その効力は、フォルテア森林帯の戦いでも目の当たりにされているのでは? あの『王国最強の騎士』であるディード=エレハンダー卿を退けたのでしょう? 彼はおそらく4人の英雄にも引けを取らない程度の実力の持ち主ですわ……それを負かした最も大きな要因は、”勇者”特性だと思いますわよ」

 つまり分かりやすく言うと”勇者”特性は、味方を勇気づける効果と相手を恐れさせる効果があるということだ。

 こう言うとささやかな効力に聞こえるようだが、そんなことはない。相対するだけで相手を恐怖させるということは、戦う前から既に決着していることとなる。そこまでとはいかなくても、戦闘においてその恐怖心が相手にとって致命的な効果を与えるのは、ディードとの戦いで証明した通りだ。

「これが恐ろしいのは、1対1の戦いでは勿論のこと、大軍同士の戦いで真価を発揮するということですわ。何せ、彼女1人が戦場に舞い降りるだけで、根こそぎ士気を持っていかれるのですから。気の弱い人間であれば、姿を見ただけで動けなくなりますわ。このように”戦士”特性のような派手さはありませんが、その凶悪さは英雄の中でも随一ですわ。まあ、先ほどもいった通り、魔王時代の”勇者”は味方への能力強化にしか使っていなかったから、凶悪というには及ばない能力でしたが」

「なるほどのぅ。さしずめ黄門様の印籠といったところかのぅ……ちと、違うか?」

 よくわからない単語を口にするグスタフに、ステラは首をかしげるのだが、それはさておいて、グスタフはそのステラの説明を聞いて、いつものにたぁとした醜悪な笑みを浮かべる。

「しかし、淫魔のお主にとって殊更都合の良い能力ではないか。その4人の英雄の誰でも、誰か1人手に入れられるならば、お主は間違いなく”勇者”を選ぶじゃろう?」

「ふふ……さすがグスタフ様。お気づきになられましたか。そうですわ……そして、それはグスタフ様にも同じでしょう?」

 グスタフとステラ--性格も態度も容姿もまるで違う2人に共通するのは、その欲望の方向だ。

「ドスケベな気持ちも相手に共有させて、増幅させるんじゃろう? あいつとのセックスは、それはもう最高じゃからのう」

「ええ、その通りですわ。生殖行為という、人間の生存本能に即した強烈な欲望を、グスタフ様によって増幅され、それを相手に共有する……まさに淫魔を超えた最悪の、いえ最高の生命体となったのが今のリアラ=リンデブルグですわ。私の淫術やグスタフ様の「異能」など関係なしに、彼女は己の欲望の赴くまま、どんどん淫欲を感染させていくでしょう。そして、そもそも彼女はグスタフ様の「異能」の影響下にありますから、全てはグスタフ様のため、グスタフ様の言う通りになりますわよ」

「ぐふっ……ぐふふふっ……戦闘になれば敵なし、エロ行為に関しては最高にドスケベということかぁ。最高じゃなあ! ぐひゃひゃひゃひゃっ!」

 グスタフが手中に収めた人物。

 大陸最大国家の第2王女『純白の姫』リリライト=リ=アルマイト。

 天才的な政治手腕と謀略に長けた『女傑』フェスティア=マリーン。

 魔王の眷属で、伝説に残る程の悪魔『淫魔』ステラ=ストール。

 そしてその魔王をかつて打ち滅ぼした”勇者”の家系の末裔リアラ=リンデブルグ。

 なんだ、これは。

 コードを弄って、ゲーム開始時点で最強のパーティーと最強装備を、加えていうならラスボスまで味方につけたような状態じゃないか。何せお姫様も天才も悪魔も勇者もこちら側なのだ。まさにチート。

 こんな状態で、どうなったらゲームオーバーになるというのか。

「ぐひゃひゃひゃっ! 愉快、愉快じゃあ! この圧倒的な力で弱者を蹂躙するのがたまらんのう」

 グスタフはそもそもこういう男だ。

 高難度のゲームを、工夫や努力をこらし、試行錯誤しつつクリアすることなど嫌悪する。

 それよりも、定められたルールなどお構いなしに、反則技だろうが何だろうが、圧倒的な力を思うがままに用いて、敵を蹂躙し、楽勝にクリアすることに悦びを感じる人間だった。

 これから始まる、おそらくはこちらが一方的になるであろう第1王子派との戦争を考えると、それだけで涎が溢れるのが止められない。

 唾を飛ばしながら汚い笑い声をあげるこの醜悪な男を止める術は、この世界に残っているのだろうか。
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