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第四章
転生者は異世界で何を見る? -噂-
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「ああ……、あれは私の兄のビリーズです」
変な表情の俺に気が付いたのか、苦笑しながら弟さんが告げる。
ええっと……、ああ……、なんか見たことあると思ってたけど、キャンプの人か。
思わず浮かんだのは昔流行ったどこかのダイエットDVDだった。
「あ……、そうなんですか。そりゃ似てるわけだ……」
「はい。双子ではないんですけどね……。で、私が弟のブルートです」
そこはブートさんじゃないんですね。
後ろから瑞樹が小さく噴き出す声が一瞬だけ聞こえた。
「マコトです。よろしく」
自己紹介をする俺に続いてフィアと瑞樹もそれぞれ自分の名前を告げていく。
「これはご丁寧に。
……では早速ですが、素材を拝見させていただいてよろしいでしょうか」
「あ、はい」
見た目に似合わずな丁寧な対応に恐縮しつつも、アイテムボックスから次々と獲物を出していく。
「ほぅ……、これはかなりの数ですね……」
獲物を確認しながら木の板になにやら書き込みつつ感嘆の声を上げるブルート。
「では、この35番の番号札を渡しておきますね。三十分ほどで査定が終わりますので、後ほど買取カウンターへとお越しください」
前回と同じく番号札を渡されたので、俺たち三人は倉庫を後にしてギルド内へと戻ることにした。
「三十分で終わるらしいが、どうしようか」
「……お腹空いた」
両腕を組んで思案する俺に、瑞樹がお腹に手を当ててぽつりと呟く。
「私もお腹空きました」
「じゃあ先に飯でも食うか」
フィアにも同意されたとなれば断る理由もない。実際に俺も腹が減ってるし。
そして三人でギルドを出ようとしたところであったが、そこに声を掛けてくる人物がいた。
「なあ、あんたら。……南東の森に行ってたんだって?」
話しかけてきたのは二十歳過ぎほどの男女二人組の冒険者だった。
いつものフィアと瑞樹を目当てに話しかけてくる輩とは雰囲気が違う気がする。
「んん? ああ……、そうだけど」
怪訝な表情で二人組を見返す。
どちらも獣人族のようで頭の上にもふもふとした耳が生えていた。男の方は犬耳で、女の方は猫耳だろうか。
一度は獣人の耳をもふもふしてみたいな……。
「じゃ、じゃあさ! 南東の森の向こう側からドラゴンが出たっていう噂は知ってる!?」
前のめりで興奮した様子でぐいぐい乗り出してくる犬耳冒険者。
近くにドラゴンが出たという話らしいが恐れる様子がない。この世界でのドラゴンの立ち位置ってどんなもんだったっけ?
にしてもドラゴンの噂ねぇ。
聞いたことはないが、あれはやっぱりドラゴンだったってことなのかな。
「……噂?」
フィアが心当たりなどないとばかりに小首をかしげている。
瑞樹の反応も同じだ。
「噂は聞いたことはないが、それっぽい空飛ぶ飛行生物なら見たぞ」
「ほ、本当ですかっ!?」
猫耳女も身を乗り出して興奮状態である。ドラゴンってそんないいもんなのか。
「……あ、ああ。どうも土煙を上げて逃げる何かを追いかけてたようだったが……」
後ずさりながらなんとか言葉を絞り出す。
「あの……、ドラゴンって恐ろしい生物じゃないんですか? 街の近くに現れたのに……」
ナイスだ瑞樹。それは俺も気になってたところだ。
「ええぇぇっ!? し、知らないんですか!?」
大げさに驚いて見せる猫耳女だが、知らないものは知らないのだ。俺たち三人ともこの世界の住人ではないのだし。
「あー、そうだ。俺たちこれから飯にしようと思ってたんだが、そっちもまだなら続きは飯食いながらにしないか?」
ついでとばかりに飯に誘ってみると、二人は顔を見合わせて頷いた。
「ええ、かまいませんよ!」
「じゃあ行きましょうか!」
二人の名前は犬耳男がポチ、猫耳女がタマと言った。
聞いた瞬間にもちろん吹き出しましたとも。瑞樹も一緒に。
「お前らペットかよ!」と心の中でツッコんだがしょうがないと思う。声に出なかっただけ俺はよくやったと思う。
そんなこともあって、こっちに来て日の浅い俺たちは二人に案内されてギルド近くの酒場へとやってきていた。
「へ~、ドラゴンって幸運の象徴なんだ?」
俺は焼き鳥っぽいものをつつきながらポチへと確認する。
「ええ、そうですよ。ドラゴンを目撃した人には幸運が訪れるって話です」
「そうそう。持病が治ったとか、探し物が見つかったとか軽いモノから、金鉱山を掘り当てたとかカジノで一発当てたとか、話だけならたくさん聞くわね」
ポチとタマの話を聞いて瑞樹は微妙な表情だ。
「……それってホントにドラゴンを目撃したからなんですか?」
ごもっともな疑問である。俺もそう思う。何か関連があるとは思えない。
ドラゴンを見かけた人がたまたま運がよかったとか、そういう話ではないんだろうか。
「確かにそういう話だけなら胡散臭いんですけどね。でもちゃんと噂の元になった事実があるんですよ」
おい、最近の話はお前も胡散臭いと思ってんのかよ。
変な表情の俺に気が付いたのか、苦笑しながら弟さんが告げる。
ええっと……、ああ……、なんか見たことあると思ってたけど、キャンプの人か。
思わず浮かんだのは昔流行ったどこかのダイエットDVDだった。
「あ……、そうなんですか。そりゃ似てるわけだ……」
「はい。双子ではないんですけどね……。で、私が弟のブルートです」
そこはブートさんじゃないんですね。
後ろから瑞樹が小さく噴き出す声が一瞬だけ聞こえた。
「マコトです。よろしく」
自己紹介をする俺に続いてフィアと瑞樹もそれぞれ自分の名前を告げていく。
「これはご丁寧に。
……では早速ですが、素材を拝見させていただいてよろしいでしょうか」
「あ、はい」
見た目に似合わずな丁寧な対応に恐縮しつつも、アイテムボックスから次々と獲物を出していく。
「ほぅ……、これはかなりの数ですね……」
獲物を確認しながら木の板になにやら書き込みつつ感嘆の声を上げるブルート。
「では、この35番の番号札を渡しておきますね。三十分ほどで査定が終わりますので、後ほど買取カウンターへとお越しください」
前回と同じく番号札を渡されたので、俺たち三人は倉庫を後にしてギルド内へと戻ることにした。
「三十分で終わるらしいが、どうしようか」
「……お腹空いた」
両腕を組んで思案する俺に、瑞樹がお腹に手を当ててぽつりと呟く。
「私もお腹空きました」
「じゃあ先に飯でも食うか」
フィアにも同意されたとなれば断る理由もない。実際に俺も腹が減ってるし。
そして三人でギルドを出ようとしたところであったが、そこに声を掛けてくる人物がいた。
「なあ、あんたら。……南東の森に行ってたんだって?」
話しかけてきたのは二十歳過ぎほどの男女二人組の冒険者だった。
いつものフィアと瑞樹を目当てに話しかけてくる輩とは雰囲気が違う気がする。
「んん? ああ……、そうだけど」
怪訝な表情で二人組を見返す。
どちらも獣人族のようで頭の上にもふもふとした耳が生えていた。男の方は犬耳で、女の方は猫耳だろうか。
一度は獣人の耳をもふもふしてみたいな……。
「じゃ、じゃあさ! 南東の森の向こう側からドラゴンが出たっていう噂は知ってる!?」
前のめりで興奮した様子でぐいぐい乗り出してくる犬耳冒険者。
近くにドラゴンが出たという話らしいが恐れる様子がない。この世界でのドラゴンの立ち位置ってどんなもんだったっけ?
にしてもドラゴンの噂ねぇ。
聞いたことはないが、あれはやっぱりドラゴンだったってことなのかな。
「……噂?」
フィアが心当たりなどないとばかりに小首をかしげている。
瑞樹の反応も同じだ。
「噂は聞いたことはないが、それっぽい空飛ぶ飛行生物なら見たぞ」
「ほ、本当ですかっ!?」
猫耳女も身を乗り出して興奮状態である。ドラゴンってそんないいもんなのか。
「……あ、ああ。どうも土煙を上げて逃げる何かを追いかけてたようだったが……」
後ずさりながらなんとか言葉を絞り出す。
「あの……、ドラゴンって恐ろしい生物じゃないんですか? 街の近くに現れたのに……」
ナイスだ瑞樹。それは俺も気になってたところだ。
「ええぇぇっ!? し、知らないんですか!?」
大げさに驚いて見せる猫耳女だが、知らないものは知らないのだ。俺たち三人ともこの世界の住人ではないのだし。
「あー、そうだ。俺たちこれから飯にしようと思ってたんだが、そっちもまだなら続きは飯食いながらにしないか?」
ついでとばかりに飯に誘ってみると、二人は顔を見合わせて頷いた。
「ええ、かまいませんよ!」
「じゃあ行きましょうか!」
二人の名前は犬耳男がポチ、猫耳女がタマと言った。
聞いた瞬間にもちろん吹き出しましたとも。瑞樹も一緒に。
「お前らペットかよ!」と心の中でツッコんだがしょうがないと思う。声に出なかっただけ俺はよくやったと思う。
そんなこともあって、こっちに来て日の浅い俺たちは二人に案内されてギルド近くの酒場へとやってきていた。
「へ~、ドラゴンって幸運の象徴なんだ?」
俺は焼き鳥っぽいものをつつきながらポチへと確認する。
「ええ、そうですよ。ドラゴンを目撃した人には幸運が訪れるって話です」
「そうそう。持病が治ったとか、探し物が見つかったとか軽いモノから、金鉱山を掘り当てたとかカジノで一発当てたとか、話だけならたくさん聞くわね」
ポチとタマの話を聞いて瑞樹は微妙な表情だ。
「……それってホントにドラゴンを目撃したからなんですか?」
ごもっともな疑問である。俺もそう思う。何か関連があるとは思えない。
ドラゴンを見かけた人がたまたま運がよかったとか、そういう話ではないんだろうか。
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